- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2017/01/26
- 出版社: 岩波書店
- レーベル: 岩波科学ライブラリー
- ISBN:978-4-00-029629-8
電子書籍
ジュゴンの上手なつかまえ方-海の歌姫を追いかけて
著者 市川光太郎著
南の海で「ピヨピヨピーヨ」と聞こえたら,それはジュゴンの鳴き声かもしれない.巨体からは想像できない美しい「歌声」に魅せられた若き研究者は,野生のジュゴンを追いかけて世界の...
ジュゴンの上手なつかまえ方-海の歌姫を追いかけて
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
ジュゴンの上手なつかまえ方 海の歌姫を追いかけて (岩波科学ライブラリー)
商品説明
南の海で「ピヨピヨピーヨ」と聞こえたら,それはジュゴンの鳴き声かもしれない.巨体からは想像できない美しい「歌声」に魅せられた若き研究者は,野生のジュゴンを追いかけて世界の海へ.仲間たちと一緒に,録音する,分析する,観察する,飛び乗って……つかまえる? 科学と冒険が,誰も知らなかったジュゴンの姿を明らかにする!
目次
- 目 次
- 1 人魚のハナウタ!?
- 歌うジュゴンに魅せられて/ジュゴンはどこにいる?/大好物は海のサラダ「海草」/ジュゴンの天敵/ジュゴンと人間のつきあい──アダムとイブとジュゴン/最北の分布地・沖縄──夫と妻は別居中!?/嘉陽のお父さんジュゴン/古宇利島のお母さんジュゴン/世界のジュゴン生息状況/私のジュゴン研究
- 2 鳴き声を聴きに行く!──タイ編
- 海の中は音の世界/音を使って動物を調べる/たった一人の「鳴き声」研究が始まった/人魚は「ピヨピヨピーヨ」と鳴いていた/水中音録音機の名作AUSOMSの誕生/夜明けのコーラス/ 「鳴き声」は挨拶だった!/幼いジュゴンの鳴き声/挨拶を無視するジュゴンもいる/ムラムラするときに鳴いていた!/一世一代のギャンブル! エサを食べる音を録れ!/さらばタリボン島、ありがとうタリボン島
- 3 ジュゴンに飛び乗る!──オーストラリア編
- バイオロギングがしたい/オーストラリアへ武者修行/天国か? 右も左もジュゴンだらけ/ジュゴンに飛び乗る「ロデオ法」/ジュゴンの健康診断/ウンチが口に入ることもある/若きイケメンとのチーム研究/留学を終えて
- 4 修行を終えて、アフリカへ!──スーダン編
- スーダンでジュゴンの調査をすること/砂漠の中のドンゴナーブ村/掘っ立て小屋での共同生活/本当にジュゴンはいるのか/ゴムボートをつかまえよ!/捕獲成功!/機材回収にまつわる漁師の経験と研究者の知識/ジュゴンの混獲、そして「味」/人間とジュゴン、それぞれの暮らし/スーダンで得たもの、与えたもの
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
「えっ、つかまえちゃうの?」。タイトルを見て一瞬そう思う。
2015/03/20 21:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は特に「保護」に関するものではない。まだ数が少ないジュゴンの鳴き声の研究者として、著者が行ったフィールド調査の話である。鳴き声の研究の本ではあるが、世界各地のジュゴン生息域での様子を紹介する本にもなっているようだ。しかし、保護するにしてもまずは良く知ることが必要なのだ。そのためには「捕獲する」ことも時には避けられない。
フィールド研究者の体験談としてはとてもリアル。タイトルになった「ジュゴンの上手なつかまえ方」というのも、相手は体重数百キロ、機械力を使わないかなり豪快なつかまえ方は迫力のある力技である。「決して真似しないでください」という文章も、笑えるけれども必要な部分だ。明快な文章なのでジュゴンの基本情報から著者の専門の鳴き声データの解析、調査現地の状況など、内容豊富だが一気に読めてしまった。
間違って漁網にからみ、死亡した個体を買って食べた、という話が載っている。ここでも「え?食べちゃうの?」と最初は驚いたのだが、現地は砂漠で大型動物が得にくい地域。昔から大事な栄養源として利用していたということなのだ。骨と皮も買い上げて標本にし、大学に寄付して一般公開してもらっている、というのが著者たちなりの一つの解決方法だったのだろう。ちなみに「味はそれほどでもなかった」らしいが、そういう情報も大事なのかもしれない。
イラストに出てくる「人間のような」生き物(表紙ではマイクを持ち足ひれをつけているから著者なのかも)が、妙に変な印象を残すのが残念な困惑。