サロメの乳母の話(新潮文庫)
著者 塩野七生
ホメロスが謳うオデュッセウスの漂流譚はでっちあげだ! と糾弾する妻ペネロペ。不器用で世渡りが下手な夫を嘆くダンテの妻。サロメの乳母、キリストの弟、聖フランチェスコの母、ブ...
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商品説明
ホメロスが謳うオデュッセウスの漂流譚はでっちあげだ! と糾弾する妻ペネロペ。不器用で世渡りが下手な夫を嘆くダンテの妻。サロメの乳母、キリストの弟、聖フランチェスコの母、ブルータスの師、カリグラ帝の馬……歴史上の有名人の身近にいた無名の人々が、通説とはまったく違った視点から語る英雄・偉人たちの裏側。「ローマ人の物語」の作者が想像力豊かに描く短編小説集。
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歴史家の描く人物像
2003/06/11 16:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はけの道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに惹かれて、読んでみた。ワイルドが描くサロメ。又これはオペラにも為っているから、様々な音楽家のサロメ像。或いはこの表紙にもなっている画家ギュスターヴ・モローの絵画上のサロメ…。あの妖艶で一度惚れこんだら、殺してまでも手に入れようとする恐ろしい女。として普通我々はサロメを見てしまう。所が、恐らく多くの史料から描き出された塩野さんのサロメは我々のそんな先入観をふっ飛ばしてしまうに充分の説得性があった。何のサロメは、今でいう中学か高校生辺りの未だ幼い少女。頭の良くて両親思いの彼女。ローマから、折角捕らえた預言者、ヨカナーンの様子など視察に来た役人達を持て成す宴会の席で、囚人の死刑に躊躇している父ヘロデ王を慮っての、サロメの一代演技だった…という話。正に私としても「目から鱗」である。
その他の話では弟ヨハネの語る兄イエス・キリストの幼少年時代も面白い。現代でも、信者達の間でタブーになっている、幼き聖者の実像に触れるのも初めてだ。こういった調子で、後9話、続く。実に面白い。何しろ書き手が主婦であり、女性の立場から、これら歴史上の人物を語るのだから面白くない訳がない。
サロメの乳母
2019/11/25 19:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
サロメの乳母、キリストの弟、ネロの双子の弟など語り手の人選が面白く、気軽に読みやすくて良かったです。