刀語 第三話 千刀・ツルギ
「俺は刀だからな――。とがめ以外のためには、心も身体も、動かないさ」無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と野心を秘めた奇策士・とがめは、出雲の国は三途神社へ辿り着く!伝説の...
刀語 第三話 千刀・ツルギ
商品説明
「俺は刀だからな――。とがめ以外のためには、心も身体も、動かないさ」
無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と野心を秘めた奇策士・とがめは、出雲の国は三途神社へ辿り着く!
伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が完成させた“刀”は12本――残るは10本! “千本で一本”なる千刀(セントウ)・ツルギの秘密とは!?
刀語、第3話の対戦相手は、三途神社を束ねる敦賀迷彩!
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高2の次女に「あんた、とがめに似てる」って言ったら、「それって、すっごく不快」って斬り返されました。まさに一刀両断。たしかにこの本でのとがめには魅力はない
2007/06/21 21:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
我が家の娘たちの心配というか予想をよそに、一月以来順調に毎月出版される西尾維新『刀語』シリーズ。私が読んだのは第三話ですが、GWには書店に第五話が平積みされている状態。配本は順風満帆でも、お話のほうはどうなんでしょう。第一話はスカスカ、第二話では「まにわに」という一言で読者を脱力。さて今回は・・・
まず講談社のお言葉
「西尾維新×竹が放つ、待ってました!の時代活劇絵巻!
千刀 vs.無刀!
「俺は刀だからな——。とがめ以外のためには、心も身体も、動かないさ」
無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と野心を秘めた奇策士・とがめは、出雲の国は三途神社へ辿り着く!伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が完成させた“刀”は12本 ——残るは10本!“千本で一本”なる千刀(セントウ)・ツルギの秘密とは!?刀語、第3話の対戦相手は、三途神社を束ねる敦賀迷彩!
衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第3弾!
西尾維新が挑む時代活劇!こんな物語を待っていた!! 」
となっています。こんどの舞台は出雲、え、もしかしてこれって西村京太郎ばりのトラベル・ミステリ、ならぬトラベル・忍法帖?しかも“千本で一本”なる千刀(セントウ)・ツルギ、何だ、イッポンデモニンジン、てあれか?とまあ、思わずチャチャいれちゃう赤ズキンチャチャ・・・
巻末の登場人物紹介を利用してこの巻の中心人物・敦賀迷彩について書けば年齢は不詳ですが、とがめ・鑢七花の二人よりは年上らしい。でもイラストと文章を見る限り、若く見えるのは確か。職業は神職で、所属している三途神社での身分は巫女さんです。所有刀は千刀・ツルギ(漢字、出ません)、体重 13貫1斤(パン一斤、という感じ)で、趣味は飲酒です。必殺技一覧もついていますが、書きません。
で、今回のハイライトは、目的地である三途神社に至る、ほぼ一直線の千段の階段を登るシーン。で、運動神経というか体力・人情ゼロといっていいい奇策士とがめは、自分の刀である虚刀流七代目当主鑢七花にお姫さまだっこ状態。ま、二人はこれを自然と思っていますが、客観的にはナンダカナア、っていう感じで維新もそう書いています。
圧巻は、迷彩と七花の決闘シーンですが、疑問が一つ。私が迷彩だったら、一転して逃げ始めた七花を追わないなあ。決闘なんだから自分が圧倒的有利に立っている地歩を譲る必要性がない。動かないでいれば、七花は戻ってこざるを得ない、だって試合にならないから。おまけに迷彩、体力ないし。で、ここで見せる七花の非情さ、これが気になるなあ。とがめ、より迷彩のほうが魅力的だし・・・
面白かったのは、115頁にあらすじみたいなものをここで書くことについての言いわけじみた解説があって、その中で維新は「限られた紙幅、具体的には原稿用紙300枚以内という縛りの中で物語を綴る身としては」と言っています。そうか、きっと子供たちが買うことのできる値段、という大きな枠組みがあって、それがボリュームを決めているんだろうなあ、なんて一人納得。
その頁数の制約があれば、お話は凝縮するか拡散するかのどちらかしかなくて、12ヶ月続くことだけが主目的になっているとすれば、冗長化は避けられない。だって、山田風太郎の忍法帖ならば、12本の刀集めても原稿2000枚は使わない、だから向こうは中身が濃い。一体、どの巻あたりでこの話が凝集力を見せるのか、それともただただビッグバンするのか。
少なくとも、今回の「お姫さまだっこ」じゃあ、前巻に登場した「まにわに」には勝てない。でも相手はいい。前回の因幡砂漠に聳え立つ下酷城の城主・宇練銀閣に、三途神社を束ねる敦賀迷彩は十分伍す。むしろとがめ・七花コンビの心根の小ささが際立っちゃったりして・・・。だって、どう考えたって正義は、とがめたちにではなく銀閣・迷彩にあるんだもの
まだ七花は刀である
2015/03/21 06:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
千本で一本という千刀・ツルギを扱う敦賀迷彩。地の利を生かした戦いは見事。しかし七花があそこまでしてしまう必要があったのか、終わったあとの笑みを思い浮かべると、まだ七花は刀であり純粋な人間ではないのかなと。