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朝目が覚めると
今日は外がひどくふくらんでいるようだった
外が家のなかに侵入してくる
5歳で父親を亡くしたつげ義春。
「がまんしてくれよな タクワンしかないんだよ」
すざましい貧しさで、さらには母親の再婚相手が作中では
本当に酷い人で、
とても不幸な環境で育ったのだなと感じました。
さらにひどい赤面恐怖症だったつげ義春は、
小学6年生の時、運動会で多くの観客の前で走るのを恐れ
足の裏をカミソリで切ったそうです。
今の時代なら、
きっと心の病気だ、と病院にいけたのでしょうけど、
小学校卒業後メッキ工場で働き、
ろくなものも食えず、
おまけに外は空襲が頻繁に起こるような環境では、
そんなことで落ち込んだりする時間も
絶対なかったのでしょう。とおもいます。
大人になったが漫画は売れず、恋人に浮気され、
自殺未遂、
そんなつげ義春の、
自分の生い立ちを書いたこの本!
短編集です。
ぱっと買ったのですけれどすごい本でした。
ゆとりな私には、本当に信じられない事実が!
しかも当時サンデーとかで掲載してたそうです。
サンデーすごいな!
いまや美術史の時間にも名前の出てくる、
コミック「ガロ」
つげ義春がよくまんがを描いていたガロ!
商業性より作品を重視するという姿勢を徹底したガロは、
1980年代、社員もまともな生活ができなかったそうです。
しかしガロに憧れ作品を投稿するコアなファンが多く、
副業みたいなことをしながら細々雑誌を支えてたとか・・・
あまり詳しくない私ですら、
今の少年誌とは違う!と思います。
だって今の漫画は、巻数がどれもこれもすごすぎる!
ガロが育てたみんなは、たくさん世に作品をのこしているのですね。
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評価できない。。。
ねじ式から入ろう、と思っていたのに
タイトルと値段にひかれて購入。
外のふくらみが、すごくこわい。
思い出すだけでもこわい。
これって変人の発想のようにみえて
みんなが一度は夢で見たことがあると思った。
このこわさ、多分、しばらく忘れられない。
こんなにこわいものをサラサラ(苦労しているんだろうけれど)
書けてしまうなんて、やっぱりすごい人なんだ、と思うぐらいしか出来ない。
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ひとつ前に読んだ『無能の人・日の戯れ』より好き。
たぶん、“夢”(寝て見る方)を感じさせる短編が、
いくつか収録されているからだと思う。
あまりに現実過ぎる話より、
地に足が付いていないこれらの話に惹かれる。
だけど、どの話も、基本的に夢なんだか現実なんだか・・
という曖昧さはあるんですがね。
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朝目が覚めると
今日は外がひどくふくらんでいるようだった
外が家のなかに侵入してくる
5歳で父親を亡くしたつげ義春。
「がまんしてくれよな タクワンしかないんだよ」
すざましい貧しさで、さらには母親の再婚相手が作中では
本当に酷い人で、
とても不幸な環境で育ったのだなと感じました。
さらにひどい赤面恐怖症だったつげ義春は、
小学6年生の時、運動会で多くの観客の前で走るのを恐れ
足の裏をカミソリで切ったそうです。
今の時代なら、
きっと心の病気だ、と病院にいけたのでしょうけど、
小学校卒業後メッキ工場で働き、
ろくなものも食えず、
おまけに外は空襲が頻繁に起こるような環境では、
そんなことで落ち込んだりする時間も
絶対なかったのでしょう。とおもいます。
大人になったが漫画は売れず、恋人に浮気され、
自殺未遂、
そんなつげ義春の、
自分の生い立ちを書いたこの本!
短編集です。
ぱっと買ったのですけれどすごい本でした。
ゆとりな私には、本当に信じられない事実が!
しかも当時サンデーとかで掲載してたそうです。
サンデーすごいな!
いまや美術史の時間にも名前の出てくる、
コミック「ガロ」
つげ義春がよくまんがを描いていたガロ!
商業性より作品を重視するという姿勢を徹底したガロは、
1980年代、社員もまともな生活ができなかったそうです。
しかしガロに憧れ作品を投稿するコアなファンが多く、
副業みたいなことをしながら細々雑誌を支えてたとか・・・
あまり詳しくない私ですら、
今の少年誌とは違う!と思います。
だって今の漫画は、巻数がどれもこれもすごすぎる!
壮大な夢を目標に仲間とがんばる、血のバトル、仲間との友情。。。
そんなものはもう飽き飽きなんだー!!!!!!!
(でも普通によんだら面白いんですよね><)
ガロが育てたみんなは、たくさん世に作品をのこしているのですね。
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「マンガは哲学する」からの、つげ作品。普段マンガは読まない。正直、そんなに感動したりはしないし何かを得られるわけではない。でもなんとなく好きかも。本を食事、マンガをおやつとするなら、つげ作品は和菓子よりももっと地味なふかし芋とか硬いせんべいとか、そんな感じです、私にとっては。
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名前だけは昔から知っているものの、なんとなく敬遠していたが、もっと早く読めばよかった。なんとも言えない画風で、一見すると下手なんだけどそこがまた魅力的。物語も切なくて、どこかエロくて、人の思い出をこっそりと覗いているような感覚。太宰が漫画を描いたらもしかしてこんな感じだろうか。
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どの作品も主人公が漫画家でして、そうなるとどうしてもつげ氏本人の自伝的内容?? と思ってしまいがちですけれども、解説を読むとそう思ってしまう読者っつーのはアレなんですな、純情ということなんですなぁ… ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
でもまあ、つげ氏の作品ってあまりフィクションめいた終わり方…たとえば明快なオチをつけるとかそういうことがあんまりないのでやっぱりこれはつげ氏本人に大分近い作品群なんじゃないか…と思ってしまうんですけれどもまあ、それはどうでもよいことで、今回の作品集もやはり傑作なんだと思いました…!
繰り返し読むことで当作品の価値が分かってくるのかもしれません…! 主人公の陰鬱な気持ちが淡々と綴られていく描写が多いので読むと若干凹むかも分かりませんが…面白いですよ!
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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「別離」が胸に苦しく刺さる。
【目次】
蟹(1970年1月)
夢の散歩(1972年4月)
夏の思いで(1972年9月)
下宿の頃(1973年1月)
事件(1974年4月)
義男の青春(1974年11月)
夜が掴む(1976年9月)
コマツ岬の生活(1978年6月)
外のふくらみ(1979年5月)
必殺するめ固め(1979年7月)
窓の手(1980年3月)
やもり(1986年9月)
海へ(1987年3月)
別離(1987年6月、9月)
解説 近藤ようこ
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つげ義春ってまだ生きてたんだ。
水木しげるや手塚治虫や、やなせたかしと同年代だと思ってた。彼等よりはちょっと年下なんだ。
読んでみて、なるほどこれはわからんわ…と思った。あんまり読みたいとも思わなかったから、「別離」だけ読んだ。
表現せずにいられない何かを持ってはいたんだろうな。それが何かはよくわからないけど。とにかく鬱屈としている。内向的な人だったんだろうなぁ。良くも悪くも。
つげ義春と検索すると、鬱になる漫画だとか、後味が悪いとか、そんなページが一ページ目から出てくる(笑)。
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「義男の青春・別離」つげ義春著、新潮文庫、1998.08.01
406p ¥620 C0179 (2018.08.26読了)(2006.09.27購入)(2000.10.15/7刷)
【目次】
蟹(1970年1月)
夢の散歩(1972年4月)
夏の思いで(1972年9月)
下宿の頃(1973年1月)
事件(1974年4月)
義男の青春(1974年11月)
夜が掴む(1976年9月)
コマツ岬の生活(1978年6月)
外のふくらみ(1979年5月)
必殺するめ固め(1979年7月)
窓の手(1980年3月)
やもり(1986年9月)
海へ(1987年3月)
別離(1987年6月、9月)
解説 近藤ようこ
☆関連図書(既読)
「ねじ式」つげ義春著、小学館文庫、1976.04.20
「紅い花」つげ義春著、小学館文庫、1976.04.20
「義男の青春」つげ義春著、講談社漫画文庫、1976.06.01
「懐かしいひと」つげ義春著、サラ文庫、1976.06.30
「おばけ煙突」つげ義春著、サラ文庫、1976.08.15
「四つの犯罪」つげ義春著、サラ文庫、1976.08.30
「一刀両断」つげ義春著、講談社漫画文庫、1976.10.28
「腹話術師」つげ義春著、講談社漫画文庫、1976.12.24
内容紹介(amazon)
真綿で首を締められるような毎日だった。一家七人の経済的支柱として、駄菓子にひとしい貸本漫画を描き続ける責苦。芸術的な漫画を志し焦燥する「義男の青春」。浮気した恋人を恨み、ブロバリンを発作的に飲むが死に切れず、我が身のやりきれなさから滂沱の涙を零す、売れない漫画家の自己憐憫「別離」など14編収録。現実と夢、日常と狂気の領域を融通無碍に往還する、つげ漫画集第二弾。
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責苦 ブロバリンを発作的に飲むが死に切れず 滂沱の涙を零す 自己憐憫 ゆうずうむげ融通無碍に往還する 苔生した石仏を感慨深げに眺めたり 火の見櫓ひのみやぐら けれど李さんの説では蟹は下水道を通ってしばしば思わぬ所に現れるのは珍しいことではないという 京成の市川だから 錦糸町に越してくればよかったのに 立石 青砥あおと 湯河原温泉 坂口安吾 左ぎっちょ てこう手甲 この時ばかりは終電のない環状線がありがたかった 貸本 徹底的に作り込んだことによる外連味けれんみ 義父による折檻の種 大島への密航を企てる 自ら仕込んだ通俗を笑い飛ばす大人の理知が無ければ 悲惨な状況のなかで、回数にこだわってしまう滑稽。 作者の含羞が強靭な客観性を支えている
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f.2023/5/10
f.2012/8/14
f.2007/4/20
f.1998/8/14
p.1998/8/8
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救いようのない状況なのに、どこか飄々と、それを他人事のように、時にバカバカしいユーモアをも交えながら描く、これこそ、つげ義春ワールド。
絵の一種のしつこさも好きだ。
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やりきれない人生の中で無力感、脱力感を感じる一冊。悪夢や不安を描いた不条理作品も加わっている。あー、やるせない、苦しいと言いながら再読してしまう。自分の中の弱い部分が呼応してしまうのだろう。
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池袋・梟書茶房(本の表紙が隠されており、あらすじだけで本を選ぶ体験)で出会った本。梟書茶房、漫画もあるんですね!というのが最初の感想。
自分では選ぶことがないと思う本なので、この体験に感謝。
一昔前の生活、必死に生きなければならないけど楽しさもある生活を垣間見ることができた。