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  • 販売開始日: 2017/01/24
  • 出版社: 東京創元社
  • レーベル: 創元推理文庫
  • ISBN:978-4-488-41501-3
一般書

バイバイ、エンジェル

著者 笠井潔

ピレネーの旧家デュ・ラブナン家のイヴォンは、スペイン戦争の際レジスタンスに参加し、失踪する。同家の小作人、ジョゼフ・ラルースはイヴォンと行動を共にするが、単独で帰国後、イ...

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バイバイ、エンジェル

税込 754 円 6pt

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商品説明

ピレネーの旧家デュ・ラブナン家のイヴォンは、スペイン戦争の際レジスタンスに参加し、失踪する。同家の小作人、ジョゼフ・ラルースはイヴォンと行動を共にするが、単独で帰国後、イヴォンから山を贈与されたと主張し、そこに鉱脈が発見されたため裕福となった。二十年後、死んだはずのイヴォンから手紙が届き、裁きが行なわれるだろうと無気味な予告をしてくる。それが現実となって、ジョゼフの次女オデットの首を切り取られた惨殺死体が発見される……。司法警察のモガール警視の娘ナディアと不思議な日本人青年矢吹駆は真相究明を競い合う。日本の推理文壇に新しい一ページを書き加えた笠井潔の華麗なるデビュー長編。

目次

  • 第一章 ヴィクトル・ユゴー街の首なし屍体
  • 第二章 モンマルトル街の屋根裏部屋
  • 第三章 リュクサンブール公園の霧
  • 第四章 ラマルク街の真相
  • 第五章 ボワ・ドゥ・ブローニュの屍体
  • 第六章 サン・ジャック街の悪霊たち
  • 終章 ピレネーからの手紙
  • 解説=始まりの赤い印/巽昌章

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みんなのレビュー(86件)

みんなの評価4.0

評価内訳

駆という青年が放つ闇

2003/06/28 19:40

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 駆とナディアのシリーズ第1弾。
私はオディプス症候群から読み始めた にわかフアンなのですが、シリーズものと言っても一つの事件に対して一つの物語を形成しているので、勿論どの巻からでも楽しめます。私は駆という多くの謎をもつ この青年の哲学的思考と言葉がとても好きで 推理モノというより 読み物として純粋に楽しんでいます。

 このシリーズは 事件の伏線が少なく、犯人当てを楽しむという読み方はお勧めできませんが、哲学が好き 心理学が好きという方に是非読んでもらいたい作品群です。駆という青年が放つ 闇…彼の目で見た世界にもっと触れてみたい という気分にさせてくれます。

 また予想もつかない展開と こちらの推理をことごとく裏切ってくれる ストーリーは読者を決して飽きさせません。

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何やら小難しいけれど面白いミステリー

2008/11/13 01:04

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:homamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る

パリのどんより冷たい灰色の冬のさなかに起こる殺人事件で、協調される「赤」色が、くっきりと印象に残る。

<帰国は近い。裁きは行われるだろう。心せよ I>

20年も前にスペインでレジスタンスに参加して行方不明となった男からの手紙が、届いた。
そして首なし死体から始まる連続殺人事件。

不気味な手紙、現場に残る小さな謎たち、登場人物たち同士の旧い因縁と現在の関係、不可解な行動。様々な人物による幾通りもの推理。
うっとりするようなミステリーの材料だ。

食前酒「アプリチフ」
不在証明「アリビ」
簡単な生活「ラ・ヴィ・サンプル」

とか、ところどころにフランス語のルビがふられているのが異国情緒を高める。

犯人探しだけでなく、正体を伏せていた人物の過去や、20年前の事件の真相も明らかになったり、と、盛り沢山で嬉しい。

また、こうした推理小説としての愉しみ以外に、この作品には、現象学を学ぶ風変わりな探偵役の青年、矢吹駆と、その哲学が出てくる。
この作品は、連合赤軍事件によって体現されたテロリズムの意味を読み解くために書かれたとか。
「テロルの現象学」という同著者の評論で書かれたことが、ミステリーで表現されているようだ。

まず、現象学とは。
事件に対する論理的な説明ができたとしても、それが正解とは限らない。
論理的な説明は、何通りもできる。
その中から正しい答えを選ぶのは、人間の本質的直感を使えばよい、という。

本質的直感とは、人間が無自覚に日常的に働かせている、対象を認識するための機構。
例えば、円周率なんて知らなくても、「円」と「円じゃないもの」を判別できるのは、判別のための基準 = 「円の本質」をみんな知っているから。
これを、どう殺人事件の推理に当てはめるか?というあたりは、ちょっと無理やりっぽいのだが、「へぇ~」と思う新しさがある。

そして、この作品の殺人事件は、「観念による殺人」であった。
殺人には2つのタイプがあり、金や嫉妬や地位保全などの物質的欲望の充足と、個体の死を延ばそうとする自己保存本能によるもの。よくあるのはこちら。
もう1つが、観念による殺人。
人間よりもっと高い価値のために、神や、正義や、倫理のための殺人。
たとえば、「他の生物を無用に殺さない」という宗教の教えが浸透している男が、たかだか40億の人類のために、その万倍、億倍の生命が失われる事を知り、人類を滅ぼそうとする。これが観念の殺人。
それは善なのか?悪なのか?

最後に行われる、観念の殺人を行った犯人と、駆の、思想の対決。
駆は、犯人の思想に非常に共感はするものの、でも最後のところでそれは間違っている、と反駁する。そのコトバこそが、著者がこの本であらわしたかった思想なのだと思う。
暗く冷たく、でも最後には人を信じようとする、ユニークな思想を持つ駆。彼にまた会いたいという読後感で終わる。
本作はシリーズ第一作らしく、つづきがあるようなので、あとの楽しみができた。

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パリのにっぽんおとこ

2007/05/03 21:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る

 推理小説としてはふつうに面白い。ちょっと強引だけど。そして現象学探偵、矢吹駆のキャラクターも面白い。しかしその論理を説明する演説が長すぎるし、あまり「現象学」とも思えない。
 もしこの小説の設定を東京に移して、謎の中国人風水探偵を主人公にしてもまったく同じ読後感を残す小説が成立してしまうように思える。推理小説は論理が勝負とはいえ、論理以外の部分全部が入れ替え可能の部品のように読めてしまうのがデフォルトではないだろう。
 キャラは立っているが実は置換とかコピペしやすく、物語は重厚に見えて、サクサク動くOSのようなのだ。
 執筆当時の著者自身の「革命と一般人の幸福の矛盾」という政治的・哲学的な課題の反映は真摯なものだっただろう。しかし、この作品はその課題とは別のところで、(それがプロの作家のテクニックの産物というものかもしれないが)、現代の西尾維新(「ぼくと君の壊れた世界」)や大場つぐみ「デスノート」などのライトノベル・マンガの世界の原型になる構造のようなものを執筆時の1979年に作り出しているということに注目すべきだ。
 でも正直面白かったし、色々考えさせられました。多分続編も読むと思います。

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10年くらい前に

2019/09/20 20:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

10年くらい前に途中まで読んで挫折した本に再チャレンジ。
今回は最後まで読むことが出来た。
哲学談義は正直ちんぷんかんぷんだけど「何故首が持ち去られたのか」の謎解きが鮮やかで面白かった。

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哲学探偵パリを駆ける

2013/09/25 12:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:atsu - この投稿者のレビュー一覧を見る

本シリーズ探偵、矢吹駆がその推理の材料に用いるのは、哲学的思考。虫眼鏡片手に現場を這い回ることも、遺留品を丹念に吟味することもない。哲学と関係者とのわずかな会話から、犯人を突き止めてみせる。究極の安楽椅子探偵の誕生である。
難しい哲学講義がページの結構な割合を占めるが、テーマは明快だ。
「犯人はなぜ被害者の首を切りとり、持ち去ったのか?」
哲学を纏い、既存の本格ミステリを切り伏せるかのような作風だが、この回答は非常に本格ミステリ的で、白眉なものだ。そこに至る矢吹の推理もロジカルで本格ファンを必ず満足させるものだと信じる。
関係者たちの過去が関わる人間関係は複雑だが、我慢して(?)読み進めていただきたい。「首なし死体」という古典的なミステリテーマの傑作をまたひとつ読めることは喜びだ。

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初心者にはお勧め出来ません。

2002/12/16 13:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

フランスで連続殺人事件が起こった。警視の娘・ナディアは、現象学を駆使する日本人学生・矢吹駆とともに事件を追う。シリーズ第一弾。
 現象学から謎解きをしていくので、少々ややこしい。シャーロック・ホームズのように、知らないうちに謎を解いてしまっている。探偵と一緒に謎解きを楽しむという雰囲気ではない。矢吹駆が明るいキャラクターではないというのも、その原因の一つだ。
本格推理小説初心者には、お勧めできない。だが、それなりに本格物に馴染んでいる人なら、楽しめるだろう。

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しんどいわ・・・

2020/09/17 17:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

連続殺人事件がありますが、推理小説的盛り上がりも見せず。
ただ中二病全開の日本人が「僕は最初から犯人がわかってました!」と
正解を説明するだけです。
あとは作者の思想を延々垂れ流すだけ・・・。正直読んでるのがしんどかった。

あとは、あなたが読んで判断してね。

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編集部コメント

2003/06/09 17:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東京創元社編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る

アパルトマンの一室で、外出用の服を身に着け、血の池の中央にうつぶせに横たわっていた女の死体には、あるべき場所に首がなかった!ラルース家を巡り連続して起こる殺人事件。警視モガールの娘ナディアは、現象学を駆使する奇妙な日本人矢吹駆とともに事件の謎を追う。日本の推理文壇に新しい一頁を書き加えた笠井潔のデビュー長編。

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2004/09/24 04:20

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2004/10/06 14:40

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2004/10/16 18:53

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2004/11/07 00:57

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2004/11/22 06:24

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2005/02/19 11:19

投稿元:ブクログ

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2005/09/11 01:49

投稿元:ブクログ

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