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さらばスペインの日日(上)
著者 逢坂剛
ドイツに続く日本の無条件降伏で第二次世界大戦が終結。密命を帯びスペインに潜行していた陸軍情報将校の北都昭平は戦犯指定の危機にさらされる。一方、英国情報部員ヴァジニアは、M...
さらばスペインの日日(上)
さらばスペインの日日 上 (講談社文庫)
商品説明
ドイツに続く日本の無条件降伏で第二次世界大戦が終結。密命を帯びスペインに潜行していた陸軍情報将校の北都昭平は戦犯指定の危機にさらされる。一方、英国情報部員ヴァジニアは、MI6の遣り手情報部員の二重スパイ疑惑の真相に迫るが、罠に陥り拘束される羽目に。著者渾身のイベリア・シリーズ完結篇。
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読み終えるのが勿体ない気もしましたが、何しろ一気読みでした。
2017/04/26 00:03
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終えるのが勿体ない気もしましたが、何しろ一気読みでした。成程、戦争のむなしさを諜報活動という視点から描いたというか、戦争中であっても個人レベルでは人間は判りあえることを描きたかったのだなと感じました。読み終えて気付いたのだが、北都が上司・神山正興少将から受けた命令は「中立国スペインで、米英の大使館員や情報員と非公式に接触して、できるだけ早く和平交渉の糸口をつかめ」というものであったことから、彼は普通の諜報員ではなく和平の使者だったのである。戦争のむなしさ、愚かしさを切実に訴えかける名作でした。また、歴史的史実をしっかりと押さえ、重要な人物に関しては実名で登場させることで、劇的な臨場感を生み出している。
1945年5月、ドイツが無条件降伏し、残る日本も時間の問題。いよいよ、戦後処理に重点が移るが、イギリス情報部内のスパイは誰だったのか、北都とヴァジニアはどうなるのか、・・・・・・・・・・。日系アメリカ人:ナオミの登場が台風の目か。
取り敢えずは平穏状態の中で日本が何時降伏するか、戦後の世界情勢はどうなるのかに焦点が移る中、尾形はアメリカ本土へ移送される。もう一つは、前作『暗殺者の森(上・下)[イベリアシリーズ6]』の(下P-307)で、北都にかかって来た“壁叩き通信”のみでカナリス提督が生きているのではと推測させるような無言電話の件が再度話題となる。やはり史実と異なる意外な結末を用意しているようだと期待。上P-140で日本降伏。ヴァジニアは北都が戦犯として訴追されることを憂慮し、スペインに潜伏するナチス関係者の動向を探る作戦に勧誘し実行に移す。1945年8月末、ヴァジニアにMI6への復帰命令が出され、ヴァジニアは二重スパイではと疑うキム・フィルビーとの対決を胸に秘めてロンドンに向かう。カナリス提督の件は、度あるごとに繰り返され、やはり何かとんでもない展開が予定されている予感。9月20日、ロンドンに帰着したヴァジニアは直ぐにジェーン・アーチャー(MI6第9課)と会い、キム・フィルビーに対する疑惑を更に強める。間もなくフィルビーから誘いがあり会食することになるが、2人だけで対決してはいけないという北都の警告を忘れ、遂ヴァジニアは追求するあまり持ち球を全て晒してしまう。(264~274)クラウス・ハルトマン(SD中尉)がヴァジニアへの面会を要請、その場で、カナリス提督がヒムラーにユダヤ人の血が流れていることを示す証拠を握っており、カナリス提督処刑に対してヒムラーが替玉処刑を命じたことを伝える。(286)先日、ジェーン・アーチャーの紹介で会ったヨハン・オットー=オスカー・ジャーゲンズというドイツの元反ナチス地下組織員から秘密裡に会いたいという誘いに乗って出向いた会合場所で、ヴァジニアは警察?に拘束されそのまま行方不明となってしまう。(348)会合予定を知らされていた同僚ジュリー・アトウッドは、速やかに行方不明になった経緯をジェーンと北都に連絡。北都は危険を冒して、ヴァジニア捜索の為ロンドンへと向かう。どうもこの事件、北都をおびき出す罠ではないだろうか。無事、ロンドンに着いた北都は、ヴァジニアが攫われたレストラン〈チェイニ〉の店主から犯人2人組が日本人らしい風貌だったことと、ヨハン・オットーの特徴を聞き出しオットー拉致に乗り出す。オットー拉致に成功したところで下巻へ。