紙の本
双子の推理
2016/09/02 21:01
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投稿者:もぐら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとの良い面だけを捉える片割れと、人の悪い面だけを捉える片割れ。
二人の推理が合わさったとき初めて真実が見えてくる。
読んでいると物の見方によって真実なんて変わるものだなと思わされます。
紙の本
道然寺の双子探偵
2016/07/05 02:25
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投稿者:みすてり - この投稿者のレビュー一覧を見る
一海は厚顔無知なんじゃないの?
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福岡県の夕筑市にある寺院・道然寺には、
中学2年生の双子が住んでいる。
「寺の隣に鬼が住む」が信条のレンと、
「仏千人神千人」が主義のラン。
性格が正反対の双子たちは、
それぞれの論理で事件の謎を解決しようと試みるのだが……。
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「寺の隣に鬼は棲むのか」 「おばあちゃんの梅が枝餅」 「子を想う」 「彼岸の夢、此岸の命」
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道然寺の二代目・一海は、16歳の時、寺の境内に段ボールに入れられて置き去りにされていた双子(ランとレン)を見つける。双子は寺で育てられ中学生になっている。人の善の面を見るランと、悪の面を見るレン。性格はまったく違うが、穏やかな毎日を送っている。一海が見かけたり相談されたりした檀家さんたちが抱える厄介事を、ランとレンが善悪二方向から推理する。ランが合っていることもあり、レンが合っていることもあるのだが、味方によって出来事の様相ががらりと変わる様が興味深い。道然寺の人たちの人柄もそれぞれとても好ましく、もっと見ていたいと思わされる一冊である。
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赤ん坊の時に捨てられ、寺に引き取られた双子・レンとラン。
双子はずっと寺で育てられ、現在中学生だが、正反対の性格をしている。レンは性悪説を心情にするゲーム大好き今時男子。ランは性善説を信じる甘いもの隙のおっとり女子。寺の息子で若い住職である一海の周りで事件が起こるが、この双子のひらめきが謎を解くきっかけになる。
一話目は、葬儀の最中に消えた香典の謎。
資産家の老人がなくなり、その葬儀の最中に4人の子供たちが出した香典が消え、受付をしていたお手伝いの泰恵に疑いが向けられる。故人の後妻である幸代は特に泰恵を疑ったが、泰恵のアリバイは故人の4人の息子たちによって保障された。
二話目は、寺になじみのある和菓子屋の孫娘が、急に店の商品である菓子を拒絶したという謎。
孫娘は何故か最近早く登校するようになっていたが、その理由も分からない。
三話目は、水子供養にきた女性の夫が、一海と妻の中を疑うところから始まる話。
寺のお手伝いで、一海の縁者であるみずきは英会話教室に通っており、その生徒仲間の優奈から、寺で水子供養をしたいと依頼を受ける。
みずきは一海に供養を頼み、それは無事に執り行われるが、後日優奈の夫・俊一が、一海と優奈の仲を疑って寺にやってくる。
優奈は子供を持ちたいと思っていたが、その前に水子の供養をしにきたと言った。しかしその時点ですでに妊娠しており、それを夫に隠していた。夫は優奈の相手が自分でなく他の人なのではないか疑っている。
そして優奈夫婦の背後には嫁姑問題も隠れていた。
四話目は、一海と双子が、それぞれ似たような女性の夢を見たところから話が始まる。
夢に出てきたのは双子を捨てた母なのではないかと考える。
そんなとき、警察から引き取り手のない遺体の供養の依頼が来る。亡くなったのは女性で、35歳の女性。事故死だったが親に勘当されて身寄りがなく、遺体の引き取り手がいないとのことだった。
そしてこの女性には出産の形跡があった。
一海はこの女性がレンとランの母なのではないかと考える。
推理物ではあるんですが、寺が舞台なだけあり、どれも人情味を大事にした話です。
捨て子を引き取る、血の繋がってない家族になることの難しさが描かれているけど、それでも最終話で助けた赤ちゃんを引き取ることにしたという結末に心がジンワリしました。
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連作短編集。
寺に住む 父親海、息子一海、親戚みずき、双子で寺に捨てられていたレンとラン達が日常の謎を解決していく物語。
最終章でレンとランを捨てた母親に巡り会えるような展開がやってきて物語が収束するのかと思ったが違う展開へ進んだのが以外だった。
全体的にのんびりホンワカ進むので肩の力を抜いたまま気軽に楽しめた。
続編で是非 双子たちの出生の秘密明らかにされる物語を書いて欲しいと思う。
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消えた香典、家業のお菓子、水子供養、子供達の親。
寺に置いて行かれた双子が、かわるがわる解決します。
主人公は、それをヒントに迷推理をして
どうにか解決?
後で真相っぽいものが分かるわけですが
納得して終了しているので、問題はないかと??
すべての話で、主人公の善良さというか、が
にじみでています。
双子は幸せだな、というのも、じんわりしてきます。
特に最後の話。
ようやく、職業柄な感じの最後でした。
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なかなかよかった。あるときは性悪説でなされた推理を性善説で否定、またあるときは性善説でなされた推理を性悪説で否定する。人には両方の面があるということ。
お寺さんが舞台ということで、どことなくほっこりとするお話になっています。仏教に関わる人全てがそうではないでしょうが、基本的にこの話でお寺に関わる人は心の優しい人ばかり。その点も、なんかほっとする。
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“珈琲店タレーラン”シリーズの作者による、福岡県のお寺が舞台の日常ミステリ。
道然寺の若和尚・窪山一海(くぼやま いっかい)の周りで起きるさまざまな謎の出来事を、中学生の双子・姉のランと弟のレンが推理する。
一海は、真面目で考えも深いし、ちゃんと若和尚を務めているのだが、何かといじられてトホホな感じ。
お人好しだからか。
双子は、寺に捨てられていたという過去を持つ。
そのせいか、レンは物の見方もシニカルで、人間の行動をナナメに見るきらいがある。
ランは逆に、性善説にのっとって推理する。
物の見方が逆ならば、推理も真逆。
反対から光を当てることで、見えなかったものが見えてくるのが面白い。
人気シリーズを持つと、“○○の方が良かった”などと言われがちだが、この作品は、一海さんのフラットな視線も良いし、双子や、お手伝いさんのみずきのキャラも良い。
加えて、お寺という舞台は様々な人間模様が垣間見られそうだし、たくさんの檀家さんともかかわるし…シリーズとして続いてほしい気がします。
キャラ達の、この後の成長を見たいです。
第一話 寺の隣に鬼は棲むのか
資産家のお葬式で、香典袋の中身が無くなる。
若い後妻は、受付のお手伝いさんを疑うが…
第二話 おばあちゃんの梅ヶ枝餅(うめがえもち)
商店の子に生まれたことへの複雑な思い。
第三話 子を想う
水子供養をしたから新しい子を授かった、と吹聴する若い主婦の真意は?
第四話 彼岸の夢、此岸(しがん)の命
彼岸の入りの日、一海と双子たちの夢枕に女性が立つ。
見知らぬ人が伝えたかった願いを解く。
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元々は捨て子で、寺に拾われて暮らす男女の双子、
レンとランが探偵役。
物語自体は、寺の若住職目線で進む。
連作短編集で、寺の人や周辺人物が遭遇する
大小さまざまな謎を、双子が解いて行く。
が、この双子が、それぞれ「正反対の推理」をする(^ ^;
「寺の隣に鬼が住む」を座右の銘とするレンは、
いわば人間性悪説の立場から物を見るきらいがある。
反対にランは「仏千人神千人」とよく口にする、
若住職と同じくお人好しで情にもろい。
この二人の「正反対の推理」が、それぞれ破綻無く
「なるほど」と首肯できるよう構成された文章は、
かなり緻密に練り上げられている。
さらに一冊を通して双子や若住職の成長が描かれ、
また双子の出自に関わる謎や、最後に新たな展開もあり、
これは続編を出す気満々と見た(^ ^
ミステリに分類したが、どちらかと言うと
人情もの、ヒューマンドラマかも(^ ^
GW中に一気読みしてしまいました(^ ^
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道然寺の若和尚・一海の視点で各事件の推移を見守り解決に導く物語。
お寺に置き去りにされた双子の子供レンとラン。
お互いの個性と考えを持って事件の解決の手助けを。
日常におけるミステリーが各話ごと綴られています。
そこにある根底はヒューマンストーリー。
血の繋がりこそないけど、そこにある家族の絆も見えて。
読了後温かい気持ちになる作品でした。
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流行りの日常の謎タイプの作品ですが、お寺の住職が主人公になっていて、仏教の知識が散りばめられていることろにオリジナリティがあります。
影の主役である双子が常に裏表の推理を展開していくパターン化された展開も、裏を想像する楽しみに繋がって良いと思います。
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双子の一人が解決したと思ったら,もう一人が意外な真実を解き明かすという,くるりと変わるストーリー.
「ミステリ」と聞くと「唯一絶対の真実」を想像してしまうが,「動機」の面は,はたから見れば他人のことなんてわかるはずがないのだから,ともすれば「真実」にたどり着けていない可能性もある.
性善説と性悪説の両から人をとらえる双子探偵.
二人でいることで,二人は,真実と大切なことに気づいていく.
できたての梅が枝餅はマジで美味い.
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【善】と【悪】からなる双子の推理劇。
大人も加わってわりとてんやわんや。
いろんな形の『家族』の物語。
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4話の短編を通し,登場人物を立て,4話目で物語を収斂させる.すっきりとした読後感(ただし余韻を残す類の内容ではない).
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んーーー。
残念だけど、私には合わなかったみたい。
お寺に子供を捨てるって、いつの時代だよってのは置いといても。
双子たちの性格が、どちらも好きでない。
中学生なので、子供っぽいのは当然かもだけど、あれはないわー。
お寺の宗教法人だけど儲けてることをあまりに正当化するのにも違和感。
さーて、次行こ。次。