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電子書籍
東京裁判
著者 日暮吉延
「東京裁判から60年。ようやく〈事実〉に基づく、冷静かつ実証的な研究がなされる時代がきたとの感に打たれた。〈歴史〉が待ち望んでいた書だ」――保坂正康(ノンフィクション作家...
東京裁判
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東京裁判 (講談社現代新書)
商品説明
「東京裁判から60年。ようやく〈事実〉に基づく、冷静かつ実証的な研究がなされる時代がきたとの感に打たれた。〈歴史〉が待ち望んでいた書だ」――保坂正康(ノンフィクション作家) 東京裁判は「国際政治」の産物以上のものではない。イデオロギーを排し、「文明の裁き」と「勝者の報復」をめぐっての不毛な論争に終止符を打つ。第30回サントリー学芸賞<思想・歴史部門>受賞作。
目次
- 第一章 東京裁判をどう見るか
- 第二章 東京裁判の枠組みはいかにして成立したのか
- 第三章 連合国は何を告発したのか
- 第四章 日本はどのように対応したのか
- 第五章 判決はいかにして書かれたのか
- 第六章 なぜ第二次東京裁判は実施されなかったのか
- 第七章 戦犯釈放はいかにして始まったのか
- 第八章 なぜA級戦犯は釈放されたのか
- あとがき
- 略語一覧
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紙の本
今後も幾度もおさらいをしたくなる書
2008/03/30 07:45
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
数年前から新書タイプの書籍が雨後の筍のように刊行されていますが、私が信頼を置くのは岩波書店・講談社・中央公論新社の三社。この講談社現代新書「東京裁判」も私の期待を裏切らない一冊でした。
東京裁判については、勝者による敗者への裁き、天皇の訴追の可否、パール判事といったキーワード程度のことを断片的知識として持っている程度でした。そのことに満足するつもりはなく、敗戦国日本に生きる身としてやはり最低限知っておくべきことを、出来ることならば専門学術書の類いではないもので読むことができないかと長年思っていました。
本書は400ページを越え、新書としては大部の部類に入りますが、実に平易で興味深い書に仕上がっていて、苦労なく読み通すことが出来ました。
判事や検察側にも日本を裁くことに対して戦勝国間の温度差があった点がまず目をひきました。それぞれの国が戦時中に日本からどのような扱いを受けたかということを背景にした国民感情もさることながら、アメリカと英連邦諸国との間の溝がかなりあったこと、英米法と大陸法との考え方の対立があったこと、また裁く側の人間の個人的な性格なども大きな要素であったことなど、なかなか面白い事実が詳細に書かれています。
そして当然のことながら冷戦の高まりが、東京裁判を政治的に大きく左右していった事実も、いちいち頷かされることが多く、東京裁判が決して何かを絶対的に裁ききれたわけではないことを浮き彫りにしています。
著者自身があとがきで綴るように本書は「たいていの東京裁判論に見られる『悲憤慷慨』や『道徳的判断』をなるべく排除」するよう努めていて、その点が大いに好感が持てます。
今後も幾度か手にしておさらいをしてみたくなる、そんな書だという感想を持ちました。
紙の本
陰謀史観に警鐘
2020/04/13 18:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
世間に流布する陰謀史観。米国に仕組まれて開戦した戦争を強いられ、敗戦の挙句不当に裁かれた東京裁判の呪縛から目を醒ませといった扇情的な言葉が散りばめられたけばけばしい書物の数々に比べると、努めて平易に冷静に書かれているとは言え、地味な本である。どちらかというと私情もあまり交えずに、事実重視で書かれていて、ニュルンベルク裁判との関係や、この国際法廷が組織された背景、主導権を握ろうとするアメリカの内情や、他の連合国との駆け引きや、それがよって立つ正義に対する罪を裁くのか、人道に対する罪についてのものか、交戦規則違反を裁くのか、その法的根拠は何かが(そうした議論はあってもあるべきところに向けて妥協していく様が)明らかにされる。それに比べると普通の本ならハイライトになるであろう裁判中のことは意外にあっさりと終わり、今度は公判終了後の減刑、釈放を巡って日本国内と冷戦を巡って国際情勢の変化で意外に早期に解決することが詳説される。有名なパル判決やレーリンクなどの扱いも、必要以上に持ち上げず冷淡であるとすら感じる。こうしたこの本の構成も学者らしい誠実さを感じさせる。当時の戦犯とされた人物たちの日記も織り交ぜているので冷たさは感じないし、新書としては大部な部類かと思うけれども好著だと思う。
紙の本
中立的
2023/02/02 05:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
裁判肯定でも否定でもない立場。客観性は認められるが内容そのものよりも意義について述べている。事の起こりから受刑者の赦免までを追っている。