- 販売開始日: 2016/07/29
- 出版社: 講談社
- ISBN:978-4-06-283776-7
囮物語
“――嘘つき。神様の癖に”かつて蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子(せんごくなでこ)。阿良々木暦(あららぎこよみ)に想いを寄せつづける彼女の前に現れた、真っ白な“使者”の正体...
囮物語
商品説明
“――嘘つき。神様の癖に”かつて蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子(せんごくなでこ)。阿良々木暦(あららぎこよみ)に想いを寄せつづける彼女の前に現れた、真っ白な“使者”の正体とは……?<物語>は最終章へと、うねり、絡まり、進化する――<物語>シリーズ第11巻
目次
- 第乱話 なでこメドゥーサ
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強烈な自我を間違った方向にしか体現できなかった女の子の話
2011/08/09 19:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
強烈な自我と、その表現方法を知らない、気づかない、努力しない、その罪の物語だと思った。
「化物語」で唯一<被害者>であった撫子。
が、それこそがアヤカシたちの思うつぼだったのかもしれない。
彼女は、無邪気に暦の彼女を憎み、あっけなくこの世を足蹴にする。
バケモノの世界に、踏み込んでしまった暦にしろ、ひたぎにしろ、羽川にしろ、駿河にしろ、むしろこの世に未練があり、その執着がバケモノを産んでいたというのに。
想いの差は、確かにないのだろう。
羽川の暦への想いも、撫子の暦への想いも、大差はないのだろう。
しかも羽川は、自分で想いを告げるのではなく、その弱さゆえにネコに言わせている。
では、羽川と撫子の差は何なのだろう。
…自我なのだと思う。
大人しい引っ込み思案の子といわれいる撫子。が、それは、裏をかえせば強烈な自我でしかない。自己愛がすぎるからこそ、人の前で自分をさらけ出すことができない。顔を隠す前髪も、結局のところ自分が可愛いと知っているからのことなのだ。
思い返せば、子供の頃にいたいわゆる<大人しい子>は、大人しそうに見せてやたら頑固だった。でも、大人には大人しいと完全に思わせているから、頑固に言い張っているのは実際はその子だったのにこっちが譲歩するハメに常になっていた。
とはいえ、撫子は可愛そうな子なのだろう。
自分の引っ込み思案が、可愛いといわれる顔が嫌いなら、むしろ前髪を全部あげて真っ黒に日焼けするぐらいのことをすればよかったに。誰も、そっちの方向への示唆をしてくれなかったのは、可愛そうなんと思う。
そう、月火ちゃんは、もっと早く言ってあげるべきだった。
…にしても、撫子や、月火ちゃんから語られる暦の格好いいことったら…。
まぁ、あれだけの歴戦をくぐりぬけて、つか、ぬけられてきたのだから、ただものではないとは思ってたけどこれほどだったとは。
暦くんも、自己評価が低すぎです。
って、次へのフラグなんすかね?
遅ればせながらの書評です。その後の展開では、終わるはずの話が、実はまだまだ続くことになっているんですが、ここではまだそれが明かされていません。しかも、今回の話は後の巻に密接に関係するので、抜かしたりするとあとで後悔することになります。いやあ、読んでおいてよかった、って思いましたよ、実際・・・
2012/04/19 22:12
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
完結まで今回のお話を含めてあと三冊ということになります。ま、実際には無事に完結して、私も『恋物語 第恋話 ひたぎエンド』を読み終え、巻末をみてサプライズしてしまっている状態ですが、それはそれ、タイムラグはありますが、順番に紹介していきましょう。ブックデザイン関係のデータは、全巻共通ですが、とりあえず写しておきます。
BOOK & BOX DESIGN VEIA
FONT DIRECTION SHINICHI KONNNO[TOPPAN PRINTING CO.LTD]
ILLUSTRATION VOFAN
本文使用書体:FOT・筑紫明朝ProL
ということで、全24章、あとがきという構成です。で、今回のお話の中心人物は千石撫子、かつて蛇に巻き憑かれたという少女です。正直いって、私の中では戦場ヶ原の存在が大きすぎて、撫子? っていう感じだったんですが、阿良々木暦に想いを寄せつづける、っていう点では人後に落ちません。結果、『ひたぎエンド』に繋がっていくほどですから。
で、年齢は14歳、ずばりロリータと同い年。ま、14歳少女なんて掃いて捨てるほどいるのですから、年齢でどうこう言っちゃあいけないんでしょうが、でも危険な年ごろではあります。うーむ、あっちゃんデビューの年だし。あっちゃんて誰だって、って勿論、前田敦子ですよ、『不器用』の、っていうかAKB48の。そうか、卒業か・・・
いやいや、脱線している場合ではありません。まずは撫子のプロフィール。身長153センチ(成長中)、体重38キロ、視力、左右ともに2.0、成績は中の下? 友人少なめ、彼氏なし、スカートよりはズボンを好んでいます。性格は根暗で、趣味は帽子集め。人と目を合わせるのが苦手で、見られるのも見るのも嫌。だから前髪を長くして顔を隠しているわけですが、美少女です。怖ろしいくらいの美少女なんだそうです。
で、このシリーズのファンならご存知でしょうが、撫子は阿良々木月火の知り合いで、友人と言ってもいいかもしれません。ちなみに、月火は暦の下の妹で中学生、界隈でその狂暴性が知られる有名人で、姉の火燐とともに兄を慕い、時には兄のベッドに潜り込むこともあります。維新の気持ちもわからないではないけれど、かなり危険な妹で、撫子と小学生の時は「せんちゃん」「ららちゃん」と呼びあう仲でした。
で、です、その撫子の前に千年以上生き死にを繰り返してきた蛇で、神になったというクチナワが現れ、あるものを探すことを依頼します。それが今回のお話。で、クチナワは普段、撫子の右手に巻かれたシュシュになっています。そう、シュシュです、あっちゃんがセンターで踊っていたポニシュシュのシュシュです。もしかして維新て、AKB48のファン?
ちなみに、今回のお話でどうしても理解できなかったのが忍野扇の存在。あの吸血鬼・忍野忍の姪で、阿良々木暦、神原の後輩にあたります。扇が乗っていた自転車が撫子にぶつかりそうになるのですが、なぜ、彼女がココだけに登場したのか、私にはよくわかりません。ただ、扇を除けば、西尾の場合、どうやってこう伏線がしっかりときいて話が上手くまとまるのか疑問のところがあります。天性のものなのか努力の賜物なのか・・・
ともかく、この時点ではあと二冊『鬼物語 第忍話 しのぶタイム』『恋物語 第恋話 ひたぎエンド』で完結するという話でした。
撫子一色
2015/08/17 13:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
千石撫子、登場!いきなり冒頭から繰り広げられるには、北白蛇神社での死闘だ。そして彼女が雨の中で殺し合いをする相手は、阿良々木暦と忍野忍、かつての吸血鬼だ。一体この状況を作ったのは何なのか。その過程が、千石撫子の言葉で語られる。果たしてそれを語る彼女はどこにいるのか?
撫子の普段の生活とか、学校での彼女の様子とか、黙っているときに何を考えているのかとか、阿良々木暦視点の普段の描き方では分からない部分が明らかになる。そして、阿良々木暦のベッドで寝ている撫子とか、阿良々木月火との会話で暴走してダダ漏れにしていくところとか、色々壊れている。
冒頭は状況が良く分からず、序盤から中盤にかけては撫子一色で、後半にかけては真面目な撫子語りになり、終盤では暴走して崩壊する。ともかく全て、撫子が持っていく。
一体この続きはどうなるのか、普通に続くのか?疑問いっぱいで次巻を待つしかない。
カミングスーン神だけに
2015/03/21 05:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
語りは千石、ほとんどが撫子の妄想だった。自分を傷つけたくない、ゆえに暦に叶わない片思いを続けている。クチナワが枷を外して飛び出して来た、ぶちまけられた思いが強烈。あれが転機だったのだと思う。白蛇に身を委ねラスボスと化した撫子は半年後に暦たちと最終決戦。 「ようこそ。暦お兄ちゃん可愛がってあげるね」カミングスーン神だけに
本作では主人公でもあり語り手でもある千石撫子
2022/12/03 08:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
下駄箱、体操服袋、鞄の中とあらゆる場所から出てきて、彼女にまとわりついてくる白い蛇が無気味です。阿良々木暦に抱いている想いが、事件解決に繋がり爽快でした。
千石撫子視点
2021/06/19 14:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三河っ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的に阿良々木暦視点でストーリーが進んでいく物語シリーズにおいて珍しく、千石撫子視点でストーリーが進んでいく一冊です。読み手によって好みが分かれる気がします。
どうしたんだ。西尾維新
2011/07/17 16:26
8人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポトフってどんな豆腐? - この投稿者のレビュー一覧を見る
化物語は昔から大好きで発行される度、楽しみで楽しみでしょうがなかったのですが最近はそうでもありません。猫物語〈白〉までが読めるレベルでそれ以降は回を追うごとに酷くなっているように思えます。
傾物語は真宵を焦点に中ててましたが完全に忍で肩すかしを喰らいましたし花物語ではいらない駿河のキャラの気持ち。この時に完全に終わったと思っていたのですがまさかの囮物語。ここまで読者を落胆させるシリーズもないでしょう。100%首尾良く書かれたというのは西尾さんがやっつけで仕上げたと言うことなのでしょうか?続編は絶対に買いたくないです。