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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あなたの体うち、ヒトの部分は10%しかない。あなたという存在には血と肉と筋肉と骨、脳と皮膚だけでなく、細菌と菌類が含まれている。あなたの体はあなたのものである以上に、微生物のものであるのだ、だそうだ。
マレーシアでのコウモリの調査中にダニに刺され、熱帯病になってしまい、治療のために使った抗生物質により回復したものの、別な不調に苦しめられることになった。この経験から体内に棲む細菌、微生物のことに関心を深くし、共生微生物と健康問題について調査を始めたそうだ。
「共生微生物のアンバランスが胃腸疾患、アレルギー、自己免疫疾患、さらには肥満を引き起こしているという科学的証拠が続々と出てきていることを私は知った。体の病気だけではない。不安症、うつ病、脅迫性障害、自閉症といった心の病気にも微生物が影響している。私たちが人生の一部としている病気の多くはどうやら、遺伝子の欠陥や体力低下のせいではなく、ヒトの細胞の延長にある微生物を軽んじたせいで出現した、新しい病態のようなのだ。」
腸内細菌とヒトの健康問題が中心であり、モイセズ・ベラスケス=マノフの「寄生虫なき病」のように寄生虫の話はほとんど出てこないが、女性らしい視点もあり、読みやすくまとめられている。
情報量豊富で読みやすい。
2018/09/23 20:03
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が「二十一世紀病」と呼ぶ、
アレルギー、自己免疫疾患、消化器トラブル、うつ病、自閉症、肥満などの疾患は、
いまや、「ふつう」のことではあるが、著者によればこれらが急増したのは、
過去六十年ほどのことなのだという。
それがなぜなのか、著者は迫っていく。
従来の定説を否定する研究を取り上げたり、新説を紹介したりしている。
たとえば肥満に関しては、カロリー計算で体重のコントロールはできないという。
イギリスやアメリカなどで、一日の平均摂取カロリーは過去数十年間で減っているが、
肥満は逆に激増している。
その鍵になりそうなのが野菜を含む食物繊維の摂取量で、これが減っている。
このように、カロリー計算以外の要素を、著者は色々と紹介している。
例えば、抗生物質を投与するとよく太ることは家畜でも人間でもよく知られているという話から、
腸内細菌とマウスの実験の話、肥満はウイルスによる感染症によるものだという説まで紹介する。
著者は怪しげな健康本にならないために、科学的な記述を心掛けているけれども、
どちらかといえば従来の定説に対して手厳しく、
新奇な説に対しては肯定的に取り上げている傾向はあると思う。
出産時の経膣出産と帝王切開との、赤ん坊のその後の成長に対する影響の違いとか、
糞便移植による難病治療の話とか、
トキソプラズマという寄生虫(感染者は多い)により、ヒトの性格が変わるという話とか、
様々な話題が興味深い。
一読の価値はあると思う。
難しい本ではなくて、読みやすい一般向けの本。
マイクロバイオータ
2016/10/27 23:29
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
人の健康を左右する10兆個の共生微生物が健康を左右し、バランスが崩れると肥満、アレルギー、心の病気を引き起こす。微生物生態系を修復するという分野は未知の世界である。
「10%はヒト」からはいるか「9割は細菌」から入るか。
2017/04/28 19:38
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「9割が細菌」とはどういうことか。重さではないだろう。読んでみると、体細胞の数の9倍の数の微生物がヒトには共生しているということらしい。本書では主に腸内に生存する細菌の影響について最近わかってきたことを実験結果なども加えて紹介する。一つの生きものの体をひとつの生態系としてとらえるという考え方を詳しく教えてくれた。。
抗生物質を過剰使用すれば、病原となるものだけでなく必要な役割を持つ微生物も殺してしまうデメリットもある。そのあたりからわかってきたさまざまな「腸内細菌の役割」が、著者自身の経験も含めて紹介されていて面白い。
免疫強化や肥満(ダイエット方法)などについて、最近の健康志向をくすぐる言葉もならんでいる。腸内に良い細菌を保つため未来にはこんなことも、というあたりまで来るとかなり意識の変化を強いられそうなところもあるが、ニキビの原因を「アクネ菌」と習ってきた世代には知識の書き換えを強いられたところであった。
読むほどにヒトという大型生物はたくさんの微生物などが集まっていて一つの生態系のようだと感じる。森林や海洋の保護の話をどうしても思い浮かべてしまった。「一度壊してしまったら、回復させようとしても同じ物が戻るとは限らない」「良い種類を導入しようと思っても、その場所の特異性に会わなくては意味がない」などなど。訳者も同じように感じたらしい。「生物のありかた」についての考え方もかなり変えないといけないようだ。
実験の詳細などは文献などにあたらないと疑問点が残るところはあるが、最近の病気の考え方についての動きを知ることができたと思う。だからといっていきなり「あれをやってみたい」と飛びつかないでじっくり対応したい。
「宿主としての責任を考えれば、流行のダイエット法を追いかけて、特定の食品を追いかけて、特定の食品を急に食べ始めたり、急に食べるのをやめたりするのはよくないだろう。」という訳者の言葉に同感した。
タイトルの付け方で感じたことがある。原題は「10%HUMAN」。100%のうちどちらをとりあげるか。考え方の違いを考えてみるのも面白そうだ。
あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた
2021/07/26 07:47
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投稿者:koizumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
食物繊維を食べよう。
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とある本を読んで以降「衛生仮説」を支持していたが、さらに進んだ研究結果を知ることができとても勉強になった。21世紀病の一部が治癒できているようだが、さらなる研究の発展を期待したい。
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ようやく文庫本になったので読了。今年のTop5候補!
タイトルにある「9割が細菌」は、1人の人間の細胞数は、37兆個か、60兆個かと議論されているように、数10兆個オーダーなのに対し、1人の人間の体に常在している細菌は、腸内だけで100兆個オーダー、その他に、皮膚、膣等々、さまざまな場所に生息しているのを考えると、人間の細胞の10倍の数にのぼる、この10対1から出ている。しかも、9割の細菌の働きによって、体や心の調子が左右されているとすると、10%を知っただけでは、全く充分じゃないという訳です。
例えば、肥満について。これまで、「太りやすい体質」という一言で片づけられていましたが、同じカロリーを摂取していても、太る人と、太らない人がいたが、そこには、腸内細菌が働いているのではないかという。ある研究では、肥満型マイクロバイオータを移植されたマウスは、餌から2%多くカロリーを吸収していたという。人間にあてはめると、この2%は、1年で1.9kgの体重増。10年で約20kg。これは大した差異ですね。
また、自閉症については、抗生物質でやられた、腸内に神経毒素を産出する破傷風菌が増え、それが乳幼児期の脳の成長を阻害した結果ではないかというケースが紹介されている。腸内細菌と病原菌、そして、それを殺す菌やカビの産出物(抗生物質)と、細菌のオンパレード。
その他、帝王切開の影響や、糞便移植術など、興味深い事例も取り上げられている。
腸内細菌プロジェクトを振り返ると、つくづく、タイミングの問題だなぁと思いますね。
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ヒトゲノムの解析によって人間の遺伝子の数が解ったようだが、その数はネズミやミジンコよりも少なかったらしい。それではなぜ人間はネズミよりも複雑な行動や思考が可能なのだろうか、実はその要因の一つが、人間の体に共存する微生物の影響だと考えられている。
しかもその微生物たちは、1型糖尿病、花粉症、潰瘍性大腸炎、アトピー、喘息、自閉症などなど、今までは原因不明だったり遺伝性と思われていた病気や、なんと生活習慣が原因とされていた肥満にも大きく影響していることが、最近の研究により明らかになってきたのだ。
本作では、抗生物質の過剰投与が原因と思われる、自閉症や大腸炎の症例が紹介されている。いずれのケースも抗生物質により腸内の優良な細菌までもが駆逐されてしまい、健康のバランスが崩れた事が病気の引き金となってしまったようだ。ちなみにこれら病気の治療方法として、他人の腸からの糞便移植が有効であることが紹介されている。
人間は自然分娩と授乳により、親から健全な微生物を受け継ぐというサイクルを数千世代も保ってきたが、帝王切開や粉ミルク、そして過剰なまでの潔癖嗜好が新たな問題を生んでしまったのだ。ヒトの細胞数の約10倍と言われている微生物群のバランス調整こそが、これからの健康管理の主流となるのかもしれない。
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目的 細菌がどのような働きをしているか感じたかったため読んだ
メモ 地球上いろいろな所では今自分の体にない細菌が住んでおりそれが自分の体に組み込まれることで病気になることがある
母から子へ経膣分娩の際に子供は最初に細菌にさらされ母の細菌が子供の腸に寄宿するようになる
自分の行動 自分の体に住み着いてくれている細菌のために食事を見直そうと思う。ある特定の食材だけを食べ続けるのではなくいろいろな食物を食べて多様な細菌を自分の腸に飼っていきたい
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原題は"10% Human"。邦題も原題もなかなか衝撃的なタイトルだが、ひと言付け加えるなら、これは重量比や体積比ではなく、細胞としての個数比である。人体には、ヒト細胞1個あたり、おおよそ微生物9個が存在することを意味する。細菌はヒト細胞より遥かに小さいため、個数としては1桁多くても、重量が宿主のものを上回ることはない。一般的に、ヒトに住む細菌は重量にして1.5kg~2kg程度と見なされている。
本書では主に、腸内細菌を扱う。人体には、このほか、皮膚常在細菌・口腔細菌なども見られるが、腸内細菌は量が格段に多い。そしてこれらは、ヒトと外界との関わりの中で、非常に大きな役割を果たしていることが判明しつつある。
腸内細菌が担っているのは、どうやら「お通じ」だけではないようなのだ。
21世紀、医療は昔に比較して格段に進歩しつつあるが、その一方で、以前よりも増えつつある病気がある。アレルギー、自己免疫疾患、糖尿病などである。自閉症を初めとする精神障害も増えている。また、病気とは言い切れないが、肥満や過体重は、特に先進国で多くの人に見られるようになってきている。
現代医学では、疾患と遺伝子を結びつける研究が盛んだ。確かに遺伝子の変異が主因になっている病気はある。しかし、現代増えつつある病気が、遺伝子のせいとは考えにくい。
著者はこれらの疾患や異常の一端が、乱された腸内細菌叢(=マイクロバイオータ)にあるのではないかと述べている。抗生物質や過度の清潔志向に起因する撹乱である。
何でもかんでも腸内細菌、というわけではなく、なるべく「科学的」な観点から、なるべく「慎重に」、確からしいこと、可能性があることが整理されているため、ある意味、判断は読者に委ねられる。
個人的にはとてもおもしろく読んだ。「21世紀病」と著者が呼ぶ疾患には、腸内細菌以外にも要因はあるだろうが、腸内細菌「も」一因となっているという見方は、かなり説得力があるように思われる。
わかりやすいところから行こう。
肥満。多くの人がダイエットを試みながらなかなかうまくいかないという経験をしているのではないだろうか。カロリーコントロールをしているはずなのになぜうまくいかないのか。あるいは同じものを同じ程度食べていても、太る人と太らない人がいるのはなぜか。
私たちが食べているものは、ヒト「だけ」が食べているのではなく、腸内細菌の食糧でもある。痩せたマウスの腸内に太ったマウスのマイクロバイオータを移植するとそのマウスが太るという実験結果が知られている。ヒトの場合にも、痩せ型のヒトに多い細菌種、肥満型のヒトに多い細菌種がある。摂取カロリーは食べた量で決まるのではなく、腸が吸収した量で決まる。腸内細菌の種類はこの吸収量を左右している。自らが吸収したいものを分解し、残ったもの(細菌が「食べきれなかった」もの)は宿主に吸収される。ドーナツなどの甘いものを分解するのが得意な細菌もいれば、食物繊維が豊富な野菜などを分解するのが得意な細菌もいる。
ざっくり言って、肥満型のヒトの腸内には、脂肪好きの細菌が多い傾向があると見られる。但��、腸内細菌は全体としてバランスを保っているので、では脂肪好きの細菌を取り除けばよいかといえば、ことはそう単純ではない。
最適な腸内細菌「カクテル」はおそらく、1人1人異なる。
アレルギーや自己免疫疾患に関しては、環境が清潔になりすぎたため、免疫系が攻撃するものを失って暴走しているという説が広く受け入れられてきた。いわゆる「衛生仮説」である。著者が紹介するのは、「旧友仮説」である。腸内細菌は古くから宿主と共生してきた。こうした細菌は、宿主の免疫系に「自分は敵ではないですよ」「攻撃しなくてもよいですよ」とメッセージを送り続けているというのだ。何を攻撃すべきで何を攻撃すべきでないか、ヒトの免疫系に指示しているのは、どうやらマイクロバイオータらしいことがわかってきた。
近年、幼少時から抗生物質を投与される例が多い。ちょっとした風邪、発熱、中耳炎。幼児期にまったく抗生物質を投与されなかった人を捜す方が困難である。重度の全身炎症など、抗生物質が本当に必要な事例はある。抗生物質のおかげで、以前なら必ず命を落としていたような場合でも、助かる例が増えてきた。しかし、抗生物質が投与されれば、一度細菌叢は一掃される。腸内に再び細菌が戻ってきても、往々にして以前より多様性が失われる。
こうした撹乱が、免疫系発達中の大切な時期に起こったとしたら。自己免疫の一因になる可能性はある。
自閉症などの精神疾患が腸内細菌と関わりがあるかも、と言うと、いかにも眉唾な印象を受けるが、自閉症の児童に抗生物質を投与して、症状の改善が見られた例はあるという。因果関係は不明だが、自閉症児で慢性的な下痢・便秘がしばしば見られるという報告もある。腸と脳には神経の連絡もあり、幼少期のマイクロバイオータの乱れが幼い脳に影響を与える可能性は荒唐無稽ではないかもしれない。
結論としてエピローグに挙げられる事柄は、比較的、当たり前の印象を受ける。
食事については、(多くの微生物を養っている意識を持ちつつ)食物繊維を多く含むなど適切な食糧をふさわしい量で取る。
抗生物質はリスクとメリットをよく見極め、慎重に使う。
自然分娩は帝王切開より望ましい。帝王切開がやむを得ない場合でも、母体の細菌を子供に塗布するなど、何らかの手段を講じることが望ましいと思われる。母乳も推奨される。
ヨーグルトは悪くはないが、過度の期待はしない方がよい。詳細は本書で確認されたし。
「悪玉」細菌が原因の難治性腸疾患に罹ってしまった場合は、健康な人の糞便移植が功を奏するかもしれない。
上記に挙げた以外も、新たな研究成果やその萌芽が多く紹介され、この方面に興味を持つ人であればスリリングな読書となるだろう。
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体内に存在する微生物たちが、人間の行動までも左右していた!人間は食物から栄養を取り込む過程のかなりの部分を微生物に任せていた!人間の免疫を微生物たちがコントロールしていた!出産時に母親の膣から、その後は母乳から、母親の持つ微生物たちが赤ん坊に手渡されていた!
まぁなんと、いちいちびっくり。目から鱗の落ちまくり。そして、自分の食べるものが微生物たちを育てて自分の健康を作り、維持するのだ、という理屈に思い当たる節がありすぎる。とりあえず、食生活に気をつけよう。
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2016年8月に発行されたこの本。
2003年に人ゲノムが解読された。
人の遺伝子は、線虫と同じ21000個!
人はなぜそんなに少ない遺伝子で、これほど複雑な
生命活動ができるのだろう?
人は人自身の持つカードで生きていると、思われていたが
実は、たくさんの細菌のコロニーを体の中に飼い、
その微生物集団を働き蜂のように働かせて
手伝いをさせていたのだ。
この本に書かれているのは2008年から始まった
ヒトマイクロバイオーム・プロジェクトの
研究成果がベースになっている。
複雑な働きをする微生物集団は
どのように体に取り込まれることになったのか?
また、心身の病気になると、微生物集団の種類と割合が
変わることにも注目。
健康な人と、そうでない人、どんな違いがあるのだろうか?
長い文章と小さな文字、専門的な言葉が多い
この本。何度も読み通すことに挫折しそうになるが
好奇心に鞭打って、読了!
「ホンマでっか?」の番組の中で
高名な学者の方々が、話題にした内容もたくさん見つけた。
そしてもっと掘り下げて知ることができた。
健康に向き合う考え方をより深く得た気になった
一冊です。
翻訳は 矢野真千子さん。
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エキサイティングだった。
花粉症やアトピー性皮膚炎などの「21世紀病」の増加は,食生活の変化による腸内細菌の構成の変化かも。
森林破壊や気候変動によって地球環境が変化するように,食べ物や薬剤で構成を変化させる腸内細菌たち。
最新の研究成果もふんだんに紹介されていて,エキサイティング。
この分野の研究は,現代医療のありかたを激変させる! そんな可能性を感じることのできた一冊でした。
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アレルギーのみならず肥満や乳糖不耐症自閉症の一部も、人体と共生する細菌類の影響かもしれない。近年注目を集めている腸内細菌をはじめ、ヒトと共生する最近群に関するさまざまなトピックを解説している。さまざまな可能性を提示するが、最終的にわからないことは正直にわからないとする態度が好ましい。人類のDNAは解読されたが、それだけでは謎は解けない。ヒトは共生する細菌類とともに進化してきたのであって、微生物を除けばヒトの部分は10%しかないのだという立場に立つ。
アレルギーは寄生虫類と戦わなくなった免疫細胞のオーバーシュートであるという「衛生仮説」について現在は全面的な見直しに入っているのだとか、ドーキンスの利己的遺伝子説が「選択されるのは宿主生物の遺伝子だけではなく、微生物の遺伝子も同時に選ばれてる」とする改良だとか、ニキビの原因はアクネ菌ではないということが明らかになりつつあるとか、「ヒトの栄養摂取は小腸でおしまいで大腸は水分吸収のみ」という考えは明らかに古いとか、知識のアップデートとしてもいろいろたのしい。翻訳も平易だし、カラー写真がそれなりに入ってて、よくあるタイプの文字ばーーーーーーーーっかという翻訳書にはない読みやすさがある。
個別のトピックのおもしろさもありつつ、著者の問題意識が一貫していて、たいへんたのしく読めるものに仕上がっている。
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驚きの連続
こんなにも微生物が影響を及ぼしているとは
肥満、アレルギー、自己免疫疾患、自閉症
どれも炎症が原因で、その原因は腸内微生物のバランスの悪化
抗生物質、食物繊維、出産と育児について考慮する必要がある