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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口減社会、高齢社会に関する本が多数出版されている。本書もその一つだ。海外での生活も長く、豊富な業務経験を持ち、3人の子も育てている著者(女性)が種々の統計データを駆使しながら日本のあるべき姿を論じている。
書名に引き寄せられ読んではみたものの、今ひとつの読後感である。著者の経験談は傾聴に値すると思うが、論じている内容について特段の新機軸の提案があるとも思えない。それだけアイデアとしては誰もが考えつくことなのだろう。ただ問題は具体的に実行できるリーダーがいないということではないか、と思うようになり、この結論では将来が不安になりそうだ。
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今の日本に対する素晴らしい応援歌ですね。OECDの大量の統計で説得力も説明力も抜群(一部は前提条件のわからない統計も)。女性の活躍の大切さは彼女の説得力自体が十分に説明している。日本が女性への機会提供の観点で立ち遅れているからこそ、女性参加による成長余力があるとすること。企業内失業に近いベテラン社員、高齢者の参加による成長余力。完全雇用状態での労働力不足であるからこそAIによる働き方の変化も受け入れられる日本。経済成長は人口ではなくイノベーション。日本はイノベーションの潜在能力も、人的資源のポテンシャルも高い。どれも納得。ただ、結局は成長がまだ絶対前提になっている議論に思える。規模の成長をある意味で捨てて、それでもバランスする何らかの均衡点。規模でない形で成長を評価する価値の軸の定義が必要でないか、その観点でまだ私は考えたい余地が残る。吾足知唯 何らか成長を前提としないバランス点。
性差、年齢、地方と都市、大企業とベンチャー、ダイバーシティーと大切さを讃えている。その中で、労働力の適正な移動と集約の観点で、潰れない中小企業への問題意識は100%同意出来なかった。
①雇用制度、人事考課制度の改革、流動性向上。②ベンチャー精神教育。イノベーション投資。③ 女性のキャリア維持サポート社会体制整備。④グローバル化、その在り方のへの示唆。とても参考になりました。
勇気づける事が主眼ではあるが、格差問題、実質的な高齢化社会の負担。制度、慣習、社会意識の変化の遅れ。課題が多いことも再認識した。でも変わってきていますね。
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OECDの人という事でどんな事が書いてあるか
気になって購入。
前半はエリートらしい視点で、民間企業で働く身としては少し違和感を感じる箇所も多かったが、統計も多く考えるきっかけになった。
女性活用の辺りからは非常に共感した。
何と言っても女性でグローバルに活躍されている凄い経歴の方なので、これからの女性の社会進出の目標になる方だと思います。
ご本人のネット記事や動画も出てるのでそちらも面白くてためになると思います。
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書かれている内容、提言されていることは標準的・教科書的で読んでいて熱くなるようなことは全くなかった。ただ、グローバルに活躍してきた日本人エリート女性の見方・考え方に触れ、自分の頭を整理するという点では、読む価値のある書と言える。
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失業率が高く人材が余った状態にある欧米諸国に比べれば、労働力が不足している日本には、人口知能の技術発展による雇用革命を受け入れる環境が整っているはず・・
だとか。
今までマイナスと捉えられていたことが、逆にプラスになっていくということか、そうなればいいのだが。
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日本人の能力の高さの客観的なデータによる考察と、イノベーションを起こす事に注力するのではなく、拡散、浸透、活用していく事に焦点を絞り、国家戦略を構築していくという視点に共感した。但し、女性活躍推進や時間価値を注視した「働き方改革」の記述については、データはあるものの、今ひとつ雑な記述が多いかとも感じた。
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自分の言いたいことに合わせて、データを利用している感が否めないのと、新しい視点というよりも、あちこちで言われていることをまとめた感じ。武器としての、、というほどの提言になっていないのも?ただし、理路整然としていて読みやすい。
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主張はもっともなんだけど、踏み込みは浅いという印象。
具体性のある主張は残念ながらひとつもなかった。
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データも豊富。人的能力など日本の潜在能力を豊富なデータで実証的に解説しているので、納得感も多い。反面、具体的な政策、方法論に落とし込んでいく部分は、不足している。多くの研究で効果が確実な政策も声のデカイ反対論で足踏みするのか骨抜きになるが現実の世界でもある。
とりあえす労働市場の流動性は喫緊の課題だろうがそれすら遅々として進まない現実……
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何が「武器」なのかいまいち分からない。
グラフが多くてわかりやすかったが、中高年層を活用しよう。女性の活躍できる場を。リスクを恐れない起業環境をと、どこかで聞いたことのある論評が並んでいた。
結局は人口減少、労働力不足が企業内の生産性向上の原動力となり、もともと高い素質をもつ日本人のの高齢化先進国としてのイノベーションを起こしていこうってことでした。
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日本が、これから入っていく (あるいは既に入っている)
人口減の社会でどうやったら頑張れるか、という話だった。
OECD東京のトップをしている、というだけあって、
普段の視点とは違った視点で物を見ることができて面白かった。
その一方で、会社の中でもどんどん出世できるような優秀な人が著者なので、
ほとんどの人には参考にならない情報も多いような気がする。
「優秀な人が全体を引っ張る」というアメリカみたいなスタイルに
日本はなっていないので、「優秀なひとも優秀でない人も頑張れる」
っていうことが必要なのかな、とも思う。
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ネタとしては2016年の書籍だけど、人口現象は解決しないと言う前提にたって、国民の論理的または数学的思考が世界トップレベルにあり、完全雇用が実現している今だからこそ、世界に先駆けて、AIの導入やイノベーションができると筆者は解く。
テレビで子供の教育力の低下や企業の不祥事などを見ているとその様な数値が信用できなくなってしまうけど、人口減少を止められないのであれば、その前提に沿ったシステムを、限りないヒューマンリソースを有効に使わないといけないと言うのは納得できる気がします。
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OECD東京センター長による、さまざまなデータを国際比較しまとめたもの。長年ゴールドマン・サックスで活躍し、スタンフォード、ハーバードの修士を持ち、国連勤務経験もあるといった著者の経歴は驚きである。OECDに勤務しているだけあって、豊富で正確なデータをもとに極めて説得力ある論理を展開しており、参考になった。わかりやすい。日本は、AI、ICTなどの最新技術を駆使して省人化を図っていくことが優位をもたらす、唯一の国家であるとの意見は面白い。
「(デューク大学 キャッシーデビッドソン)現在の小学1年生が大人になる頃には、彼らの65%が今存在していない新しい仕事に就く」p13
「(OECD)最も高水準スキルを有する人々が従事している仕事は大幅に増加傾向にあり、スキルレベルの低い人たちが従事している仕事は横ばい。それに対して、中程度のスキルの人たちの仕事は大きく減少していることがわかります」p16
「低水準のスキルで済む単純肉体労働のような職種は、意外にも、IT化の流れにあまり影響を受けていません。例えば清掃作業では、最新の掃除機を導入しても、人間がそれを手動で操作するため、清掃には今後も労働力が必要とされることが推測できます」p18
「年功序列は主に中途採用者に不利になるため、年功序列を採用している企業が多ければ多いほど転職が難しく、労働市場は硬直化することになります。企業は成果を上げない社員であっても辞めさせることはできませんし、社員の方も転職すると給与が下がったり、キャリアダウンすることが多いので、会社に留まる方を選びます」p66
「生涯年収は、平均2億6196円。女性で育児ブランクがあり以後非正規だと、7600万円程度。一時的に保育園、ベビーシッター費用に多額を要しても、長期的には十分に見返りがある」p96
「保育園は、未就学児の託児サービスとしては優れたシステムですが、教育プログラムは導入されていません。教育的な環境を求めるのであれば、幼稚園に通わせる必要があります。しかし幼稚園は、専業主婦の母親を前提とした教育システムで、延長保育はなく、日中に母親が参加しなければならない行事が多いなど、フルタイムで働く母親にとってはほぼ利用不可能です。さらに毎日お弁当を作ること、バッグやだっこ人形からモップ、雑巾まで、子供の持ち物を母親が手作りすることなども期待されます」p107
「アメリカでは、人種や性別に基づく差別行為が証明された場合、非常に厳しい罰が企業に課されます。私はニューヨークで働いている間に2人の子供を出産しました。妊娠を上司に報告すると、妊娠中に仕事を継続するために必要な会社側からのサポート体制、産休中のバックアップ体制などを、出産後の職場復帰を前提として話してもらえました」p111
「OECD本部はパリにありますが、職員は職責に関わらずほぼ全員が、7月から8月の間にほぼ1ヶ月のバカンスを取ります。普段は海外を飛び回り、オフィスの席が温まらないくらい忙しい同僚たちでも、夏とクリスマス休暇はしっかり取ります」p126
「日本の開業率、廃業率は5%以下、米英はいずれも10%程度です。その結果、日本の小規模企業の大半を古い企業が占めるという、ダイナミズムに欠けた状況が生まれているのです」p164
「政府の中小企業への手厚い保護とは対照的に、スタートアップ企業に対する民間投資は、欧米と比較すると低い額にとどまっています」p169
「経済のグローバル化や市場の新陳代謝がイノベーション拡散に必要なのは、それが健全な競争を促進するからです。競争があることで、企業はイノベーションを行い、新たな市場を開拓し、競争相手に対する優位性を獲得しようとします。製品市場規制が少ない程、市場への新規参入が増え、国内外からの知識の普及が効果的に進み、イノベーションへの民間投資も増えるというメリットがあります」p170
「日本にとって深刻な問題は、非製造業のTFPが1991年以降伸びていないことです。これはサービス部門における自由競争が十分でなく、研究開発などの企業の投資が(大幅に)少ないことも反映されています」p177
「国際比較すると、日本のサービス部門の輸出寄与度はOECD平均よりかなり低い状態です。日本はサービス市場、特に運輸交通、通信部門の競争を拡大する改革を優先することで、イノベーションを喚起し、経済の効率を大幅に改善できる余地を残しているのです」p179
「企業がアメリカの若者に人気があるのは、イノベーションのアイデアを持つ人が多いだけでなく、それを商品化し事業として発展させるための社会インフラが整っている上、安定よりもリスクを選んで挑戦することに対して社会的賞賛が大きいことが挙げられます」p188
「テクノロジーが人間の仕事を奪うことを歓迎できるのは、ほぼ完全雇用状態である日本に、深刻な労働力不足という追い風が吹いているからです」p191
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【由来】
・
【期待したもの】
・
※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
・
【ノート】
・著者の主張には賛成できる部分もあるが、その主張の裏付けに説得力の乏しいものがあるだけではなく、牽強付会としか思えないほど強引なものもあり、そのせいで「主張」自体が色褪せてしまっている。
・著者の属人性を割り引いて読もうとも思ったが、ここかしこで、私がどうした、私の時はと例示するので、それもできなかった。
・週刊ダイヤモンドの新年号で2016年に出た経済書のベスト10プラスアルファがあり、本書は17位に選ばれているが、これで17位とは、昨年の出版事情がお寒かったのか評者連が大したことないのか。
【目次】
第1章 人口減少が武器になるとき
ICT・AI革命が仕事のあり方を変える
必要とされるのは定型化できない仕事
低い失業率がオートメーション化を後押しする
日本人のスキルはトップレベル
「人口ボーナスの時代」から「人口ペナルティーの時代」へ
小国からの教訓
【コラム】OECDの教育、技能調査について
第2章 眠れる「人材」大国・日本
埋もれた人材を掘り起こすとき
日本の中高年齢層は優等生
企業の世代間交流が多様性を生む
日本のニートは高学歴
出る杭を伸ばす
「人材」を「人財」に変えられるか
30代で幹部になる
アップ・オア・アウトのキャリアシステム
アマゾンの働き方騒動
ハイブリッド人事への道
労働市場の二重構造の解消
第3章 女性は日本社会の"Best Kept Secret"
古くて新しいウーマノミクス
女性がGDPを押し上げる
男女の賃金、昇進格差の解消が急務
女性活用とイノベーション
日本の女性の実力と意欲
リケ女を増やすには
M字カーブに見る日本の損失
生涯賃金で考えるキャリア断絶のコスト
賃金格差が貧困を生む
賃金格差が解消すれば結婚したくなる?
One More Babyの壁
インフラ以上に重要な周囲の理解
機会均等実現には「ムチ」の議論が必要
ロールモデルの重要性
ルールモデルは女性とは限らない
日本の女性は"Best Kept Power"
第4章 働き方革命のススメ
Time is Money !
時間は有効資源
優秀なボスの条件
「もうビジネスディナーはしない」
人生の波を乗り切る働き方革命
高齢化社会で求められる多様な働き方
第5章 日本のイノベーション力を活かせ!
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国際比較統計ということで大局的すぎて具体的に何がどうということが腹落ちしないまま読み終えてしまった。日本人は能力はあるのだから、特に女性や高齢者やニート層などの埋もれた人材を活用し、日本の技術を生かすシステム、政策を取り入れていけばそれが強みになるということだったのかな。埋もれた人材の活用は大いに賛成。仙台市でも人口1パーセントが生活保護を受給していて、多額の税金を垂れ流している現状。今や通勤しなくてパソコン一つアイデア一つで仕事ができる時代。こうした人材を活用して社会に役立てていくことは必要。女性については、子育て世代を支援する仕組みが必要。保育士の所得向上と保育園の教育システム構築が望ましいかな。小学校の学童保育も在り方を考えて欲しい。無償化よりも質の向上と子供の受け入れに柔軟な対応ができる仕組み作りを望むかなぁ。本書は人口減少が武器になるというよりは、人口減少でも悲観しなくていいよというレベルの本だったように思う。何かワクワクするような視点の転換が起きるような本ではなかったことが少し残念だった。