金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件
著者 横溝 正史
江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と...
金田一耕助ファイル2 本陣殺人事件
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷を完全な密室にしていた……。アメリカから帰国した金田一耕助の、初登場作品となる表題作ほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二編を収録。
カバーイラスト/杉本一文
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
1975年の映画化を契機に日本に一大推理小説ブームを巻き起こした作品です!
2021/02/04 10:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、戦後の日本に推理小説ブームを巻き起こす仕掛け人となった横溝正史氏の代表作です。推理小説ブームは、1975年の同書の映画化がきっかけで、その翌年には『犬神家の一族』が映画化されたことで不動のブーム仕掛け人の地位を築かれました。同書は、江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家を中心に展開される内容で、その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音によって。気づいてみると、離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていたという場面から物語が始まります。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷を完全な密室にしていました。アメリカから帰国した主人公である探偵役・金田一耕助が初登場する作品です。
中編だからこそ
2001/09/29 21:33
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
金田一耕助初登場、いかにも日本的な密室、で有名な作品です。また、戦後まもなく書かれ、紙が不自由だったための中編。長編だったらもっととんでもない傑作になっていただろうことはよく言われています。が、果たしてそうでしょうか? この作品は、中編だからこそ名作として今まで残ったんじゃないかな。密室のトリックは機械的で味気ないし、いかにもな姿の名探偵もちょっと鼻に付く。今だからこそ、そう思ってしまうのでしょうが。
ただ、恐さ・まがまがしさ・緊張感が最後の最後まで持続しているので、読んでいるとまさに手に汗握るといった感じ。これが何百枚という長編だったら、この緊迫感が最後まで続かなかったのではないでしょうか。「本陣殺人事件」は中編だからよかったという理由です。
戦争の終わりを境に、本格推理を書こうと心機一転した著者の意気込みと、紙の不足という戦後の混乱の中だからこそ生まれた、時代が書かせた傑作といえると思います。
本陣殺人事件
2021/08/16 18:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:n - この投稿者のレビュー一覧を見る
「岡山もの」は見ていて面白い。東日本にはない異なる価値観と金田一たちの都会的な価値観が交錯する。山中では、些細な話があっという間に広まり......
日本刀を外へ運ぶ仕掛け
2019/10/20 11:21
3人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:宮村みやこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
このストーリーはTVで見た時「それは上手くいかない」と思った。まず日本刀が人間の胸に突き刺さると刃物はかなり強く筋肉で締め付けられるので琴線が引っ張られていくうちに糸が切れると思う。横溝正史はまず実験してみるべきだった。まあ奇をてらったストーリーで特に考えなければ面白い。
これまた傑作
2024/02/22 18:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴリゴリのトリック系ミステリはあまり好みではないのだが、この本は非常に楽しく読むことができた。それぞれのボリューム感も良く、著者の作品では『八つ墓村』に次ぐ評価になる。
同時収録の
2021/01/31 15:44
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
車井戸はなぜ軋る、盲目になった兄の不信感が起こした事件……妹は、かわいそうな兄さんと言うが……。それ以前の、先代の不倫がそもそもの原因では?
そして、表題作の本陣殺人事件。現代でこんな動機で殺人はねー。でも……戦後すぐの状況や、三本指の男、生涯の仇敵の存在、最後までどきどきしました。古典的名作といわれるゆえんですね
中編集の名作
2019/08/26 20:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:モフモフモフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
噂に名高い作品だが、未読だったので。
「本陣殺人事件」はトリックは古風だというのに、絵になるというか何というか…現代のミステリとはまた違う味がある。
他の二作品も夢中になって一気読みだった。
密室殺人トリックの登場するなかなか面白い「いかにも」なミステリー
2018/10/17 07:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
事件は昭和12年、岡山県だかの田舎で名家・一柳家の当主の婚姻の晩に起こります。本陣の末裔だという一柳家で起こった事件では、飯屋で一柳家への道を聞いたみすぼらしい風体の三つ指の男が取り沙汰されたり、当主の「生涯の仇敵」なる者が登場したり、分家の者の思惑だとか、何やらいろいろな妖しい事実でミスリードされますが、アメリカ帰りの金田一耕助が謎を解くと「なあんだ」という感じです。ただ、殺人の動機として、根底に凄まじい男尊女卑プラス潔癖症があり、時代と田舎という環境を鑑みれば、それがあり得るのかも知れませんが、現代的男女平等感覚では受け入れがたいものがありますね。ミステリーとしての面白さはそれによって減るわけではありませんが。
この本には他に『車井戸はなぜ斬る』と『黒猫亭事件』の2作品が収録されています。
『車井戸はなぜ斬る』は昭和21年に本位田家という名家で起きた事件で、本位田家の病弱だけど観察眼の鋭い17歳の娘が結核療養所で静養中の兄(次男)に宛てた手紙をベースに語られます。本位田家の先々代・先代当主がやり手で、その昔は並び称されていた3つの名家の中で唯一羽振りのよい家として残り、他の2家は凋落したことによって買った恨みや、先代当主の不倫によって本位田家本家と凋落した秋月家にひと月違いでうり二つの息子が生まれ、それを苦にした病がちな秋月家当主が自殺し、1年後に息子を親戚に預けた後に妻も後追い自殺(両者とも車井戸で)するという不幸な経緯が事件の遠因となっています。戦地から復員した特に目を失って復員した本位田家長男にして現当主が果たして本人なのか、戦地で一緒だったが戦死したという秋月家の息子が入れ替わっているのかといった疑惑の中から生まれた不幸な事件です。
金田一耕助の活躍はなく、ただこの娘さんの書簡やその他の資料を入手したので、探偵小説かである作者に渡しただけ、ということになっています。
これに対して、『黒猫亭事件』は「顔のない死体」というトリック(大抵加害者と被害者が入れ替わる)と「一人二役」という最後までばれてはいけないトリックを組み合わせた「事実は小説より奇なり」という設定のミステリーです。この作品中で何度か「獄門島」事件に言及されますが、時系列的には「獄門島」事件から時を置かず昭和22年に東京で起こった事件とのことです。このトリッキーなミステリーは前置きの通り、顔のない女性の死体が黒猫亭という酒場の裏手(雑木林がうっそうと生い茂る崖に三方を囲まれている)で掘り返されるところから始まります。その死体の身元確認が難航し、黒猫亭を最近売り払って神戸に行ったという夫婦の行方やその夫婦がそれぞれ持っていたらしい不倫の関係などが徐々に明らかになっていくわけですが、隠れた共犯者の供述や行動により捜査が攪乱されます。その絡まった糸を金田一耕助が解くパターンですが、動機は非常に陰惨で残酷無比な上、最後には真犯人自身も自殺するので、何とも後味の悪い作品でした。
物語としておもしろい
2022/02/08 22:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のり - この投稿者のレビュー一覧を見る
トリックを読み解くという観点からするとミステリ小説としては物足りないというか、納得のいかない話という印象を受けます。しかしさすが古典というか、話の流れや推理のシーンなどは物語としておもしろかったです。実際にトリックが作用するかは別として興味深いなと思いました。
ストーリーに魅了されなかった
2021/03/19 21:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
横溝作品の最高傑作と言われているが、他の作品のようなワクワク感がなく、あまり自分の好みには合わなかった。
謎解き部分が素晴らしいのか?
ストーリー全体におどろおどろしい、引き込まれていく感覚が足りなかった。