紙の本
目の寿命は人生よりも短いかもしれない
2017/08/11 12:13
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投稿者:もりやま - この投稿者のレビュー一覧を見る
目はむき出しの臓器という言葉にショックを受けた。たしかに水を含んだ粘膜でかろうじて保護されているだけなので、影響を受けやすいことは読んでみて実感した。手術に失敗すれば光を感知できなくなっているのは患者にすぐにわかりやすく、手術の腕が、成果としてとても分かりやすい分野です。それだけ厳しい世界で実績を重ねた先生の警告と受け止め、眼科医は外科医と認識し、どこで治療を受けても良いわけではないことを肝に銘じます。
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視力のあるうちに読んでおくこと
2017/04/04 11:29
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
衝撃の書だと思う。がん検診やがん治療法をめぐって異端的な医師が議論を捲き起こしているのとは少し異なるようだ。多くの外科手術の臨床経験を有する外科医が著した本よりも説得力を感じる。同時に日本の眼科医学界の実情がこのようなものかと思うと、高齢期を迎える自分自身や高齢社会の日本は大丈夫かと心配になる。
「眼科外科医」という用語は納得できる。眼科は外科手術が主なのだ。老眼鏡の購入のために視力検査を受けることぐらいしか眼科に行ったことがなかった。近親者に白内障の手術、飛蚊症の話など眼の健康に係わる話題が日常茶飯事になっている。素人目線でいえば、著者の主張の正しさについて本当のところはよくわからない。だが、少なくとも新書版300ページ余りで説明されている眼科治療の最新状況はわかった。著者の眼科医師としての矜恃も伝わってくる。
糖尿病網膜症の事例では内科医と眼科医の考え方の違いを鮮明にしている。専門医師間の縦割り主義、患者を診るのではなく病気だけをみることの違いを示してくれる。啓蒙の書として推薦したい。
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真実は?
2020/10/14 23:25
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルだけでなく、内容も実に衝撃的。てっきり我が国の眼科治療は世界的に劣っていないものと思っていました。しかし、著者の指摘が真実なら日本はかなり問題のある後進国です。これまで漠然と目の病気になったら大学病院で治療か?と思っていたのですが、念のため本書の内容も参考に、眼科医の情報を冷静に集めておこうと思いました。取り返しのつかない手術をされたり、失明してしまっては大変です。
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前近代的な日本の眼科医療
2023/03/19 09:16
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の眼科医療が前近代的とは衝撃かつ絶望的でした。また白内障、緑内障、網膜剥離、加齢黄斑変性といった眼科疾患は、加齢に患う可能性があるとのこと。その時に一体、誰に診てもらえば良いのか?「大学病院等の大病院は練習台となるので避けなさい」とは書いてありますが、肝心の医者選びは「口コミやインターネットなどを含めた、あらゆる手段を使って、多くの施設を比較検討。その上で診察を受け、手術の腕が確かかを再度調べて決断しなさい」とのこと。結局、「深作眼科」に行くしかないのでしょうか?
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深作さんによれば、目の寿命は個人差もあるがせいぜい70年くらいらしい。だから、それにあった使い方、心構えがいる。しかし、人間の体はそれ以上に長生きする。あるいは、長生きさせられる。そこでいろんな目の病気が問題になってきた。深作さんは世界的に有名な優秀な眼科医で、眼科医は目医者ではなく、外科医の一種でなくてはならないという立場だ。しかし、日本の眼科医は技術が低く、大病院であっても、まともな手術ができず、助かる病気も放置されたり、悪化したりしてきた。たとえば、緑内障はかかったら最後どうしようもないと言われているが、早期に手術すればそれなりによくなるそうだ。それをしないのは、医者に技術がないからである。深作さんは実は美術史家でもあり、眼科医の立場から画家の絵を分析した本『眼脳芸術論』(生活の友社)を出している。たとえばだれそれの絵の色彩が変化したのは、白内障の影響だとか、だれそれの絵の色の使い方から、その人が色盲であったとかという分析である。ぼくはこの本は先に読んでいたし、その人が有名な眼科医だということは知っていたが、本書をしばらく読むまでは同一人物だとはわからなかった。ただ、本書の一部はたしか少し前の『週刊現代』か『ポスト』かに出ていた記憶がある。その記事あるいは本書を読んで、深作さんに見て欲しいと思う人がどっと出てくるだろう。しかし、それだけに、診察までは1、2年待たされることになるのではないだろうか。
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江部先生が糖質制限つながりでご紹介されていた本
ドクターX並みのドロドロ?日本の学会のレヴェルの低さを暴露
製薬会社との癒着や大学と学界の強固なつながりなど、お金が絡むと事実も都合の良いように捻じ曲げられるようです
どこにでもある話ですが、医療の世界でそれをやるのは勘弁してほしい
長くなりますので
詳細はブログにて綴っております
http://art-love.hatenablog.com/entry/2016/12/24/000000
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本書を読むと、いかに日本の眼科治療が遅れており、専門医をしっかり選ぶことの大切さが分かります。また、世の中に間違っている情報が多いことも知らされました。
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眼科治療での外科手術の有効性がよくわかった。白内障や網膜剥離の手術についても新しい知識が得られたし、緑内障治療が手術単体で35,000円程度のものとはびっくり(実際はもっとかかると思うが)!血糖値の乱高下も防ぎたい。
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知らないということはとても怖いことだけれど
どの情報が正しいのかを見極めるのかはこの情報が氾濫した世の中では困難、ということをまざまざと見せつけてくれる本。
わたしの目に何かあったら深作先生かそのお弟子さんにお世話になりたい。
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語り口が明快。それゆえに信頼できる。
言い切れるということは、自信、自負の裏返しなのだろうし、
目医者を蔑称と捉えているところからしても尚更。
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いざという時に眼科選びに困っているようでは遅くて、あらかじめ信頼できる医者を見つけておくことが大事だと感じさせられた。それは眼科に限らずどの分野でも同様。
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深作眼科院長の筆者。日本の眼科診療の良くない点について言及し、深作眼科であればこうするという話が多かった。手術の第一人者であるように感じた。印象に残ったのは、①大学病院は、研修生が多いので、目の手術を受けない方がいい。②急いで手術をするのではなく、適切な眼科で手術すべき。③緑内障は、適切なタイミングで手術をしたほうがいい。④目のために、紫外線をさけるべき。⑤眼球体操に効果はない。
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「目が見えるようになる!」とのことで母親が白内障の手術を受けたいと言い出しその唐突さに違和感を感じて眼のことを少し調べてみることに...
この本のことが全てかどうか?それはわからないけれど...
私自身の周りで見聞きした話の中に思い当たることがいくつかあって...
知ると知らないでは大違い!少し恐ろしくなりました。
白内障・緑内障・網膜剥離はもちろんコンタクト使用者などなど...一読あれ!の本...のような気がする。
眼...大事にする!
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こういう本は、著者の(医院の)宣伝本が多いのだが、この本はそうではないかもしれない。
著者の並々ならぬ自信は、ライター(?)の筆が走りすぎで少し滑った感がないでもないところが若干よくない印象を与えるが、内容は信じたい。
実は52歳にして白内障の警告を受けている。この先生のところで手術したい。
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【追記】
結局この先生のもとで白内障手術(両眼)、そして後に網膜硝子体手術(左眼網膜剥離、ただし視野影響外)を受けた。たいへん優れた治療が施され、裸眼で調子がよいと1.2が見える。また硝子体手術による硝子体の汚れ除去により、近くの小さめの文字も通常は老眼鏡が要らなくなった。右眼の硝子体手術も検討したくなる快適さである。
いつも丁寧に的確な診断を下してくれる女医の先生の診察を含め、この医師の医院にかかって心からよかったと思っている。
本の読後感としては著者の自慢に聞こえる話が鼻につく部分もあるが、診察で接した著者は、もちろん自信にあふれているものの、心がまっすぐなたいへん誠実な人柄であり、対話から受けた信頼できる医師であるという印象は揺らぐことはないだろう。
診察時の著者の話によれば、光文社新書の著書に関してはライターは入っていないといい(他社刊にはライターが入ったものもあるとか)、構成の調整はあるが自らの好きに書かせてもらっているとのこと。もちろん自費出版ではないという話であった。
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こういう本を読んでいるとジジ臭い感じがしますね(ジジイに近づきつつあるので仕方がない)。30歳を過ぎて網膜剥離にかかり手術、50近くになり周囲の同年代に等しく私にも老眼が訪れつつあります。海外にいて言葉が不自由である中で病気に対応するためには先んじて学ぶ、これしかないというのが本音です。
で本作ですが、曰く評価しづらい。
いや、私は信じますし、次にかかるのならこの病院に行こうかと本気で考えています(幸い今のところ目に異常はありませんが)。
ただ全般的には筆者の華麗な経験や趣味の絵画の話(多摩美の院卒!)などが自慢気に聞こえ鼻につきそうな内容となっております。
それが気にならなければ面白く読めると思います。特に第2章は世間で受け入れられている目に関する常識に対しこれでもかと反駁しており、医者のいう事を素直に信じている方には衝撃的な内容かと思います。
一例としては、
・眼球体操は目を気づつける(私もやっていました・・・)
・日本の大学病院での眼科手術は練習台にされるだけ
・日本の大学病院の手術は遅れている
・周回遅れの処方や技術の原因は医学会と製薬業界との癒着にある
等々が書かれています。この方向でのトップランナーは私の中では内海聡医師なのですが、そのマイルドバージョンといっても良いかもしれません。その他糖尿病由来の網膜剥離に関して宗田哲男医師や江部康二医師に言及があります。両医師の著作が好きな方には楽しめる内容かと思います。
あと、モネの睡蓮について60代に書いたものと80代に書いたものとの比較が医学的所見と共に掲載されておりました(要は白内障です)。かつて原田マハさんの『ジヴェルニーの食卓』を読みましたがモネとクレマンソーの会話でモネが目の不調を訴えているシーンが脳裏に浮かびました。
・・・
最終的には楽しく読めました。
全般的に反権威・反王道的な主張ですので、一般的にはオルタナティブ情報として取り入れるのがよろしいかと思います。私個人としては非常に有効であり、ためになる書物でした。