電子書籍
展開が楽しみ
2018/07/17 15:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまっしゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻読了しました。現実に起きた銀行強盗事件とその実行犯である兄弟・家族、警察との織りなす展開がスピーディ。各々のキャラクターが下巻でどのようにプロットされていくのか今後が楽しみ。
紙の本
じわじわこつこつ丁寧に、人物たちの在り様が迫ってくる
2017/08/09 10:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まもり - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても面白いんだけど読むのが何しろ遅いので(泣)やっとこさ上を読み終えた。ガッツリした北欧ミステリーで(でも、難しい語彙や表現はないからとても読みやすい)大変読み応えある。一人一人のキャラクターも丁寧に描かれていて、これからどうなるの、どうなっちゃうの!?と、存分に続きが気になるのだけれどなかなかガッツリ読む時間作れずで…下巻は集中して読みます!
投稿元:
レビューを見る
『ミレニアム』を生み出した北欧ミステリが熱い!ということで,スウェーデンはラーシュ・ケプレルの『催眠』にしようと思っていたのですが,『ラスト・ウェイ・アウト』の帯にあったこちらが気になって気になって予定変更。
何!『熊と踊れ」って!!原題の"Bjorndansen"はまさに,「熊のダンス」という意味の模様。
「なあ,ヴィンセント・・・熊のダンスだよ」(p.284)。
父親から暴力を振るわれて育った3兄弟は,大胆な現金輸送車の襲撃,そして銀行強盗を企てる。彼らを追うブロンクス警部もまた,暴力の被害を受けた子ども時代を送り,そして,そんな家庭で兄と身を寄せ合って生きていた。同じような境遇で育ち,暴力の影響を心身に受けた両者の対決はいったいどちらが勝つのか?
3兄弟に協力する幼馴染のヤスペル,長男レオの恋人アンネリー,ブロンクスのかつての恋人サンナや服役中の兄サムなどの面々と,父イヴァンとが絡みつつ,昔(14年前?)と現在とが交錯しながら物語は進みます。
とにかく最初の銀行強盗のシーンがすごい!ものすごい緊迫感(特にヴィンセントの)が伝わってきます。その瞬間にヴィンセントを安心させようとするレオの「愛しているよ」が,ブロンクス警部が彼らの絆を見破るきっかけになるとは,なんという伏線。鏡の双子のように似ているけれど正反対の3兄弟とブロンクスの関係が大きな見所です。
完璧な強盗計画は実は随所にもろさが見え,紙一重で難を逃れたりもしているところがリアリティがあってすばらしいです。
本筋と関係ないところでは,スウェーデンのクリスマス料理「ヤンソンの誘惑」とかへえと思いました。聖ルチア祭も知らなかったし。
スウェーデンは移民が多い国のようで(日本と比べればどこも多いけど),3兄弟の父イヴァンもクロアチア系移民という設定です。こういうのも勉強になりますな。
というわけで,下巻へ続く。
投稿元:
レビューを見る
兄弟というか長兄がなぜ銀行強盗に固執するのか、上巻でもう少し言及してもらったらよかったかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
『凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセント三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった―。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが…。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。』
冒頭の冷たくバイオレンスなシーンから引き込まれ、軍の倉庫から銃器を奪うところからは完全に心を掴まれました!
映像がクリアに想像できるように、細かくて丁寧な描写です。海外ドラマになったら絶対に見る!!
投稿元:
レビューを見る
「熊と踊れ(上)」
レオ、フェリックス、ヴィンセントの3兄弟。
これはスウェーデンを震撼させた実話をモデルにした小説です。その実話は、銀行強盗。犯人は、レオ、フェリックス、ヴィンセントの3兄弟+ヤスペル。連続する容赦ない襲撃に対峙するは、市警のブロンクス警部。随分骨太な仕上がりになっています。
印象としては、骨太に加え、暴力。レオ、フェリックス、ヴィンセントの生活の根底にあるのは、父から受ける暴力であり、母も粗暴な父に怯え、彼ら3人はどうしても暴力がしみ込んでいく。そんな生活からするとレオ達はトンデモナイ奴らになるだろう・・・と思いきや、成人したレオは自分で工務店を経営し、弟2人と幼なじみのヤスペルを使って仕事をすることになります。
この時点では真っ当に生きようとして、そこからきっと父に巻き込まれてしまうんだろう。たきつけられて銀行強盗をさせられるのだろう。と思っていたところそうではなかった。念密な銀行強盗計画を練っていた訳です。どうやって銀行を襲うかだけではなく、何を使って襲うかという点を熟考する辺り、凄まじい。まさか軍の武器庫から銃器を盗むなんて世界でも稀にみる武器を武装した強盗団だったんじゃなかろうか。レオ達は、暴力に育てられてしまい、暴力を使って銀行を襲うまでになってしまいました。
暴力という印象を強めているのは、ブロンクス警部もです。正義側のブロンクス警部が醸し出すことにより、警察vs銀行強盗をより骨太にしています。兄が子供達を暴力で支配しようとした父親を殺し、無期懲役囚として服役していることから、ブロンクス警部は非常に暴力を憎んでいます。憎んでいるからこそ、鼻が利き、強盗事件からレオ達の存在を嗅ぎ分ける。そして、兄弟であることまで突き止めるのです。
一方、その頃、レオ達の父親はというと・・・。やはり、この父親は、暴力しかないようだ。そして、意外と鋭い。ここからレオ達の計画が徐々に綻んでいく。兄弟だけだとまだしも、幼馴染はそうはいかない訳です。
緊迫した状況が続く中、レオは、最後の銀行強盗を計画し、それが終わったら足を洗おうとするが・・・。下巻に続く。なんかヤスペルがやらかしそうな気がするな。
投稿元:
レビューを見る
完全犯罪を狙う4人組とそれを追う刑事を、それぞれの視点で描く。4人組のうち3人が兄弟で、父親との家庭内暴力による葛藤、そして孤独な刑事の過去の女性との別れがそれぞれウェットなドラマ部分として並行して描かれ、人物像に奥行きを与えている。
メインプロットは、4人組が銃器を強奪、それを基に行う強盗・強奪が徐々にスケールアップする様を分刻みで、そして視覚的に緻密に描かいてあり臨場感がある。
前半を読んだ感じではスウェーデンを舞台にしていながら、何故かデニス・ルヘインが描くアンダーグランドで育って犯罪に走る切ないキャラと連想させる。
投稿元:
レビューを見る
本作に関しては…「スウェーデンの小説の翻訳」ということで“フィクション”として愉しんだ。勿論、それで大変に結構なのだが、読後に「訳者あとがき」に触れると、「“ノンフィクション”と“フィクション”との境目」のような性質を帯びている一面が在ること、「起こった事実をバラバラなピースにして、パズルを組上げるように構成して創った物語」なのだそうだ。1990年代に実際に起こっている事件をベースにしているのだという…
投稿元:
レビューを見る
日本ではスウェーデンのもつイメージは、デザインと高度な文化をもつ洗練された国。同時に最近よく見かける北欧ミステリーの供給地でもある。描かれる社会は極東から伺い知られる印象とは違い、社会格差と暴力とが根底に流れる複雑な現代の矛盾を多く抱えた複雑な世界だ。この作品も移民の流れを汲む家族の物語である。家族であるが故の結束や葛藤、愛情と憎しみなど普遍性を持つが故に圧倒的な分量をよみ進めさせる圧力をもつのだろう。人間は暴力で体を支配し、心を支配していく。その仕組みを表す「熊と踊れ」。言葉の印象とは裏腹に畏怖の念を持つ。
現金輸送車の襲撃、銀行強盗など犯行そのものの描写は大変淡白だと感じたが、その用意周到さをの表現は大変しつこい。特に、個々の登場人物の機微が。そのしつこさがないとこの作品を書く目的だったことを訳者あとがきをもって知った。
投稿元:
レビューを見る
最初は翻訳もの独特の読みにくさを感じたが慣れてくる。実話がベースになっており、銀行強盗の描写は非常に臨場感があり、自分がその場に居合わせているような感覚になる。幼少期に刻まれた暴力の記憶がこのような銀行強盗への要因となったのか。。
投稿元:
レビューを見る
幼いころ父親の暴力に怯えながら育った兄弟が大胆不敵な強盗事件に手を染める。過去の苦い出来事と現在に進行する犯罪がうまくカットバックされ、限られた人数の登場人物によって奥行きのある物語がスリリングに展開する。
投稿元:
レビューを見る
実話を本にしているというからびっくり.それぞれの人物が暴力に何らかの形で強く影響を受けて育ったことと,この銀行強盗の関係.この視点が面白い.追い詰める警部の方もまた暴力にさらされて育ったことで,犯人に迫っていく.下巻が気になる.
投稿元:
レビューを見る
若い3人兄弟と1人の幼馴染が起こしたヨーロッパ史上稀に見る連続強盗事件.事実をもとにしているらしい.犯人はもとより,事件を追うブロッンクス刑事,それぞれの家族などすべてのキャラクターが見事に書き分けられ,映画を見るようなスピード感も味わえる.
投稿元:
レビューを見る
まずは上巻へのコメント
ミレニアムしかり、やはり北欧ミステリーはおもしろい。
徐々に引き込まれて、中盤から一気読み。過去のトラウマから抜け出せない登場人物の心理描写が下巻でどう影響するか。。。
投稿元:
レビューを見る
スウェーデンでの現実の事件を元にしたクライム小説。
北欧ミステリーというカテゴリーは初読みです。
読み始めは、自分がよく理解できていない世界観の中の過去と現在の話が混じり合いながら語られるため、読み進めにくかったですが、強盗計画の全貌と人間関係が解ってきたら面白くなりました。
警察側の孤軍奮闘視点も悪くない挿入の仕方です。
上巻では、完全犯罪をなしているように見える犯人側の個人個人の精神的なバランスの危うさが散見され、下巻での崩壊が予想される感じでした。
ミステリーといってもトリックなどのどんでん返しはないでしょうが、計画立案時の緻密さとおそらく犯罪が瓦解するラストがどうなるかに期待して下巻を読みたいと思います。