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【期間限定・特別価格】カラマーゾフの兄弟

著者 ドストエフスキー , 亀山郁夫(訳)

ゾシマの死に呆然とするアリョーシャ。しかし長老の遺体には、信じられない異変が起こる。いっぽう、第2巻で〈消えて〉いたミーチャは、そのころ自分の恥辱をそそぐための金策に走り...

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【期間限定・特別価格】カラマーゾフの兄弟3

税込 440 4pt
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カラマーゾフの兄弟3

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カラマーゾフの兄弟3

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カラマーゾフの兄弟 3 (光文社古典新訳文庫)

税込 922 8pt

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商品説明

ゾシマの死に呆然とするアリョーシャ。しかし長老の遺体には、信じられない異変が起こる。いっぽう、第2巻で〈消えて〉いたミーチャは、そのころ自分の恥辱をそそぐための金策に走り回っていた。そして、ついに恐れていた事態が。父フョードルが殺された! 犯人は誰なのか?

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評価内訳

紙の本

『カラマーゾフの兄弟』は第一の小説と第二の小説の構想があって第二の小説は書かれていないのだが序文「著者より」によれば全体として三男アリョーシャを主人公にしている。ただこの第一の小説ではアリョーシャの影は薄い。とはいえ「第三部第七編アリョーシャ」には引っかかるところがあって読み返したら、独断的なアリョーシャ印象をくどくどと書いてみたくなった。

2007/09/27 18:04

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

どんなにスッと入れる名訳でも原書そのものにある難解さをときほぐすのは容易ではない。特に宗教に関連するイメージは私のもっとも苦手なところです。第一部、長老の部屋での「国家と教会の二元支配論」またスメルジャコフの「神の不在論」、第二部、イワンの「大審問官」など観念的哲学的な宗教論はどうにか頭で整理することはできる。だが現実世界にはどう映し出されるのか。煩悩につきまとわれるこの世にあっては、教会に集うことを習慣にしていると人たちいえども俗人はそんな高次の精神とは無関係に生きているのだ。その一般の人たち(信仰心の篤い人や多くの聖職者を含めて)にはおそらく俗っぽい神や悪魔が存在しているのだろう。私は日常に神とつき合っているのではないから、なにが神の作用でなにが悪魔の作用なのか、このあたりのことはとんとわかりかねるのだ。

消化不良の胃の中にある肉の塊は大いに存在感があってそのひとつが「第三部第七編アリョーシャ」となればもう一度口に戻して咀嚼してみたくなる。100ページなので三度読んだ。
おぼろげながらこの第七編は現世に降りた神と悪魔の美しくも妖しい交錯が描かれていることに気がついた。

ついにゾシマ長老が死んだ。だれからも愛され尊敬されていた。そして人々をひとしく慈しむ。謙虚で優しく高潔な精神と深い信仰心。いまなら予知能力ともいえる神秘的力もそなえているようだ。私にはキリストの再来を表現しているのではないか思えるぐらいの聖人だ。まもなく死を迎えることを知らされた人々、身分、貧富を問わずすべての人々が神に召されるにあたっての瑞兆、大いなる奇蹟が必ず目の前で起こると信じていた。私だって大いに期待していた。アリョーシャだってそうだった。
ところがどうだろうか、期待は裏切られる。遺体が考えられない速さで腐敗しひどい腐臭を放つのである。なんという忌まわしさだろうと私だって呆然となる。人々というものは残酷なものだ。尊敬が侮蔑に、信奉が猜疑に、人々が抱いていた偉大な人・ゾシマに対するイメージはひっくり返る。神に祝福されるべき聖人は逆に神に呪われた者であった。鼻をつく腐臭がその啓示であると人々は受け取ったのだ。まえまえからゾシマの批判者であったフェラポント神父は狂ったように悪魔だと告発する。ゾシマは弾劾と軽蔑と汚辱にまみれてラストステージに横たわったのだ。

一言で背筋がゾックとするような衝撃的展開だった。私の記憶にある不可解なあの展開と同じだ。それはキリスト磔刑のシーンだ。神が存在するなら、なぜあれほどの残酷な死を前にして神は奇蹟を起こすことなくただ沈黙し続けるのか。

そして混乱の最中に、アリョーシャの精神は短時間で、いく段階もの劇的な変容を遂げる。これが凄い。第七編はまさにこのためにある。

アリョーシャはゾシマ長老に愛され、またゾシマ同様すべての人に親しまれる信仰の人である。非の打ちどころないやさしい心の純真な若者として私の前に登場していた。

その彼が人々の露骨な背信の光景を目の当たりにしたとき、思いもよらなかった神の意図に愕然とし、不動であった信仰心が動揺するのである。
「僕はべつに、自分の神さまに反乱を起こしているわけじゃない、ただ『神が創った世界を認めない』だけさ」
と神を否定する兄イワンの言葉をひいてゆがんだ含み笑いを浮かべるのだった。彼は落胆の淵にいるのだが、私にはそれでこそリアルな人間なんだと、私との距離が縮まったように思えた。

そして彼なりのいくつかの啓示を受ける。(売女ともいわれるグルーシェニカとの交歓、ゆめうつつの中にゾシマの復活など、この場面も見逃せない)突然、彼の魂は喜びに満ちる。頭上には輝く星たち。微動だにしない静かな夜の大地。大自然の善と美に抱かれて彼の精神は飛翔する。神々しく美しいシーンである。宇宙の法則に導かれた魂の解放だと私には思える。それは東洋的には「悟り」である。『罪と罰』のエピローグ。ラスコーリニコフがあたたかい陽射しを浴びて、広野のなかに自由な遊牧民たちの生活を認め、喜びと幸福に満ちた復活をなす。あの高揚感と同じ感動をおぼえた。

だが、最後の変貌には鬼気迫るものがある。
「この天蓋のようななにかしら確固としてゆらぎないものが………自分の魂の中に降りてくるのを感じとった。なにか理想のようなものが、彼の頭のなかに君臨しつつあった」
「倒れたときにはひよわな青年だったが、立ち上がったときには生涯変わらない、確固とした戦士に生まれ変わっていた」
これまでのアリョーシャとは似ても似つかぬ人格ではないだろうか。「確固としてゆらぎないものの(降臨)」「理想」「君臨」「戦士」。そこに謙虚なアリョーシャは消え、ひどく傲慢ななにかに変わったかのように私には思える。

観念的神学論よりも現実世界での善悪論のほうが私にはツッコミが容易である。だから、あえて言いたい。彼はだれのために戦うのか。だれを敵とする戦士になるのだろうか。イスラム対キリスト教の宗教戦争ともいえる現代の戦争がある。双方にとって相手は悪魔である。生まれ変わったアリョーシャははたして神か悪魔か。それともいつの時代の青年にもありうる夢のような理想への熱狂にすぎないのか。

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紙の本

ロシアの文豪ドストエフスキーの名作第3巻です。

2016/09/25 12:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、まず読者は、ゾシマの死に呆然とするアリョーシャに直面させられます。しかし、長老の井谷は信じられない異変が起こります。他方、第2巻で消えていたミーチャは、そのころ自分の恥辱をそそぐための金策に走り回っていました。そして、ついに怖れていた自体が起こります。父フォードルが殺されるのです!犯人は一体誰なのでしょうか?読者はストーリーの展開に思わず興奮させられます!

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紙の本

ドミートリーのターン

2016/02/24 17:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る

ドミートリーの視点で物語が進む。1巻と2巻の裏側の物語であり、ようやく小説らしい面白さに出会える。また、アリョーシャの覚醒など見所がいっぱい!

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2007/03/06 13:22

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2007/04/23 00:36

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2007/10/23 16:38

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2007/10/04 00:48

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2007/10/18 00:37

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2007/10/21 23:39

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2007/12/16 18:03

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2008/01/28 23:28

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2008/02/16 15:09

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2008/03/09 10:52

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2008/03/07 23:19

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