紙の本
楽しめました
2017/02/09 17:32
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台となっている奥多摩について私には知識がないので、情景や雰囲気がうまく頭の中で描けなくて少し残念でした。東京でありながらかなりの山間部であり豊かな自然に恵まれた素敵な土地であることは作中からも伝わりました。
それにしても山や岳の名前って、どう読むのが正解なのか無知な私には結構戸惑います。結構登山用語みたいなのも出てきてそちらも一々辞書を引くことに(苦笑)
とネガティブな書きようを最初にしてしまいましたが、作品自体はそれらのことがあっても面白く最後まで楽しめました。普通なら自分の興味のない分野は何も知らないまま暮らしてしまうのに、小説という形で出会うことで自分にとって未知の世界の一端でも覗けることも読書の良さの一つだと改めて感じた一冊でした。
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20100313 読了
『越境捜査』で有名の笹本さんですが、もとは山岳畑の方なんですね。山の描写が素晴らしかった。山登りなんてしないわたしですが、久々に山の景色が見たくなりました。
ストーリーも、派手さはないけれど人情味があって些細なことが胸にじんときます。むしろ『そこに住む人々と事件とが切り離せないところにある』と言うのが一番の読みどころなんだろうなぁ。
しかし、プールに骨抜きにされた江波さんが可愛すぎる(笑)
私的に宿屋の倅と本庁後輩の南村が良い味出してたと思います。
加倉井は味とは言えないからな……なんだろ、賞味期限の切れた唐辛子みたいなもんか。忘れたころにぴりりっと(なんだそりゃ)
江波さんと遼子ちゃんのその後もちょっと気になるとkぼそぼそ。
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奥多摩の駐在に勤務する江波淳史という男が主人公。
江波淳史は、ある事件の被疑者の冤罪を証明すべく取り調べをしていた。が、被疑者が服毒自殺する。その責任を取らされ、奥多摩の駐在所に飛ばされることとなる。
奥多摩の駐在所に勤務して2年、服毒自殺に追いやってしまった事をずっと悔いつつ日々過ごしていたが事件が起こる。だが、奥多摩に住む住人との深い繋がりが解決へと導いていく。
ミステリーだが、考え見ながら読む作品ではないので読みやすい。
読み終わるとほんわか心が温まってる感じでした。
けっこうおもしろかったのでオススメです。
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笹本稜平の一刷。
奥多摩駐在所の所長、江波警部補の周辺で起こる6つの事件。
それぞれが、短い短編でつながっています。
舞台となる奥多摩もなじみのある水根沢や石尾根などがでてきて、歩くときには江波刑事を探してしまいそうです。
漫画『岳』にも通じる、ほのぼのとした小説でもっと続きを読みたくなる一冊です。
【収録作品】
終わりのない悲劇
血痕とタブロー
風光る
秋のトリコロール
茶色い放物線
春嵐が去って
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上司の失策の責任を取らされ、警視庁の捜査一課から奥多摩の駐在警官に左遷異動させられた江波警部補が主人公の連作短編集。
後半、少し無理があるかなぁ、と思う展開はあったけれども、全体的にほのぼのして読後感良し。脇キャラの池原親子の存在も良いし、遼子と江波の関係も気になるところ。敵キャラの元上司の存在はお約束な感じかな。山岳小説としての描写もあり、なかなか楽しめた一冊だった。
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図書館で借りました。面白かったです。
地域に根ざして、と言うか地に足の着いたと言うかそういうおまわりさんって今時珍しい存在なのかもなあと読んでいて思いました。かくいう自分もそれほど土地と人がしっかり結びついている土地に育ったわけではないので地域とかコミュニティと言ったものに憧れを感じているだけかも知れませんが。
山登りが終始出てまいります。奥多摩かあ… 行ってみたいなあ。お父さんの携帯を探す話が好きでした。これ、シリーズになってるのかな?なってるならまた読んでみたいなと思います。
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1年半分の季節が巡る間に奥多摩(「秋のトリコロール」のみ北鎌尾根)で起こる事件と人間模様が、時系列で6つの短編としてまとめられている。手にしたとき、「駐在刑事」のタイトルから堅い内容を思い描いたが、あにはからんや、子供やお年寄り、犬が重要な役回りだったりで、ほのぼのさも感じる物語でした。
好きなキャラは真紀とプール。「茶色い放物線」は映像化を希望。「風光る」での江波と遼子のような出会いには憧れる。「秋のトリコロール」は山に登りたくなる。
肝心の主人公・江波の印象が弱く、敵役・加倉井との対立構造の描き方が平板なところに物足りなさを感じた。やっぱり自分は、警察組織の中にいる個人としての刑事や、犯罪者の心理を描く作品が好きなようだ。
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短編小説。退屈してしまったが駐在さんの見本のような人物像に惹かれて読了。どこかほっとする内容だった。
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笹本稜平の4作目。連作短編。
各編ごとに感想を。
【終わりのない悲鳴】
哀しい女性の物語。
主人公の抱える心の傷とリンク。彼の背景の事件が今後関わってくることになるようならば、面白さも倍増しそうなものだが、果たして………?
2012.07.10.書。
【血痕とタブロー】
再び、自ら死に向かおうとする人を救った主人公。本作のテーマはコレなのかな?と。
いけすかない管理官に一泡吹かせてやる展開もあることを期待(笑)。
2012.07.10.書。
【風光る】
恋の予感?(笑)。骨髄移植で血液型が変わる………というのは初めて知った。唐突だったので、ややアンフェアか?とも思ったが、“いわゆる推理小説”なわけではないのでOK。
2012.07.10.書。
【秋のトリコロール】
警察小説というよりは、ソフトな山岳冒険小説、かな。
誇り高きアルピニストの、堕とされた栄光の回復・・・、目頭が熱くなる一遍だった。
筆者は、本当に山が好きなのね、とも。
2012.07.11.書。
【茶色い放物線】
ハラハラドキドキ。クライマックスは、“良い意味で”平成ひと桁時代の刑事ドラマを見ているかのよう(笑)。
………「刑事貴族」とか………
犬が、限りなく可愛かった(^-^)v。
2012.07.11.書。
【春嵐が去って】
おばあちゃんモノと子どもモノには、極めて弱い。頬を濡らしてしまった。
あの、嫌~ないやな管理官が、わりと潔く負けを認めて恰好良さ気に引き下がったのだけは、物足りないかな・・・ギャフンと言わせ失職させるか降格させるかして欲しかった(笑)。
通読して・・・・
心温まる物語だった、と。笹本稜平、好きになったかも。
他の代表作にも、手を伸ばしてみよう。
★4つ、8ポイント。
2012.07.12.了。
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少し特殊なジャンルではあるが著者の『還るべき場所』は夢枕獏の『神々の山嶺』と共にポスト新田次郎の大傑作!本作は山岳小説ではなく、奥多摩の豊かな自然を背景とした連作ミステリである。ある不祥事の責任を負わされ、花の警視庁から山里の駐在所への移動を余儀なくされた男が主人公。登場人物+1匹の造形は1人を除き好ましい。但、その例外たる元上司のキャリアが余りにも【お馬鹿っぽい】のが頂けない。加えてS・キングが創造した怪しの街キャッスルロックじゃあるまいし、奥多摩で次々に怪事件が発生するのも無理がある。箸休め的小品か?
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警視庁の敏腕刑事がキャリアの上司と衝突し、容疑者を取り調べ中に死なせてしまう。彼は奥秩父の派出所勤務を願い出る。旅館の親子から山の知識を徐々に身につけていくうちに、ここが気に入った場所になっていく。そんな時、山で女性の滑落死が発生し、自殺か他殺かで揉める。警視庁時代の上司がこの事件の責任者として出張って来て、江波を困らせる。次々に起こる事件を江波が解決していき、犬猿の仲のキャリアの上司のプライドを傷つける。最後には命令に反した行為で問題は解決するが、彼は辞表を出す。ここは犬猿の仲の上司も引止め役に廻る。笹本氏が山の物語に入っていったのはこれからではないかと思う。
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この作品をきっかけに笹本さんの作品を読むようになりました。
長編を書いてこその笹本稜平と、評価される方もいらっしゃるようですが、
個人的にはこの短編も好きです。
自然の描写もいいですね。
そこがかなり惹かれた点でもあります。
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警察小説と山岳小説のハイブリッド。
奥多摩の山に登り、北アルプスが好きならはまること間違いなし。
あり程度、山の知識があるとより楽しめます。
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笹本さんの本は全部よんでますが、これは山岳か刑事ものかどっちつかずでちょっと微妙。焦点が合いにくいです。
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2015.3.17読了。
山岳物は苦手なんだけど、笹本稜平さんが好きで山岳物じゃないものを買おうと探して買ったものが山岳物絡んでたという…
ある事件をきっかけに、花形刑事から駐在所の所長になった江波淳史。その街で起こるさまざまな事件を解決していく6篇からなる小説です。
短編集といえども、登場人物が変わらないので読んでいて楽しかったです。
中でも好きだったのは『茶色い放物線』。