夢十夜 他二篇
著者 夏目漱石著
長篇の合い間をぬうようにして書かれた小品とよばれる一群の短篇がある.小品とはいうが,しかしその存在は大きく,戦後の新しい漱石論は『夢十夜』の読み直しからはじまったと言って...
夢十夜 他二篇
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商品説明
長篇の合い間をぬうようにして書かれた小品とよばれる一群の短篇がある.小品とはいうが,しかしその存在は大きく,戦後の新しい漱石論は『夢十夜』の読み直しからはじまったと言っても過言ではあるまい.ここには荒涼たる孤独に生きた作家漱石の最暗部が濃密に形象化されている.『文鳥』『永日小品』を併収. (解説 阿部 昭)
目次
- 目 次
- 夢 十 夜
- 文 鳥
- 永日小品
- 元日/蛇/泥棒/柿/火鉢/下宿/過去の匂い/猫の墓/暖かい夢/印象/人間/山鳥/モナリサ/火事/霧/懸物/紀元節/儲口/行列/昔/声/金/心/変化/クレイグ先生
- 解 説 阿 部 昭
- 注 解 古 川 久(編)
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漱石的アナザワールド
2002/06/26 00:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カズイ・ヤナギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「こんな夢をみた」…。
10篇の夢をモチーフにした掌編。
夏目漱石だから、とか純文学だから、とかそういう事は一切考えず、ただ雰囲気に酔う為の極上のお酒のような作品群である。
それぞれが不思議な、しかし肉感あるストーリィをもって読み手にせまる。
まったくの異世界的な話であるのにどこかこの世とつながっている感じがする、漱石の傑作だと思う。
特に文鳥。
2001/10/20 03:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とくに文鳥が心に響いた。漱石らしくたんたんと話が流れていく。短い文章で、しかも日記のような書き方でとくにお涙ちょうだいという書き方をしているわけではないのに、悲しくてしょうがない。昔飼っていた鳥と重ね合わせてしまうせいもあるだろうが。
佳い小品です
2015/08/26 10:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆず - この投稿者のレビュー一覧を見る
全く無駄のないすっきりとした文体で、小品(短編)なので、どこから読んでも面白い。
難しそう、と食わず嫌いの方、本当にもったいないです。
漱石の表現力が、随筆風の小品で光っていると思います。
こんな夢を見た
2023/06/05 23:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に読んだのは、高校の国語の授業で。
第一夜、クラスメートが100年後に会うから「百合」の花なのかと教師に訊ねた。
その感想も込みで、第一夜が一番好きです。
異色の傑作と、漱石の日常
2022/04/22 21:57
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hachiroeto - この投稿者のレビュー一覧を見る
自身の夢記録というスタイルも面白いし、描かれている内容の不気味さ、おどろおどろしさは、そのへんのホラー作家が束になってもかなわないものがあります。さすがは漱石です。
他に「文鳥」「永日小品」が収められていますが、「文鳥」がいいですね。佳品とはこういうものをいうのでしょう。淡々とした筆致の中に、なんともいえないおかしみと切なさがあります。内容もまた、鳥や金魚を買ったことのある人なら「あるある」ですが、それをこんなふうに表現できるのは、やはり漱石しかいないと思うのです。
「夢十夜」のオカルトで幻想的世界
2002/02/10 13:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAIRA - この投稿者のレビュー一覧を見る
「夢十夜」は、それぞれ「こんな夢を見た」という書き出しで綴られた全10章の物語である。それぞれ共通点のない物語たちだが、すべて不思議でちょっと怖いような印象を持つ。
私が一番好きなのは、「私が死んだら埋めて下さい。百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」と言って死んだ女の墓石をただずっと眺めて、日が落ちる数を数えて待っている男の話である、第一夜。文章や設定が美しく、幻想的な世界が広がっている。
著者が夏目漱石だからといって難く考える必要はない。気軽に読むことが出来る1冊であると思う。