アメリカのオブセッション
2023/12/27 15:58
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぱっと見意味不明なタイトルに思われるかもしれないが、ケネディア大統領が暗殺された年月日である。アメリカ人にとってケネディア暗殺はオブセッションなのであろうし、オブセッションを描く小説家キングがこのテーマに取り組むのは必然とすべきか。
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【このミス1位ほかミステリー3冠達成の感動大作】過去へ旅することのできる「扉」の存在を知った男はケネディ暗殺阻止に挑む。キングにしか書けない壮大な物語。落涙保証の感動大作!
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ふとしたきっかけから、タイムトンネルを知った主人公が知り合いの校務員や半身不随の女性を現状から救うために、過去へ行き運命を変え、果てはケネディ大統領を暗殺から救うように依頼されるというあらすじです。上巻はタイムトンネルの仕組みや過去を変える方法を知ることに、多くのページが割かれていますが、さほど読むのには苦にはならなかったです。中巻に期待です。
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過去に行けるトンネル⁇!! 戻ってくるのは数分後。でも自分は年取ってるよね。行く先はいつも同じ?手を加えた世界のその後は?色々と感じる疑問はまぁそこに置いといて「ぼく」の歩く世界を感じてみようと思う。
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3冊に分冊されているうちの上巻。読み始めてから時間が経ってしまい、とうとうアメリカの次期大統領にトランプさんが選ばれるという事態になってしまいました。
表題でこの小説が、ケネディ大統領の暗殺に関することだと分かりますが、歴史の出来事にifを当てはめたらどうなるのかと考えることはしばしばあります。アメリカ合衆国のケネディ大統領の死後のこれまでの歴史を辿ると、この小説で取り上げられたタイムトラベラーの動機が今更ながら、思い返されます。それにしても、過去の変化に対する抵抗に反して、主人公の試みはどうなるんだろうか…
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設定がユニークで展開もスリリング。翻訳が回りくどいが、それ以上に先が気になり、読み進めることができた。50〜60年代アメリカに精通していればより楽しめる。
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私の中で当たり外れが大きい著者。ひさしぶりの新作か、読んでみる。
ハンバーガー裏から過去に行けるゲートがあり、それを使って「ジョン・ケネディ」を救い現在を変える話。
テーマはワクワクするが、イマイチ話に入り込めない。何故だろうかと思って、いたが他の本を読んだときに気付いた。
脱線話が合わないのだ。ストーリーを膨らませるために、大小色々な話が入ってくるのだが、それがどうにも合わず読みづらい。他の好きな作家の小説では、脱線話もむしろ話を膨らませる楽しい要因。
うーむ、テーマは面白そうなので本筋だけ絞って読みたかったけどね。これを読むなら、違う本を読みたいと思い、1巻途中で断念。
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キングなので、一応翻訳ホラーにカテゴライズするけど、ホラー要素はほとんどないな。
うん。これはSFでいいんではないかと。
っても、通常のSFともちょっと違う感じ。
「ジョイランド」もそうだったけど、「メルセデス」ではミステリーになってるそうなので、キングは<キング>というカテゴリーを生み出そうとしているのかな、と漠然と思う。
で、タイムスリップできる穴を通って、ケネディ暗殺を阻止しようとする話。
でも、まぁ物語の常として簡単にいかないわけで…。
タイムスリップものは、色々な規制がかかってきて、そのさじ加減が上手い下手の分かれ目のように思うのだけど、これは<切ない>
うん。
過去を思う、郷愁と切なさに満ちた物語だった。
結末が、キングにしては、って思ってたら、息子の助言で直したそうな。
うーん。
まぁここんとこ、人間丸くなったよねって思うキングなのでそう終わるのも当然なのかもしれないけれど、「クリスティーン」や「デッドエンド」みたいな終わり方もキングらしくて好きなんですけどね。
つか、そういう方向のを読みたかったわ。
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1963年11月22日のケネディ大統領暗殺を阻止するために、タイムトラベルする話。主人公の男性が1950年代末から1963年の目的の日までの数年間の人間関係や生活の様子がメインで描かれる。現代社会を知っている状態で1950年代で過ごすのはツライのではないかと思ったが、昔のほうが居心地がよかったりするのかなと思ったりもした。タイムトラベルものは好きなジャンルの一つ。
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(下巻まで読み終えての感想です)
文庫本で上中下巻の3冊、ページ合計で1400ページ以上(しかも他の文春文庫本より文字が小さいので密度が高い)の大変なボリュームの作品でした。おかげで読み終えるのにかなり時間とエネルギーをかけてしまいましたが、その分読了後の余韻が言葉では言い表せないほど深く残っています。
タイムトラベルにロマンスを絡めた話をキングが書いたのだから、面白くないわけがないでしょう。・・・と書きつつも実は上巻の途中までは、読んでいて話の展開が遅いなあという印象で、ちょっと挫折しかけました。メインテーマのはずのケネディ暗殺阻止とは全く関係ない話がずっと展開されるので、あれ?まだプロローグ続けるの?という感じで。でも最後まで読んだ後に振り返ると、これはこれで意味があったことがわかりました。なので投げ出さずに我慢して読みましょう。たぶん中巻の主人公とセイディーとの出会いあたりからは一気読みだと思います。
さすが稀代のストーリーテラーだけあって、うまいなあと感じるところは多々あるのですが、やっぱり本作のキモは、JFK暗殺事件をタイムトラベルの5年後に設定した点でしょうね。解説にあるとおり、セーブポイントの無いゲームで、やり直すなら最初から、という制約が非常にうまく作用していると思いました。歴史改変モノとしてもよくできていると思います。本作を読んで映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を思い出しました。
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ああキングよ君を泣く。
ホラーに生まれしきみならば
恐怖の描写にまさりしも
海外ドラマ監督はSFファンタジーを握らせて
君に書けよとおしへしや。
君もかかんと挑みとて
微妙な長編がうまれしや。
キングの長編(三巻以上にわたる作品)は前からイマイチなのが多かったけど、これはやばい。
っていうか、こんなの昔のキングなら短編だったんじゃない? 特に上中巻がたるい。ひいひい言いながら読んだけど、この文章量でも傑作短編の「しなやかな銃弾のバラード」や「ジョウント」、「浮き台」の充実感にはかなわない。
そして、キングのある意味一番のウリである、「ダサイ(けどやたら輝かしい)青春描写」について、今回は… いつもよりダサイ! ダンスかよ! まあいいけどね… でもそれなら「ジョイランド」のホーキーポーキーのが良かった。
目新しいところもないし、いまいち!
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いわた書店の方がラジオで勧めていた本の1冊で、ずっと気になっていたので読み始めました。時間を戻れる人が歴史を変えていく、その葛藤の物語。
上巻はまだほんのさわり。でも結構なボリュームです。事細かく、想像力を働かせる展開。これから続きを読むのが楽しみです。
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アメリカ人はリンカーン暗殺とケネディ暗殺について語るのが好きだなあと思う。
まあ、日本人が本能寺について語るようなものか。
ケネディが生きていたら世界は今とは違っていたはずだ。
そう信じている友人アルに、死期が迫っている自分の代わりに過去へ行って、ケネディ暗殺を阻止してほしいと頼まれるジェイク。
ワンアイデアでこれほどの超大作。
けれど、全然無駄な部分がない。
その「穴」は、どういう理屈で過去と繋がっているのかはわからない。
ただ、毎回同じ場所同じ時間に戻されるので、過去に対応すること離れてくると比較的簡単だ。
ただし、一度現代に戻ってから過去に来ると、全てが振出しに戻っていることになるが。
ケネディの暗殺を阻止する前に、本当に過去を変えることができるのかを検証する必要がある。
しかし、過去は変化を望まない。
過去を変えようとする人間に襲いかかる過去の抵抗。
過去には意思があるのだろうか?
毎回必ず同じ場所同じ時間に戻るとアルは言ったが、ジェイクが過去に戻った時、ほんの些細な違いが表れ始める。
それはどういうことなのか?
頭の中は高速で物語世界を理解しようと回転し、ページを繰る手は止まらず、スティーヴン・キングの手のひらで転がされているような気がしてくる。
けれど、キングだよ。
必ずしも勧善懲悪とは限らない。
理不尽に不幸な目に遭っている一家はもっと不幸になるのかもしれないし、そもそもケネディの暗殺は実行されているのだから、ジェイクの苦労は水の泡の可能性の方が高い。
誰一人救うことができずに徒労に終わるのだとしたら、どうやってカタルシスを得たらいいのだ、私は!
だから、キングだよ。
登場人物たちが不幸になるのか幸運をつかむのかはわからないけれど、この本が面白いのは間違いないだろう。
まだ上巻を読み終わっただけだけど、それはもう、はっきりしている。
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スティーブンキング、おもしろい。
僕が今まで読んだことのある小説の中ではITが最高傑作ではないかと思っているが、この11/22/63はそれと同じか、それに次ぐ面白さだった。
主人公、ジェイコブ・エピングは行きつけのハンバーガー屋の店主・アルから1963年の過去に行き、JFケネディ大統領暗殺を食い止めてほしいというぶっとんだことを頼まれる。そう、ザ・タイムワープ!主人公ジェイクは、その依頼を受けるべきか受けざるべきか、過去のアメリカに行くべきか行かざるべきか迷うが、行きます。もちろん。
この小説が発表されたのは2011年。その時点から考えて50年前の過去に行き、そこに住み生活し、大統領暗殺を食い止めるというミッションを果たすためには様々な困難を乗り越えなければならない。金も稼がなくてはならないし、住居も見つけなければならない。未来の(つまり2011年の)友達とは離れ離れになるし、現在の(つまり1963年の)人々とうまくやっていかなくてはならない。(50年のジェネレーションギャップ)
読者としては、なんでそこまで苦労して大統領暗殺という大ミッションを、主人公が自分の使命としてやるものだと考えているのかちょっと謎だが、ともかくも彼はやる。やろうとする。
そこで一番のテーマは、主人公アンバーソン(偽名)が過去の世界で見つけた恋人セイディーとのあれやこれや。彼女との恋愛の描写は本当に素晴らしく、読者の心を持っていく。また、セイディーと過ごしたジョーディーという街で出会った人々の温かさ、彼が与えたもの、彼が与えられたもの・交流の様子も素晴らしくて、スティーブンキングはすごく残酷な物語も書く一方で、すごく温かい物語も書くんだなぁ、歴史に残る天才だと思います。
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いやぁ、長かった。
ようやく読み終わった。ほぼ8ヶ月。
その間、自分のこの事件(ケネディ大統領暗殺事件)に関する知識を補完するために、結構調べたり、映画やドキュメンタリー番組を見たりしながら読み進めてたので、そりゃもう時間がかかった。
作者のキング氏はあとがきで述べているように98%オズワルド単独犯説の支持者であるわけだけれども、作中のアルは95%ととの描写がある。
しかしとてもじゃないが数ある陰謀論を退けて、あの奇跡の、まさに針の穴を通すような軍前の積み重なりによる暗殺が成し遂げられたとは、個人的にはほとんど信じられない。
まあ、それはともかくとして。
もし、時間をさかのぼって歴史を改変できたら、というSFの中でも最も魅力的なテーマのひとつを、稀代のストーリーテラー、スティーブン・キング氏がその魅力溢れる筆致であますことなく我々に与えてくれたこの一冊(実際には上中下3冊の分冊だけれど)これは素晴らしかった。
とても楽しい250日間だった。