新版 きけ わだつみのこえ-日本戦没学生の手記
著者 日本戦没学生記念会編
酷薄な状況の中で,最後まで鋭敏な魂と明晰な知性を失うまいと努め,祖国と愛する者の未来を憂いながら死んでいった学徒兵たち.一九四九年の刊行以来,無数の読者の心をとらえ続けて...
新版 きけ わだつみのこえ-日本戦没学生の手記
商品説明
酷薄な状況の中で,最後まで鋭敏な魂と明晰な知性を失うまいと努め,祖国と愛する者の未来を憂いながら死んでいった学徒兵たち.一九四九年の刊行以来,無数の読者の心をとらえ続けてきた戦没学生たちの手記を,戦後五○年を機にあらためて原点に立ちかえって見直し,新しい世代に読みつがれていく決定版として刊行する.
目次
- 目 次
- 『新版 きけ わだつみのこえ』の読者へ……日本戦没学生記念会(わだつみ会)
- 凡 例
- 旧版序文
- 戦没学生の遺稿
- I 日中戦争期
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死者は黙して語る…
2000/07/12 23:43
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:学生(21) - この投稿者のレビュー一覧を見る
誤解を恐れずに述べるとすれば…
この書ほどある特定の読後感を期待される本もないのではないか
すなわち,時代や各個々人の悲劇を超えた「不戦・反戦・平和」という金科玉条のごときテーマであって,このような思想を後世の戦争を体験しない若年層に対して喧伝する使命を負わされていると見てよいであろう。すくなくとも,編者の方々はそう明言しておられるし,そのような意図を持って戦後このような形で編纂された事は間違いない。
それが良いか悪いかはともかく,結果として衆目に公表される事を意図せずに作成された多くの私信が,幅広く公表されるにいたったのである。それらは一つとして私の胸を打たないものはなかった,しかし,故人はセンチメンタルな哀れみの眼でもって,あまつさえヒロイックに自らの人生を綴られる事をどこまで自身で望んでいたのだろうか。手記の中には,後世の日本人に対する遺志のような形で記述されているものも多いが,全般的に個人のプライバシーへの配慮が十分になされたとは言い難い(また、戦後この書がたどった軌跡は複雑を極めた)。
冒頭のジャン・タルジューの詩がはからずも象徴しているように,死者は黙して語り, 生者は語りて黙す。彼我の違いはあまりに大きい。
彼らは国を愛していた。そしてそれよりも家族を、恋人を愛していた。戦争の理不尽さに涙してください。
2002/06/24 09:57
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:若月はるな - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後最大のロングセラーといわれる戦没学生の遺稿集。95年には、緒方直人らによって映画化もされている。評者は、この映画を観ている途中で、涙をこらえるのをやめた。
「だれがこんな戦争を始めたのか」「この戦争、まちがっている」。戦時中の学徒兵たちの心の悲鳴が、涙でにじむスクリーンに流れ続けた。
大学での夢も学究も、志半ばで召集され、戦う理由すら納得できないまま戦地に送られる。確実な死の不安の中にいながら、彼らの手記には国の行く末を驚くほど冷静に見つめる理性と、残してきた恋人や家族への愛情と感謝の思いが混在している。「俺の子どもは軍人にはしない」「私もまだ母チャンに甘えたかった」と、大人の始めた戦争に追いつめられていく二十代の若者たちの悲痛な叫び。
「死なねばならない」彼らがこの世に残せるものは、手紙しかなかったのか。
「ぼくたちに青春はなかった」と彼らは叫ぶ。では私は? 彼らの命を代償として得た平和の中で、青春の無駄づかいをしなかっただろうか。
第二次世界大戦末期に戦没した学徒兵の遺書を収めた貴重な書です!
2020/05/05 09:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、第二次世界大戦末期に戦没した日本の学徒兵の遺書を集めた遺稿集です。1947年(昭和22年)に東京大学協同組合出版部により編集されて出版された東京大学戦没学徒兵の手記集『はるかなる山河に』に続いて、1949年(昭和24年)10月20日に出版されたのが最初です。その後、多くの出版社から刊行されましたが、同書には、BC級戦犯として死刑に処された学徒兵の遺書も掲載されており、非常に興味深い内容となっています。編集顧問の主任は医師、そして戦没学徒の遺族である中村克郎氏をはじめ、残りの編集委員として渡辺一夫氏、真下信一氏、小田切秀雄氏、桜井恒次氏といった錚々たるメンバーが関わった貴重な一冊です。
日本人必読の書
2015/09/05 14:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には、対中15年戦争から第二次世界大戦において亡くなられ、また戦後に戦犯として処刑された方をも含む74名の戦没学生の手記、日記、手紙などを収録したものである。戦後70年を迎えた今、日本人として読んでおくべき貴重な本であると思う。ここには、若くして命を落とした方たちの悲痛な思いや肉親への愛情、志半ばで諦めなければならなかった学究への無念の思いなどが綴られている。ここには高等教育を受けた若者の手記だけが集められている。他にも一般の兵士の手記もあるのだろうが、寡聞により知らない。できればそういうものも読んでみたいと思った。
他人の日記読むのは趣味じゃないけど
2015/08/31 22:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しましま - この投稿者のレビュー一覧を見る
謂わずと知れた日本戦没学生の手記です。書いた本人もまさか自分の手記がこんなに長く見ず知らずの人たちに読み継がれるとは思わなかっただろうな。