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なぎさホテル
著者 伊集院静
作家・伊集院静の原点が綴られた自伝的随想。 1978年冬、若者は東京駅構内にいた。足元のトランクには数枚の衣類、胸のポケットにはわずかな金しかなかった。入社した広告代理店...
なぎさホテル
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なぎさホテル (小学館文庫)
商品説明
作家・伊集院静の原点が綴られた自伝的随想。
1978年冬、若者は東京駅構内にいた。足元のトランクには数枚の衣類、胸のポケットにはわずかな金しかなかった。入社した広告代理店も一年半足らずで馘首され、酒やギャンブルに身を置いた末に、東京での暮らしをあきらめていた。生家のある故郷に帰ることもできない。
そんな若者が、あてもなく立ち寄った逗子の海岸に建つそのホテルで温かく迎え入れらえる。
「いいんですよ。部屋代なんていつだって、ある時に支払ってくれれば」
見ず知らずの自分を、家族のように受け入れてくれる“逗子なぎさホテル”の支配人や副支配人、従業員たち。若者はそれからホテルで暮らした七年余りの日々の中で、小説を書きはじめ作家デビュー、大人の男への道を歩き出す――。
作家・伊集院静の誕生まで、若き日に向き合った彷徨と苦悩、それを近くで見守ってくれた人々との出逢いと別れ。名門ホテルは平成元年にその歴史に幕を閉じているが、目の前に海の広がるあの場所で過ごした時間は、今でも作家の夢の中に生き続けている。作家デビュー前夜からの大切な場所と時間を振り返り、作家としての原点を綴った貴重な自伝的随想。巻末には、文庫化にあたり書き下ろされた「あとがき」を追加収録。
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古き良き時代
2016/12/04 13:39
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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供時代を逗子葉山地区(断じて湘南ではない)で過ごしたので,街の描写など懐かしく読んだ。ほんとうの話なのかといぶかしくなるほど親切にされた作家の誕生物語である。このようにやさしく育てられたので暖かい物語が紡げるのだなと納得させる佳作である。夏目雅子との新婚生活が数か月しか続かなかったことも本書で知った。シナの非道な核実験とそれをひた隠してきた(いる)腐敗したジャーナリストに怒りを新たにした。