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なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか
著者 加藤諦三
今、「自分のことしか考えられない人」が増えている。一見いい人なのに、「わたし」にしか興味がない、わがまま、不幸自慢、人の話を聞けない・・・・・・それらはすべて「ナルシシス...
なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか
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なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか 「ナルシシスト」という病
商品説明
今、「自分のことしか考えられない人」が増えている。一見いい人なのに、「わたし」にしか興味がない、わがまま、不幸自慢、人の話を聞けない・・・・・・それらはすべて「ナルシシスト」の症状だ。どうすれば、心軽やかに、自信をもって生きられるか?――たった一つの真実に気づけば変わる!◎「相手が“わたしのこと”をどう思うか」から、 「相手が“どういう気持ち”になるか」へ◎日常の「小さな心地よさ」を大切にする◎「マイナスの情熱」は、一瞬でプラスに変換できる◎すべての人間関係をポジティブに変えていくナルシシストであればあるほど、現実に傷つきやすくなる。ナルシシズムから解放されれば、人を憎んだり、責めたり、うらんだりしないで、いつも生きていかれる。もう人の言動に過敏に反応して苦しむこともない。――加藤諦三
目次
- はじめに――今、ここに気づけば、あらゆる悩みが解決する
- 1 なぜ、あの人は些細なことで、すぐ「不機嫌」になるのか
- ――心のなかで何が起こっている?
- 2 「ナルシシスト」とは何か
- ――それは単なる「うぬぼれ」ではなく、もっと根深い問題
- 3 「無条件の愛」「思いどおりのパートナー」を求めて
- ――「幸せへの最短ルート」はどこにある?
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ナルシシズムの恐ろしさを知る
2019/03/01 09:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:宵待草 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ナルシシズム」や「ナルシシススト」ということばは、残念なことだがまだ日本の社会に十分認知されているとは言えない。最近の例で言うと、10歳になる自分の実の娘を長い間虐待した挙句、無残にも殺してしまった千葉県野田市の父親や、東名高速のパーキングエリアで車の止め方を注意されて逆切れし、高速道路を追いかけて散々あおり運転で脅した挙句、一家の両親を死なせることになってしまった男・・・このどちらもほぼ間違いなく「ナルシシススト」と推測される、と聞いたらおどろくであろうか。加藤諦三氏は「非行少年の信じられないような残虐な行為が話題になるときに、なぜか日本では『ナルシシストの攻撃的反応』として理解されない」と嘆く。ナルシシストは「究極のジコチュー」なのである。よほどの注意と警戒が必要ということになる。
加藤氏は社会心理学者という肩書を名乗っているようであるが、「ナルシシズム」や「ナルシシススト」の正体とその恐ろしさを彼ほどリアルに語ってくれる人を私は知らない。ラジオで「テレフォン人生相談」を40年以上も続けておられるという方だから、恐らくそういう経験を通して、日本の社会にいつの間にか蔓延している(この事実を知らない人が多い)恐ろしい「ナルシシススト」問題に加藤氏は心を痛めるようになったのではないだろうか。
本書から少し拾ってみよう。
[ナルシシストとは・・]
・「いつも気むずかしく、傷つきやすくてキレやすい。慢性的に不愉快で、生きることがつらい人」
・「人との心のふれ合いがない。表面的にはうぬぼれているが、心の底には孤独と恐怖しかない」
・「敵意がある、攻撃性がある、要求が多い。こういう人にはナルシシストが多い。具体的には欲求不満な人、妬みのある人、劣等感が深刻な人、優越感がすごい人、恥ずかしがりやの人、素直でない人などもそうである」
・「ところが予想に反してこういう人は、会社その他の場所では愛想のよい、まじめ人間であったりする」
・「ナルシシストは自分の話ばかりを延々とするが、人の話を聞けない。
[問題点]
・「家庭内暴力ばかりでなく、最近の青少年の犯罪には人を生き埋めにするなど恐ろしいものがある。傷ついたナルシシズムの恐ろしさである」
・「そうした意味で、ナルシシズムの理解こそが人類最後の課題かもしれない。ことに心の支えを失った日本の社会の場合にはそうである」
[なぜナルシシストが生まれるのか?]
・「人は心理的に成長するためには、小さいころに積極的関心をもたれることが必要である。しかしナルシシストは親から積極的関心をもたれたことがない」
・「小さいころの母親と子どもとの関係は、全人格的関係である。ナルシシストはその全人格的関係の体験がない」
[解決への道はあるのか?]
・「ナルシシストの最大の問題は、自分がナルシシストとは思っていないことである。そしてナルシシズムを指摘されれば「私はナルシシストではない」と言い張る」
・「自分のなかのナルシシズムを認め、自分を肯定すれば、おのずと生きる道は見えてくるはずである」
・「ナルシシズムの理解なくして人間理解はあり得ない。ナルシシズムの理解なくして現代の世界の理解はあり得ない」
ご自分の家庭や職場で意識を高めて周囲を見回してみよう。ナルシシストの幼虫や立派な成虫がうようよと見つかるかもしれない。普段は隠れ蓑で身を隠しているナルシシストたちが正体を現すのは、対人関係でトラブルを起こす時なのである。一度ナルシシストの恐ろしさを体験した人は、加藤氏のこの書のリアルさを身をもって理解できると思う。