ほろびぬ姫(新潮文庫)
著者 井上荒野
両親を事故で失くしたみさきは19歳で美術教師の夫と結婚した。それから4年。あなたはあなたが連れてきた――嵐の晩、彼女の前にふたりの「あなた」があらわれる。夫が、長い間音信...
ほろびぬ姫(新潮文庫)
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商品説明
両親を事故で失くしたみさきは19歳で美術教師の夫と結婚した。それから4年。あなたはあなたが連れてきた――嵐の晩、彼女の前にふたりの「あなた」があらわれる。夫が、長い間音信不通だった双子の弟を探してきたのだ。混乱するみさきに、僕はもうすぐ死ぬんだ、と告げる夫。衰弱していく兄になりかわるように、その存在感を徐々に増していく弟。眩惑的な文体で綴る愛のサスペンス。
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透明な悲しみの本
2016/07/09 09:15
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
あなたがふたり。どっちのあなた?と読みながら考えていると、感情が「みさき」にリンクしはじめる。そしてなんだか悲しくなってくる。不快や軽蔑や侮蔑などそういう負のオーラをまとった悲しみではなくて、とても透明で純粋でただただ「悲しい」という気持ち。確かに死に往くあなたは、みさきが抗えないほどの大きな存在で実力や経験があって、先を読む能力も多少はあるのかもしれないけれど、その小さな沼からみさきが這い出そうと無意識にも頑張っている姿に不愉快な感じは抱かなかった。みさきはいつまでもねんねじゃない。見縊ってはいけない。