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電子書籍
星宿姫伝 しろがねの継承
著者 著者:菅沼 理恵 , イラスト:瀬田 ヒナコ
〈斎宮〉として、四人の騎士に永遠の忠誠を誓われた白雪だが、王城の人々の反応は冷たい。そんなある日、白雪を守ろうとした騎士のひとりが敵を皆殺しにしたことから、白雪と対立し!...
星宿姫伝 しろがねの継承
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しろがねの継承 (角川ビーンズ文庫 星宿姫伝)
商品説明
〈斎宮〉として、四人の騎士に永遠の忠誠を誓われた白雪だが、王城の人々の反応は冷たい。そんなある日、白雪を守ろうとした騎士のひとりが敵を皆殺しにしたことから、白雪と対立し!? ロマンティック・ファンタジー!
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紙の本
王道だけど、女の子の憧れが詰まっている感じが良い
2005/11/14 09:32
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オカメインコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この秋で創刊4周年を迎えた角川ビーンズ文庫は、まだ若いレーベルながら、数々のライトノベルレーベルの中で、最近最も躍進しているように感じる。
このビーンズ文庫は、10代後半から30代女性を読者対象として立ち上げられたレーベルで、ライトノベルは好きだけど中高校生向けではなく、もうちょっと大人向けなものがないものかと不満を感じていただろう特に20代半ば以上の女性の希望の星なのである。
作品の安定感も良いし、これからますます人気が出るんじゃないかと思うシリーズ作品もちらほらある。
国を守護する唯一の存在である「斎宮」となった少女の戦いと成長の物語である、この「星宿姫伝シリーズ」も個人的に推していきたい作品の一つ。なかなか世界構築が複雑なので、ちゃんと読んでいないと混乱してしまいそうになるが、それゆえに読みごたえもある。
シリーズ第一弾である前作の『しろがねの契約』では心憎いほど上手な終わり方をしてくれたが、第二弾の本書でもその上手さを随所で見せつけてくれている。
今回は、主人公が「斎宮」として周りの人たちに認めてもらえるようになるまでのストーリー。まだまだ電源を入れたばかりの加速途中なので、これといって大きな動きはないが、それでも、父親と二人だけで旅生活をしてきたせいで人付き合いが下手な主人公の心の成長などが丁寧に描かれており、十分楽しめた。登場人物たちの台詞もなかなかぐっとくるものがあるので、どうかさらりと読み流さずに胸に留めて欲しいと思う。
また、主人公本人の知らぬところで、次々と重大な真相が明かされていっている。それと同時に謎が謎をよび伏線だらけ。主人公が真実を知る時はいつか必ず訪れる・・・それを目の当たりにする時のことを思うとつらくなる。過酷というよりも残酷すぎる。そして、読者にも明かされていないあっと驚くような真実がまだまだ隠されていそうで、ますます目が離せない最後まで油断ならない匂いがぷんぷんする。
さてさて、前作で読者の多くが気になって仕方なかっただろう、主人公の恋のお相手は結局誰なのかという件は、はは〜ん、なるほどなるほど、そっち路線でいくのね。と、片方の口の端をあげてにやりと笑ってしまった。巻末のおまけ漫画にもあるが、まさにトトカルチョな状態。いや、アンジェリークな状態とでも言えば分かりやすいだろうか。でも女性はそういうの結構好きだったりするので、まだまだ引き延ばして焦らしてほしい。
読者に「続きが気になって仕方ない」と思わせることのできる作品というのは、シリーズ作品としての基本中の基本であり、それこそが上手な作品の条件の一つだと思う。この作品はそこをきちんとおさえているので、やっぱり上手だと思う。
虫食い状態のジグソーパズルのように、まだ作品全体の図が見えてきてはいないが、次巻あたりから大きな動きが見られるのではと思っている。
同レーベルの、『まるマシリーズ』や『彩雲国物語』、『少年陰陽師』と並ぶくらいの看板作品に成長してほしいと期待を大きくして願っている。