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  • カテゴリ:一般 大学生・院生
  • 販売開始日: 2016/10/20
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波文庫
  • ISBN:978-4-00-336322-5
一般書

電子書籍

読書について 他二篇

著者 ショウペンハウエル著 , 斎藤忍随訳

前記『付録と補遺』の中から『思索』『著作と文体』『読書について』の三篇を収録.「読者とは他人にものを考えてもらうことである.一日を多読に費す勤勉な人間は次第に自分でものを...

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読書について 他二篇

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商品説明

前記『付録と補遺』の中から『思索』『著作と文体』『読書について』の三篇を収録.「読者とは他人にものを考えてもらうことである.一日を多読に費す勤勉な人間は次第に自分でものを考える力を失ってゆく.」――鋭利な寸言,痛烈なアフォリズムの数々は,山なす出版物に取り囲まれた現代のわれわれにとって驚くほど新鮮である.

目次

  • 目 次
  • 思 索
  • 著作と文体
  • 読書について
  • あとがき
  • 訳 注

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みんなのレビュー302件

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評価内訳

紙の本

情報過多の現代に異彩を放つ一冊であるということ

2010/02/07 11:18

26人中、26人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 高校時代に読んだ本だ。30年ぶりに再読して驚愕した次第である。本書で著者は読書の害を説いている。理由としては二点だ

 一点目。著者は 悪書の多さを嘆いている。売文家が 金が名誉の為に 愚にもつかない本を書き散らかしていると断言している。この状況は そのまま情報過多の現在に通じる。著者の時代と違い、本以外にもTVやネットというマスメディアを手に入れた僕らは 更に情報の海に溺れている。その中で 正しい情報にどうやってアクセスすれば良いのか。それが死活的に重要な時代になった。情報の選別をきちんとできないでいると 結局 どこにも行けなくなる。著者が嘆いたのは160年前の話だが その嘆きに共感できるということには驚きを感じた。


 二点目。情報を選別し 正しい情報に辿り着いたとしても そこに第二の罠が有ると著者は言う。「読書は他人にものを考えてもらうことである」であるとか「まる一日を多読に費やす勤勉な人間は しだいに自分でものを考える力を失っていく」という警句は現代にしても新鮮だ。本を読むことで 何かを考えてしまった気になることを否定できる人は少ないと思う。


 本書はネット時代の現代になって 本当に精彩を放っている一冊だ。例えば 検索エンジンであるグーグル一つを上記にあてはめても十分考えるヒントがある。
 「検索」とは 良い情報を探すと定義すると 上記の一点目への解決策がグーグルの検索である。
 グーグルの検索結果が「良書」なのかどうかは分からないことは言うまでもない。但し仮に その「検索」が正しいと仮定して グーグルが紹介した情報をどうやって消化するのかが次の課題としてのしかかって来る。この段階では既にグーグルが僕らにできることは無いのだ。考えるのは自分でしかないからである。

 著者は そこで僕らに「それでは皆さんは どのように考えるのですか」と問いかけて来ている。「それにこたえられないなら そもそもグーグルで検索などするな」とすら言っているような気がしてならない。何故なら 考える力が無い人が下手に情報を持つことはしばしば危険だからである。食べ過ぎて消化不良を起こしておなかを壊すくらいなら 食べない方が まだ体に良い場合もある。食べ過ぎで起きる病気の数々を考えても良く分かるはずだ。

 情報過多の海を泳ぐ際に 本書を読む意義は大きい。薄い一冊だが 山椒のようにピリリと辛い。僕は気に入ったことが書いてある頁は折って後で読み返す際の印とすることが多いが 本書に対してはあきらめた。すべての頁を折る事には意味がないからである。

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紙の本

著者の主張と私の主張

2005/11/23 14:45

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「読書について」の他、「思索」「著作と文体」と書物の著者と読書の関係について著者の独自の考えを展開した良書である。
最初に言いたいのは、著者と私の読書の捕らえ方の相違である。著者は、読書とは、著者の思想をそのまま吸収するもので、読者は、自分の思想を持たなくなると読書を批判する。私は、これと全く違う読書感を持っている。私は、読書とは、著者と読者の思想の対決だと思っている。読者は、常に自分の思想と著者の展開する思想を対比し、考え、同調したり、吸収したり、あるいは、批判したりするものである、決して読書により自分の思想が無くなるという事は無いと確信する。事実、私の読書法は、そうである。
「我々の存在」この重要な差し迫った問題に多くの人は、問題意識を持たず、これとは全く異なった問題に心をくだき、ただ日々を単に行きている。著者は、こういう。良く理解出来る言葉である。日々、単に生きている人々は、世間体やくだらない常識に捉えられ、真実を追究しようという姿勢が無い。そういう人達が多く存在するのは、事実である。
ルソーを引用して「名誉を重んずる人間はすべて、自分の文章の下にはっきりと書名する。」と本書に掲載している。現在、インターネットのBBS、新聞投稿等、一般の人も広く公に向かって自分の意見を発信する場がある。私は、これら全てに自分の本名を記載する。それでこそ、自分の意見、発信した情報に責任が持てるのであり、ハンドルネームやペンネームでの投稿に接した時に、こういう理由から、私は、反感を覚えるのである。
「文体は精神のもつ顔つきである。」その人の文章を読めば、その人の知的レベルは自ずと理解出来る。優れた文体とは、「主張すべきものを所有することである。」と著者は、説明する。その通りである。自分に思想が有れば、自ずと彼の文章には、主張がにじみ出る。つまり、自分に思想を持つ人の書いた文章は、どんなシュチュエーションの文章においても、彼の主張は織り込まれ、すぐれた文体、優れた精神を読み取る事が出来るのである。
なげやりな文章を書くのは、自分の思想にあまり価値を置いていないことを告白することである。著者はこう言う。思想に重きを置いている場合、怒りに満ちた時に書く文章でも、文章自体は厳しい事を主張はしているが、決して投げやりの表現には、なっていないものである。そういう(思想に重きを置いて)文章を書く時の気持ちは、神殿や貴重な芸術品、金銀の器等に接する感情と同じなのである。
読書によって熟慮を重ねた(自分の思想と対決された)もののみ、真に読者のものになる。熟慮という消化作用を経て、始めて自分の身体の栄養となる(脳の成長となる)のである。著者の主張に賛意を覚える。
本書は、私の大きな趣味の一つ「読書」について、その著者の立場、読み手の立場から、あるいは文章そのものの意味等、著者の見解を提示した優れた書だと思う。著者の勧める読書法と私の主張する読書法は、表現の違いはあれ、同じ事だと思う。「読書」とは、著者と読者の対決の場と私は理解している。そういう読書法を著者は決して否定しないと私は信じる。

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紙の本

読書の仕方

2022/06/26 09:50

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:魔法 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読書は他人の頭の中をなぞる作業であり、ただ文字を追って読むだけでは血や肉になるどころか自分で考える事のできないようになってしまう。
だからこそ、古典の良書を読み、熟慮し、自分の中で消化する事が必要。
昨今、snsの流行によって、人々は物事の本質に触れてじっくりと向き合い、消化をするという時間のかかる作業よりも、効率的で見栄え良く、短時間で消費できる事を良しとする風潮に流れる中、人が人として本当に生きるには、時間をかけてもかかっても、噛み砕き辛くとも、じっくり自分の頭と身体で感じて自分のことばで消化して行く、という事の大切さを改めて問い直す事にも繋がる指摘だろうと思う。

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紙の本

普通に名著

2021/07/09 21:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ななし - この投稿者のレビュー一覧を見る

明快な文章、独創的な内容に惹かれて購入しました。一般人にはあまり響かない(私だけかも(笑))部分もありますが、それでも、名著だと断言します。

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紙の本

これからも読書を続ける人が読む本

2021/03/13 00:37

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にー - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は読書のためのノウハウや心構えを解いており、心に響きやすい名言も多く書かれています。

反復は研究の母なり
これは読書した内容を実践したり、他者に伝える為の重要な考えです。
実際、一度本を読んだら大体が本棚に仕舞い込んで、暫く読まずに次の本にいってました。
ふと、あの本ってどんな内容だったかな‥と折角読んだ本も生活に活かす事が出来なかったりします。
そこでショウペンハウエルは良書は二度読め!と述べています。
二度目の読書は一度目と違い、結論が分かっているのでゆっくり読めます。なにより著者の述べている事も正しく理解出来たりと発見も多くありました。
この本を読んでから、自分にとって重要な書物は二度読むように心がけています。
その他にも、思想と思索の違いや良書と悪書について等、今後読書をしていく上で大変役立つ考えがのっています。

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紙の本

一流の文章家であったショウペンハウエルが放つ読書についての意見です!

2019/02/19 11:43

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、一流の文章家と知られたショウペンハウエルによる読書についての書です。彼の痛烈な批判は有名ですが、同書においても読書ということに対して厳しい目を向けて自身の思想を語っています。「読書とは他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失ってゆく」という表現は、驚きに堪えません。同書を読んでいくと、こうした驚くべき意見が次々に登場してきますが、情報に溢れる現代社会に生きる私たちには新鮮にも響いてきます。

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紙の本

多読するな、古典を読め

2016/06/29 00:01

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アキウ - この投稿者のレビュー一覧を見る

読んで考えて書く、という三篇。
多読を慎み、古典を読み、内容を咀嚼し、自分の考えを確りと作り、きっちりとした文章で書く。
当たり前だけど中々できないこと(特に自分で「思索」するところ)を語っています。
短いのでさらっと読める(一番長い、「著作と文体」は、ドイツ語の指摘等で直接関係無いところも多いので、飛ばし読み…)。
古典とか、思索とか、言いたいことはわかります。
できるかどうかは別ですが…。
まあたまには背筋を正して、本を読み、考えたいと思います。

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紙の本

ショウペンハウエルも予想できなかっただろう

2002/01/10 18:14

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 読書は自己による思考の放棄である、という理屈に成り立って書かれている本。この手の本にしてはかなり平易で読みやすく、内容も極めて興味深い。
 多読家は、本の著者に思考するという行為を代行してもらっているのであり、本ばかり読んでいると自分で物事を考えられなくなるというのだ。しかし、昨今活字離れが叫ばれて幾久しく、東大の学生ですら教養書をあまり読まないという調査結果がでた今日において、ショウペンハウエルの主張は高度すぎるものになっているのかもしれない。今日では情報の取得源が、本や新聞などの活字から、テレビやコンピューターに移りつつあり、ショウペンハウエルの主張は、今日ではテレビやコンピューターのやりすぎに注意という風に当てはまるかもしれない。

 また、ショウペンハウエルは大変理論的に読書の害について述べていると思うが、一方で、著述内によく出てくる「才能ある人」というのがどういう人なのか、アナログな説明しかなくその辺の著述には説得力が欠けた。しかし、全体としては大変興味深く読めたと思う。

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紙の本

読書をやめて、読書について考えたい夜に。

2004/11/03 02:56

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:黒耀 - この投稿者のレビュー一覧を見る

文庫にしてわずか150ページ足らず。
「読書について」という邦題のわかりやすさも手に取りやすく、この薄い文庫本を初めて私が手にしたのは中学生のときだった。
しかし眼は文字を追うもののその意味を理解することが出来ずに早々に投げ出したのが、その後もずっと記憶に残ってショウペンハウエルを読まず嫌いすることとなった。
汲めども尽きぬ泉から穴の空いた杓子で水を汲むごとく、膨大な過去から現代の出版物を全て読みつくしたいと若い日の自分は熱望していた。
まさに稚くして未だ読書を知らず、というものである。
その後も相当の齢を重ねるまで多くの知識を得るためにより多くの本を読むことが読書家のあるべき姿と考えていた。
経済的に余裕のある一時期には稀購本を入手することに夢中になったこともある。
そのとき本は競って手に入れるべき高価なオブジェであった。
そういった経過を踏んで、今漸くこの本を知ることが出来たように思う。
数十年の時を経て改めて手に取ったこの本は、わずか数十分で乾いた砂が水を吸うように私の脳に染み入ったのである。
ショウペンハウエルのなんという小気味よい叱責。
冴えわたるペンの切れ味。
「読書とは他人にものを考えてもらうことである。1日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失ってゆく。」
表紙にも引用されたこの警句は現代の読書人にこそ必要なのではないだろうか。
「読書界に大騒動を起こし、出版された途端に増版を重ねるような」出版物に手を出すなとショウペンハウエルが喝破したのは今より百五十年も前のことである。
「比類なく卓越した精神の持ち主、すなわちあらゆる時代、あらゆる民族の生んだ天才の作品」が次々と絶版していくこの時代を彼は既に予想していた。
今や本は日本でもかつてそうであったように貴重なものではなく、読み捨てられる娯楽へと失墜してしまった。
オブジェとして高価な古書を買う行為も、彼に寄れば「ただしそれを読む時間も買い求めることができればである。」と鋭く斬られている。
最近、一冊の本を何度も読み返しては思索することに時間を費やすようになった自分は、もはや読みつくしたい野望を抱いた青春時代から遠く離れ、不要となった花弁が散って果実を成すように、自分だけの思想が厳選した書物の助けを借りて成熟するのを待つことを楽しむ季節を迎えたようだ。
若い日の書物への渇望も決して無駄ではなかったと受容し、その先を考える時期に来たのだろう。
氾濫する情報の奔流に流されて「読書」に迷った時、常に傍にあるはずの友人としての本が不意にわからなくなった時、この本は読書と経験により培われた人生を歩む人になら、自信を取り戻してくれる指針となるに違いない。
コーヒー一杯よりも安い、僅か百数十ページの一冊が雄弁で心強い教師となることもある。

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紙の本

1851年に書かれた内容が今でも通用する

2015/08/17 03:27

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きらきら - この投稿者のレビュー一覧を見る

「思索」「著作と文体」「読書について」の3篇から成っている。

哲学書にしては読みやすい部類に入るのだと思う。
テーマが身近だし、中身が具体的なので、比較的わかりやすい。

著者は「思索」をすることがどれほど重要なことか、どのように思索すべきか、を教えてくれる。
「もともとただ自分のいだく基本的思想にのみ真理と生命が宿る」という。
理由も説明してくれる。

「読書は思索の代用品にすぎない」ともいう。なぜなら、「読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである」からだ。

さらには、「読書に際しての心がけとしては、読まずにすます技術が非常に必要である」というのだ。
つまり、「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。」からだ。

自分の頭で考えることが大切なのは、誰もがわかっていることだが、今の時代(ショウペンハウエルが150年以上前にこの本を書いたということは、昔も同じだったのだろう)どうしても、本やインターネットで情報を得ようとしたくなるのが、普通だ。
他人が考え文章にしたものを読んだところで、自分で思索し、学ばなければ、自分のものにはなっていない、ということを教えてくれる。

第一篇の始めの部分に引用したい衝動に駆られる一文がある。
「学者とは書物を読破した人、思想家、天才とは人類の蒙をひらき、その前進を促すもので、世界という書物を直接読破した人のことである」

インターネットで世界のどこにでも仮想的に行ける感覚に陥り、写真やビデオを見て、また情報を集めてその場所へ行った気になったり、遠くの人とチャットして、その人のことを知った気になったりする今現在でも、150年年以上前に書いた哲学者の言葉が意味を持ち続けるのには感嘆する。

どれが良書で、どれが悪書なのか、見極めるのは必要だが、ショウペンハウエルは「良書を読みすぎるということもない」と保証してくれているので、判断能力が備われば、まずは安心して読書に励んでいいのだろう。

ただ、この本を読んでわかったような気になり思索するのを怠ってしまう愚行だけは避けなくてはいけない。

最後に、この哲学者は「読まずにすます技術が非常に必要」だと述べているが、そのことを訴えるために書物という媒体を選ばざるを得なかった矛盾には苦笑してしまう。

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紙の本

旧くて新しい読書論

2017/01/29 06:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る

読書術の本は数あれど、「多読の害」という切り口をズバリと説く斬新(著されたのは1861年ですが)な1冊です。
情報収集として読書をするのか、教養を涵養するための読書なのか、読書観が問われます。

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紙の本

身につまされる

2017/08/13 19:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る

いろいろ心が痛い。
悪書を読むことは害にしかならない問うことと、そう言った悪書を蔓延らせる側にも罪は有るみたいな内容なのだけど、全体的にかなり辛辣。
本の虫や文字書きさんは一度は読んでみても良い本かも知れない。読んでみて、それから、今まで通りのスタイルと続けるか、ちょっと考えるか。そういうのも悪くない。
あと、言葉の大切さがとても身に染みる。
ネットスラングとか流行語とか、日本でも良くあるけれど、そう言う物もいずれ変わって廃れていくのかなと思うと、過去に使われていた言葉や表現を記録しておくに超したことは無いなと。
なんかもう言葉で言い表せない。

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紙の本

読書について

2001/09/09 15:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:げっぷ5号 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 読書についてショウペンハウエルは的確かつ的を得た箴言を書き記している。読書とは人から考える力を奪い去るのである。多読家の人は要注意。本ばかり読んでいると足元をすくわれますよ。

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紙の本

良書選択の指針となる。

2001/02/03 21:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:匿名の読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この書評をわざわざご覧いただいているということは、あなたはきっと読書に強い関心をお持ちな人であろう。ところでわれわれは何を読むべきか、どのように読むべきかということについてよく考える必要がある。毎年毎月、新刊本が大量に発行されては忘れられていく。そのようにすぐ消えてしまうような本は読むに値しない。ではどうすればよいか、ということに対して本書はひとつの回答となりうる。

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紙の本

笑ってしまいそうな真実

2011/03/20 15:28

7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:muneyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る

ヒトラーをして、「20世紀最大の精神を持つ偉人」と言わしめた、天才・ショーペンハウエルの読書にまつわる三篇の小品。

『思索』
まず、彼の読書についての骨子にあたる部分。
そもそも読書というのは、他人の思想の押し付けに過ぎず、いくら数を読破しても無意味である。
他人から借りて来たものばかりで出来上がった才人、これを「学者」という。
真の思想は、自分の内側からしか生まれず、読書とは素材に過ぎない。

じゃあ、その内側からどうやって生みだすの?という部分に、才能が関わって来る訳です。
「世界」という一次資料は、本も含めた素材と機会をくれるのみ。
そこをきちんと読み取る、即ち世界を読み取った者こそが真の「思想家」であり、「天才」なのです。

で、その「思索」、思い巡らすということが、一般人にはいくら考えても何かが生まれて来るもんでもないし、知識・経験量を上手く「真理」として吸収出来ないなら、いくら読書しても無意味。
つーか全ての経験が無意味。

その後も
「読書は思索の代用品」
「他読は自分で考える事をどんどん失わせる」
「学者は読書に呑み込まれた馬鹿」
「論争中に権威を持ち出してくる奴は馬鹿」

という感じで、読書をディスりまくり、果たしてこんな調子で表題に行きつけるのか?と読者をドキドキさせておいて、次。


『著作と文体』
三篇の中で最大量を誇る論文。と同時に、最もどうでもいい論。
「勝手に俺の本とかいわゆる名著とか引用に使うなボケ!引用するからにはちゃんと理解して最適な使い方しろカス!あぁ!?つかそんないっぺんに二個も三個も同時に考えられる訳ねぇだろ!一つの文章の中で何個も主張すんな!2ch?ざけんな!自分の正体きちんと晒せやオイ!
・・・いや、落ち着け落ち着け、クールになろう」
というような事が書いてあります。意訳し過ぎですが、大まかにさらうとこんな感じ。
そして表題へ。


『読書について』
いわゆるインテリ層の方々、ほんとはその本、読んでないんじゃないですか?
題名だけ知ってる状態で色々語ってませんか?
何かたくさん本読んだ事がステータスになっちゃったりしてないですか?

ドキっとさせられます。

本に限らず、全ての「情報」はどんどん劣化・風化していきます。
ショーペンさんが言うには、大体今出てる本なんて、五年もすりゃどーでもいい本になってるよ、との事。彼の活躍は1800年代なので、今だと半年から一年位の周期かもしれません。
そういう「作者が暮らしていく為」に書かれた本は、どーでもいい事しか書かれてない。そんな本は山ほど出版されている。でも、時間は、人生は限られている。だから、本を選んで読まなくてはならない。
なるほど。読書術らしくなって来ました。
さて、彼の「読書術」とは?

「良書を読む為の条件とは、悪書を読まぬ事である」


ずこー。
それは恐ろしいほど精度の高い、事実・真実です。

彼にとっての良書とは時の流れに負けぬ「名著」と言われる類のもの。
先人の言葉を引用し、「努めて古人を読むべし」としています。
限られた時間・限られた力を、多読ではなく
「良書を反復して読む為のエネルギーとして使え」
これがこの論の主張の様です。

本当に彼は頭の良い人だったのでしょう。
某SFロボットアニメのヒロインではないですが、
彼が周りの人を見渡し「バカばっか」と呟く姿が目に浮かびます。

しかし、僕は彼の言う「バカ」でも別に構わないなぁとも思います。
別段、僕にとって必ずしも人生とは成功しなくてはならないものではないからです。
いや、というか僕にとっての成功が「楽しみの為の読書の時間を持てること」なので、どうしても彼の意見に全面肯定という立場ではないんですよね。

ただ、下らないビジネス書・自己啓発書を百冊読んで「読書家」を名乗る様な人には、まずそうした「読書」を始める前にこの本を読んで、改めて読書とは何か、を考えてみて欲しい所。
この本は、彼の言う所の「良書」の一つですから。

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