ユタの心の扉を開いた座敷わらしたち
2015/01/08 13:36
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投稿者:Nayoroiwa - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語でいう不思議な仲間たちというと、東北地方に古くから伝わる妖怪(あるいは、守り神)の「座敷わらし」のことである。
この座敷わらしたちが東京から越してきて、憂鬱な気分でいるユタの心を明るくしていく。
座敷わらしたちの優しさがにじみ出た、心温まるファンタジー小説である。
こんな座敷童もアリでしょう。
2020/10/05 16:56
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「いなかの春風のなかには眠り薬がまじっている。」なかなか素敵な文章で始まる、ちょっと古いところもあるけれど、ファンタジーとして面白く、そして考えさせる作品でした。
座敷童が出るという村に母と引っ越してきた小学校六年生の勇太。なかなか仲間に入れてもらえない勇太の最初の友達は座敷童だった、という話です。
「少年の成長物語」という児童文学の定番のようなものではあるし、「女なのに」などの現代では「いかがなものか」と感じる表現もあります。そんな「古さ」もあるけれど、それでも荒唐無稽な座敷童たちとの交流や、その中で少しずつ周囲の現実とつながりを作っていく少年に読んでいて心が温たまります。
登場する座敷童たちは哀しい「生まれ」。ずいぶん昔に生まれたものもいる。ちょっと滑稽なところもあり、したたかでもあり。よく知られている座敷童のイメージとはずれているかもしれないけれど、こんな座敷童もアリでしょう。あって見たいと思ってしまいます。
昭和46年の作品。座敷童そのものが日本の昔話になりつつあるのでしょう。その昔話を取り入れたこの話の舞台も「昔」になりつつあります。時代の流れを感じる話でもありました。
・・令和になり、さらにこの世界を延長して書いた作品があってもいいかも。
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古すぎてイメージ出ませんね…。座敷わらしといじめられっこの男の子が仲良くなるファンタジー。ほのぼのする。座敷わらしがかわいくて仕方なくなる♪
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都会の育ちの貧弱な少年がこれまた渋いキャラの妖怪達と出会い、成長していく。
ジブリ映画を見ているようで楽しい(笑)
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一度興味を持つと、極めたくなる性質は健在。
amazonで、原作本と劇団四季のCDも購入。
『ユタと不思議な仲間たち』の原作は昭和46年初版なので、もう33年前。
読んでみる。
舞台では5人(ペドロ、ダンジャ、ゴンゾ、モンゼ、ヒノデロ)しか登場しない座敷わらしたち、原作ではさらに4人(ジュノメェ、トガサ、ジンジョ、ジュモンジ)加わる。
しかし、殆ど物語に関わらないのが悲しい。
えーと、ユタ、原作のほうが生意気です。
村に化石の調査で泊まりに着ていた女子大生がいたのだが、「女が化石の調査?」と。
ま、当時の感覚にはこういうのがあったんだろう。
そして、聞きにくいことも直球でぶつけてくれる子供のようです。
「わだ わだ あげろじゃががい」
と言う言葉はこの物語ではかなり重要な言葉なのだが、元の意味は
「僕だ 僕だ 開けてよ お母さん」
座敷わらしたちにその意味を聞いたあとに、
「でも、ペドロたちにお母さんはいなかったんだろ?」
とはっきりのたまってくれた。
お前、ペドロたちが間引きされた赤子だと聞いただろう、と。
でも、ユタが村に受け入れられていく様子は原作のほうがよくわかる。
目標のために向かっていく姿も、こっちのほうがひたむきに感じる。
どっちにしろ、憎めないキャラだと思う。
CDのほうは、やはりダンスがないのが寂しいところ。
でも、歌詞がついてくるので、舞台で見ただけではよく聞き取れなかった言葉などがよくわかって良い。
また、次に見に行く時にはもっと楽しめそうだ。
ずっと歌詞カードを見ながら一緒に歌っている自分がいる……。
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中学受験のころ、とある学校の試験問題にのっていたのが読むきっかけだったような・・・。塾の先生に借りて全部読んでみて当時すごくはまった。都会から田舎にひっこしてきたいじめられっ子の少年とその土地に住む座敷わらし達との友情ストーリー。ほのぼのする所もあり、ほろりとする所もあり。もう一度読んでみようかな。
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2008/10/22購入。表紙からは予想できないくらいファンタジー。少年の成長ものがたり。読書感想文なんかによさそうなお話・・・
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劇団四季で上演されていた劇の原作です。
小学校の学芸会で上演したこともあり、
ストーリーは大体知っていましたが、
台本や劇とは違った雰囲気がありました。
劇から原作の本を読んでみたのは2冊目でしたが、
原作独特の良さを楽しめるので
これからもそういった本を見つけていきたいと思いました。
また、劇で演出が新たに施されている部分などを発見したりと、
色々な楽しみ方をしていきたいです。
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2009.11.17. 座敷童は、実は昔、飢饉の時代なんかに間引かれてしまった幼子だったという設定が良いです。幼子だったけど、ずーっと座敷童しているからおじさんみたいなのね、タバコ吸ったりして。でも、おむつしてるの。物語全体に、なんだか味があるんだなあ。
2009.10. 劇団四季の「ユタ」に原作があったとは。しかも作者が三浦さん。読まねば。
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飢饉の話が一番印象に残りました。今でこそ、お金で食べ物がどんどん輸入されていますが、冷静に世界のニュースを見渡してみると、いつまたこの日本を飢饉のようなものが襲っても不思議でない時代になったような気がします。
カロリーベースで40%そこそこの食料自給率に加え、諸外国の資源の取り合いは骨肉の争いであり、手近なところでは、中国のガス田開発など、
今までのアメリカの軍事力を背景にした日本の繁栄は、もはや通じないものになりつつあるようです。
20年ほど前は、テレビのニュースを見ても、「日本人か?」と問われるシーンを見ることが多かったのに、最近は「中国人か? それとも韓国人か?」と聞いてくるニュース番組が殆どです。国内の揚げ足取りに終始して疲弊している間に、世界から置いてけぼりを喰らうのではないでしょうか。
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★☆☆
初めて読んだのは小学生のときだったかな。
だから、何だか懐かしい気持ちになる。
都会から来たユタが、座敷わらし達との触れ合いの中で、体も気持ちも強くなっていく。
座敷わらし達が、ただの〝子どものお化け〟ではなくて
その背景の歴史もからめて描かれているのが印象的。
昔はただユタと座敷わらしが友達になって成長できるのがいいなぁって思っていたけれど、
改めて読むと、座敷わらし達の存在意義を考えさせられた。
(2007.10メモ→2010.04ブクログ)
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劇団四季の舞台を見たのは小学生の頃だった。奇しくも本屋で手に取ったのは三浦哲郎氏の追悼記念フェアで、『ユタと不思議な仲間たち』の文字を見て、この作品は彼のだったのかと初めて知った。あの舞台を見て演劇をやりたいと思い、声楽を深めていきたいと思った私にとっては心に残る作品の一つである。
児童小説によくある不思議なものとの出会い、私は今でもこの類の児童小説が好きだ。しかし、一つ苦手なものがある。どの小説にも必ず別れがあるのだ。あれがどうも好きになれない。しかしながら、この『ユタと不思議な仲間たち』の別れはあっさりと後味が良いものになっている。物語りも小気味良く淡々と進んでいくのがとても印象が良い。
私もいつかは出会うと思っていた、まだ出会ってはいないが、いつかきっと出会うことを信じている。きっと出会えるはずであることを、この物語がまた思い出させてくれた。
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割と有名な作品だったと思いますが・・・なんというか、普通でして、拍子抜けしてしまいました。
日本に、世界に通用するような児童文学作品はないのでしょうか。
おすすめの作品がありましたら是非教えてください。
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三浦哲郎の小説を読みました。主人公は小学校の6年生のユタこと勇太です。 東北地方でも北にある山間の村に転校してきたばかりでまだその土地になじめません。そのため、友だちもできず退屈で寂しい思いをしています。 村の温泉宿、銀林荘で風呂焚き用の薪割りをしている寅吉じいさんに悩みを打ち明けると、寅吉じいさんは思いがけないことをユタに告げます」。 座敷わらしに仲間になってもらえというのです。座敷わらしを知らないユタでしたが妖怪だと説明されると、いると信じて会いたくなったのでした。お母さんに意気地なしだと思われているので、それを利用して胆だめしだといって満月の夜にひとりで銀林荘のはなれに行ってみると・・・ ユタと9人の座敷わらしたちとの短い間ながらの心温まる交流の物語です。 座敷わらしたちの生い立ちに隠された歴史的な悲話もあるのですが、座敷わらしたちはみんな何となくユーモラスで愛すべきキャラクターとして書かれているので実際に会いたくなりました。 40年くらい前に上梓された作品ですが、今も上演されたりしているようなので児童文学には古いとか新しいとかの概念はあんまりないのかもしれません
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「人間、なんでも、気の持ちようだぜ。」と座敷わらしたちが読む者に語りかける。どんな者の中にも,自分が思っている以上の可能性と勇気があるのだと思う。それを私たち自身が引き出そうとせず、諦めモードで過ごしてはいないだろうか? そのようにも問いかけてくる。
「あなたの中に、可能性が眠っているよ。」って、背中を後押ししてくれる仲間が側にいるのだ。目に見えずともいるのだ…。
一歩踏み出す力をくれる一冊です。