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サイコパスとの共存はできるのかという思考実験的な小説なのかな。
現実的にも排除と人権との対立の構図になるだろうが、身近になるに従って、理性より感情が勝っちゃうよね。どうしても。
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うーん。テーマがテーマなだけに期待度が高すぎたのか、正直残念な感じ。
スクールカウンセラーの千早の元に通う殺人衝動を抱える少年。千早の住む町に複数の女子高生を強姦し、連続一家監禁事件を起こし、刑期を終え暮らしている青年。また、その青年は千早が学生の頃に教育実習で教わっていた。等々、面白そうなネタがてんこ盛りなわりに、なんだか尻つぼみというか、そもそも盛り上がりもなかったような・・・。
せっかくの具材を活かしきれていないような印象でした。
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カウンセラーって患者全員を受け入れようとするものなのかね?
キライな人とは付き合えない私には、ちょっと理解しづらいけど。
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「誰でもいい、人を殺してみたい」というこらえきれないほどの衝動を抱えてスクールカウンセラー奥貫千早の元を訪れた高校1年生の秋成。同じ頃、千早の住む町には、連続一家監禁事件を起こし懲役15年の刑期を終えた入壱が暮らしていることが分かった。
殺人衝動を抱える少年、犯罪加害者、地域住民、果たして人は他者をどこまで受け入れることができるのか。。。
心身に異常をきたしてもいず、殺すことを悪いことと知りながら平気でそれを行うような、絶対悪というものが存在するなら、社会は、人間は、その理解することさえ「無理」な存在をどう受け入れていけばいいのか。
心理学的、精神医学的な言葉のやり取りが随所に出てきて、難しいながらも、わが身に引き寄せて考えてしまう作品だった。
主人公千早の理想的すぎる主張をどうしても受け入れ難く、最後まで彼女には感情移入できなかった。
ただ、読み応えはあり、読み終わった今でも、心の中に石を投げ入れられたように重い何かを抱えているような気持ち。
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連続レイプ犯が刑期を終えて近所に転居してきたら、どうするか?
生まれつき殺人傾向を持つ人間は周囲とどう折り合いを付けるのか?
著者がいう「包摂」は妥協なのか、試練なのか。
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小中高一貫校でスクールカウンセラーとして働く奥貫千早。
千早のもとに現れた殺人衝動を抱える高校生・野津秋成。
一方、千早の住む町には、複数の女子高生に強姦のうえ残虐な暴行を加え、15年刑期を終えて出所してきた入壱要が。
人は、どこまで「他人」を受け入れられるのか、また受け入れなければならないのか?
私は、できるなら遠ざかっていたい。
性犯罪者の近くになんて住みたくないし、家族にも住ませたくないし、近寄らせたくもない。
もし、息子が殺人衝動を抱えていたりしたら・・・。
考えたくないけど、隔離された空間で、息子に殺されてあげて、息子はそのまま餓死・・・とかね。
包摂とか、わかるけど・・・誰も責任取れないじゃんって思うし。
殺人衝動も性犯罪も、病気なんだから、絶対的に安全とか、誰も保証できないんだから・・・無理だよぅ。。。
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なんともいえず、いろいろなことを考えさせられてしまうミステリ。犯罪者の更生、というのはよくあるテーマではあるのだけれど。それ以前に、もともとの「性質」がある場合いったいどうすればいいのか、というのはとんでもなく難しい問題だなあ、と悩まされます。
この作中に登場する、殺人犯でこそないもののとてつもなく残忍な犯行を行った人物と。一方で充分に理性的であるにもかかわらず、殺人衝動を抱える人物と。いったいどちらが社会にとっての「危険」であるのか。もちろんどちらも「異分子」とされてしまうのだろうけれど。自覚があるだけに、そういった衝動を止められない彼らは悲劇的に思えます。いったいどうすれば救われるのか。
そして主人公の抱える問題もまた……うわあ、そういうことだったのか。
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いろいろと思うところはあるのだけど、このいろいろ思わせることに意味があるのかも。
常識では考えられないような凄惨な事件を起こした者と、これから罪を犯しそうな者。社会の中で彼らと共に生きていくことはできるのか、もしくは共に生きていくべきなのか。
人が人に対して「理解できない」ときに恐怖を感じる。純粋に「人を殺したい」というだけの衝動は、その最たるものだろう。まっすぐな道の向こうから誰かが歩いてきたらきっと恐怖で顔が引きつる。
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スクールカウンセラーとして働く奥貫千早は、高等部1年生の野津秋成に殺人衝動を打ち明けられ、そして学園で起こった山羊殺しについても自分がやったと打ち明けられ、戸惑う。彼が言っていることはどこまで本当なのか?そして同時期、千早の夫でラジオの仕事をしている夫から、千早の住む町に、複数の女子高生を惨い方法で殺して懲役15年の刑に服して出所した男・入壱要が住んでいると聞かされる。
絶対悪というものは無く、排除ではなく共生・包摂が大事だと信念をもつ千早だが、入壱や野津、かつての師や夫の言動に翻弄され、自問自答を繰り返す。ミステリーの部分はあるけれど、問題提起や精神論的な話がかなり多め。千早の考えはやっぱり理想論ではないかと思ってしまうなぁ。
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純粋な殺人衝動。それを受け入れることは出来るのか?受け入れるとはどんなことなのか。私立の一貫校の高等部でスクールカウンセラーを勤める奥貫千早は、ある一人の生徒と出会う。その頃学園で育てていた山羊が傷つけられる事件が起きていた。彼は、山羊を害したのは自分であり、人を殺したいと思っていると千早に告げた。
非常にしんどい読書体験だった。上手に主人公に没入させられてしまったので住民たちの憤りが怖かったし、腹立たしかった。一歩踏み違えた途端に異端になってしまう恐怖。悲しみ。それはよく分かるのだけど、受け入れたいと思う主人公の衝動をどうしても理解したいと思えなくて、相反する気持ちが辛かった。なかなか強烈だったなあ。
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スクールカウンセラー千早のところに少年が相談にやってくる。「僕は人を殺してみたい」。その少年秋成と千早、同じ町に暮らす入壱という前科者の男。いろいろな人が共存していけるのか、という話。とても引き込まれて読んだが、最後は何を言いたいのかよくわからなかった。
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第20回大藪春彦賞受賞作品。
スクールカウンセラーの千早のもとに、高校生の野津が相談に来て、「人を殺さずにはいられそうもない」と打ち明ける。また、同じ街に「関東連続一家監禁事件」を引き起こした入壱が出所し、住んでいるとの噂が。被害者の叔父・白石は、千早の夫・紀文がパーソナリティを務めるラジオの生番組で入壱の現住所を話してしまい・・・
人はどこまで人を許せるのか。夫婦、子供、友人・・・理解をすることができれば、考え方が相容れなくても共存が可能なのか。その考え方が、あまりに自ら考える”常識”とかけ離れていたら・・・
考えさせられる一冊だった。
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スクールカウンセラーの千早を訪ねてきた少年は、人を殺したいと思っていると告白した。
千早の住む街に、刑期を終えた凶悪犯が暮らしているという噂が広まる。
他人を受け入れるということについて、しみじみ考えさせられる話でした。
私は凡人の一般市民なので、入壱が同じ街に住んでいたら、やっぱり嫌だなと思ってしまうし、まだ犯罪を犯してはいなくても、その恐れのある人に対して心を許すことは出来ないなと思います。
千早だっだから、排除ではなく包摂を考えたということにしっくりきました。
興味深いテーマで、出会えて良かった。
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決して嫌いな文体ではないが、全体的に言葉遊びをしているように感じて何を語りたいのかよくわからなかった。結局千早が一番特異な人間に感じた。
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スクールカウンセラーの奥貫千早.高1の野津秋成から殺人願望を聞き困惑する. 彼らの町に入壱要が住んでいるとの噂が広まる.彼は3件の事件を起こしたが,刑期を終えている.千早の夫 紀文はラジオ番組のパーソナリティをしているが,彼の番組で入壱に被害関係者の白石重三が入壱の住所を暴露.同時に秋成も学校に来なくなる.彼女は恩師の寺兼英輔を訪れて議論をする.精神疾患者の取り扱いをどうするかという複雑な問題に取り組んだ著作だが,一筋縄ではいかないで問題だ.学園祭で入壱が事件を起こすが,それを仕組んだ生徒をあぶりだす過程が楽しめた.千早と寺兼との議論も読みごたえがあった.