紙の本
キラキラ表紙からカストリ雑誌へ
2022/06/03 11:46
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気のファッション誌からマイナー文芸誌へと鞍替えする、ヒロイン桜子の迷走ぶりがユーモラスです。ちょい悪オヤジの藤堂が、傷ついた詩人の素顔を見せるシーンが秀逸でした。
紙の本
過去の詩人
2024/04/15 12:59
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそもそんなに売れないと思うし、
ずっと新作を出してない人がどうやって暮らせるのか。
と思ったら、教室を開いて小金儲けしてた。
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言葉をめぐる物語。
→https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12030912576.html
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人気女性誌から『月刊現代詩』の編集者になった桜子。妻を失い13年間も沈黙する大詩人・藤堂の担当になった桜子は、なんとか彼に詩を書かせようとするが……。
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ことばひとつひとつの重み深さを感じさせられる。新鮮な面白い、いま求めていた本だった。大切にしたい本。素敵なことばがつまってる。
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詩人と名乗りながらも詩集が出せない藤堂。編集者の桜子。詩とは心を降りていく階段、という言葉が印象的。
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もう10年以上、詩を書けずにいる大詩人。彼に詩を書いてほしいと願う編集者。娘が事件に巻きこまれて以来、言葉を発しなくなってしまったことを気にやむ母親。
みんなが誰かに伝えるための言葉を渇望している。意味のある言葉を使って意味のある会話をしたい。けれど、「ほんとうの言葉」って何だろう。借り物ではない自分の言葉で、気持ちを伝えたい。それにはどうしたらいいのか。
答えは、詩の中にあった。大詩人が最後に見つけた、「詩とは、自分の心の内側に下りていくための階段」という言葉が、深く深く僕の心に響いた。
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読書メーターで見かけたので図書館で借りてみました
初読みの作家さん、1960年生まれ、ふむふむ…と
思ってたら高橋源一郎氏の奥様でした
小さな出版社に再就職した元?いや今も?やり手の
編集者桜子(40歳)と詩が書けなくなった女好きの
大詩人藤堂氏(64歳)とバブルを謳歌したであろう
主婦まひろ(50代)の抱えている問題、想い、傷
スマホ、ブログ、ライン、スマップ、AKB、
アナ雪などなど最初は軽い感じで交わされるやり取りの
中で真剣に、詩とは何か、言葉とは何か、それぞれが
最後にそれぞれの答えにたどり着く
ドラマや映画向きの小説、単純に感動して癒されました
これで別名義含めて4作目とは驚きです。。
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久々に心持っていかれる本に出会った。
と言っても、大好きな谷川俊太郎さんのコメントが帯にあったのと、タイトルに惹かれたというのが手に取った理由…。でも出会えたことに心から感謝してる。
もともと詩を読むのが好きで、学生時代、心のモヤを取るために、自分を励ますために、日記の終わりにいつもポエムを書いてたのを想い出して、じわじわこう…蘇るものがあった。(電車の中で読んでたので思わず涙をこらえた)
いつだって振り回されるけど
いつだって難しくて苦しいけど
“言葉”って
最高にいいものだなあって
改めて思わせてくれた。
ただそれだけ、ありがとうの気持ちをこの本に対して、著者の谷川さんに対して伝えたくなって、初!レビューというものを投稿してみた。
ただの自己満レビュー。
それでいいやないか!笑
PS.大詩人、藤堂孝雄という人物に惹かれ、しまいには虜に…こういう人、好きだ。
それに振り回される担当の桜子、そして主婦のまひろさん、かわいい…‼︎
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いつからか詩を書けない詩人、子供の死に心深く罪の意識を宿す編集者、友人の自殺未遂に自ら外の世界とつながる言葉をなくしてしまった少女、少女に語りかける真の意味をもつ言葉を探し続ける母親、4人をめぐる言葉と詩の物語。
作者の谷川さんご自身が詩を書かれるので、言葉に対する執着、愛着は強い。
「意味を失ってしまった言葉に、もう一度意味を持たせるにはどうしたらいいのか」
「詩は心の内側に降りていくための階段」
物語の中に出てくる純粋な言葉と詩へのこだわりの対極に、物欲にまみれた現実の描写は詩の純粋さを際立たせる。ラストで用意された、詩人と編集者、少女と母親の行き着いた結論はもう少し深く味わいたかった。
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詩が書けなくなった大詩人と女性編集者との微妙な関係。そして、娘と母親との間の心の溝は埋めることができるのか?詩とは何なのか、自分だけの言葉への模索をとおして、成長していく人々のアンソロジー。心の深部で共鳴するなにかを感じる作品。
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現代にとても即した小説で、誰もが薄々思っていたことが書かれていた。
スマホ、ライン、スタンプなどの登場で言葉はどんどん従来の意味から離れ、空虚なものとなってきている。かわいい、いい感じなど使い勝手の良さから意味が複数加えられ本来の意味を見失った言葉もある。
詩人というのは、言葉に対して真摯で、物事に対しても簡単に考えるということをしない人種だとわたしは思う。そんな言葉と物事を大切に考える詩人と、現代の浪費される言葉を並べて描き、生きた言葉を使うことの大切さを読者に教えてくれる。
作中に出てくる詩がとても素敵でした。「謝罪は権力を与える」その通りだと思います。今まで一度も考えたことがなかったけれど、謝ることも一筋縄ではいかないのだなと。心に何か傷痕を残すような素敵な言葉がたくさん詰まっていて読んでいて心地が良かったです。
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四月は少しつめたくて、その言葉から物語は始まる。
再び春がくるまでに、そのつめたさに少しずつ触れ、言葉とその意味とそれらが表すものの正しさを、詩人と編集者とともに考えさせられる。
詩人が詩を書けない理由と、女性誌の敏腕編集者が詩の編集者に転向した理由はどこかつながっている。
「失なわれたもの」を捉えようとひたむきに正面から向き合うこと、またそれに背を向け考えることを止めてしまうこと。
哀しみや愁いを言葉にすることの意味がどこにあるのか。
美しい言葉は情報のように空虚に感じられ、感動は押し付けがましいものになり、ただ与えられた言葉を重ねるだけでは「詩人のふり」になってしまう。
「詩ってなんですか?」という問いに対する詩人の答えは、本書のラストで明かされる。
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藤堂孝雄という書かなくなった詩人を軸に二つの物語が交互に語られる.でもどちらも言葉の持つ力に向き合っていて,最後には再生の瞬間を見せてくれる.挿入されている詩も良かったです.
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エッセイのように軽く読めて
詩のように心に届く
妙に清々しい小説だ
テーマの一つに《謝罪は権力を生む》というフレーズがある
その中で
死に別れという痛みに負けた老いぼれ元大詩人と
なんとか再起させようとムキになる傷ついた編集者の出合い
底無しの距離をとりながらの絡み合いで
傷を舐め合うことから脱皮していくという物語と
娘がイジメられて自殺未遂したと訴えられた無実の親子と
同じ元大詩人が絡んでそれぞれが再起していくという
物語が交差するストーリー
妙にシツコカッたり頑張ったりと無理な箇所も感じるけれども
こんなことも多様な自然界になくはないのだろう