紙の本
現代女性が置かれたリアルな日々
2016/10/26 16:28
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平良 進 - この投稿者のレビュー一覧を見る
類書はたくさんあるけれど、本書は精緻に10代以降、40代に至る女性の就労及び生き方のありようを調査して綴っている。著者自身も書いているように、著者自らが同じ立場にならないとも限らないという危機感を持って書かれていることから、どのページをめくっても説得力がある。ほんとは男性も違った意味で貧困男子が増えてはいるのだが、こちらの方はまだあまりインタビューが進んでいないせいか、同じ男性の高齢者すなわちホームレスの人々ほどは社会的に注目されていないことを感じた。私は同時期に、たまたま岩波ジュニア新書において『人を見捨てない国、スウェーデン』という本を読んだせいか、日本におけるセーフティネットの脆弱さに苛立ちを禁じ得ない。こうしたルポがもっとたくさん出るような国であったほしいというのが、出版大国といわれるこの国への期待としてある。
紙の本
この本の著者は、本当によく調査している
2023/06/01 14:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アラフォー、非正規、シングルの女性たち、いまだに日本では政治家までもが、というか政治家が先頭に立って「女が子供を生む機械だ」という認識に支配されている人が多い、この本の著者は、本当によく調査している、いい資料だ
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「ー」
貧困女性ではなく貧困女子。
本著は女性の貧困に焦点を当てた本。
学力の大切さがわかる。
『負け犬の遠吠え』を読まずに、同本の内容を批判するのはおかしいと思う。
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文章にしたという意味ではえらい!かもしれないが、
おおはばにずれている。
たとえば、「取材をもうしこんだら、交通費がないから近くに来てくれ」といわれた。
貧困女子でなくてもあたりまえ!
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確かに、貧困=男性イメージがある。
女性は、いままで「家事手伝い」というものがあったからだろう。
けれども、女性の方が貧困に陥りやすいというのは、なるほどと感じた。
今まで読んだ女性の貧困の本は、ドラマのような現実離れした感じのものだったが、この本は身近で、誰にでも貧困に陥ることがあるのだ、と感じさせられる本だった。
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読了。人がいるのに、活かせていないと感じた。政治がうまくコントロールすれば、より住みやすい社会になると思うのに、する人がいないのだろう。競争社会と言われて育った。負けた人のフォローは考えてなかったのだろう。結局、奴隷制と本質的に変わらない社会が根底にあるのだろうか?官製ワーキングプアも人の嫉妬が作ったものだと思うと怖いと感じた。人間らしい生活できる雇用を作ることが、大事と思う。ドラマの逃げ恥も同じテーマなんだと感じた。心に余裕があればみんなやさしくなれるのになぜできないのか?演劇で「モモ」を観た。同じテーマに感じる。
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一体、今の社会は、誰にとって生きやすい社会なのだろうか?"ダメ人間"のレッテル貼りをしてバッシングする人もまた、生きづらさを感じているように思われてならない。(p223)
最終的にタイトルを「貧困女子」としたのは、やはり"貧困にすらなれない女性たち"を可視化させることから始めなければならないと考えたからだ。それは同時に"空気のように漂う生きづらさ"を可視化させることであると思っている。満足な仕事もしていないくせに、まともに税金も払っていないくせに、結婚していないくせに、子どもがいないくせに……といった"空気のように漂う生きづらさ"と自己責任のループに絡め取られてはならない。(p224)
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これを読むと先が思いやられる。自分も貧困ギリギリの生活をずっと続けてきたが、大学を卒業して就職した後、何かの拍子に最貧困に転落するかもしれないと思うと怖い。地縁も血縁もないのでいざという時は一部の友人のとこに転がり込むしかないかもしれない。
実際、周りの女性を見てみるとキャリアウーマンとしてバリバリ働いている人は珍しく、大体が非正規で働いていて実家暮らしか結婚して配偶者がいる。独り身の人もいるけど転職に苦労をしているようだ。
男性の長時間労働、過重労働に女性もあわせていくのは間違っている。そもそも肉体構造が違うし、男性の長時間労働は妻が家のことをすべてやってくれる前提のシステムだから男性女性どちらも独り身で長時間労働や過酷な仕事を続けていけるはずがない。なのに、女性は忍耐力がないとか努力の問題として片づけられがちである。
まだ、日本では女に生まれることは不利に働くんだな
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2017年4月(家にあったので読んでみました)
「アラフォー、非正規、シングル、子どもなし〜気付けば、崖っぷち〜」という副題?があり、本文はこの副題をリアルに映し出した感じ。また、著者も一歩踏み外したら貧困に落ちるという立場であるらしく(本文にそう書いてある)、調査対象者に寄り添って、文字に起こしているのがよく分かった。
読んでみて、やっぱり女性の方が貧困に陥り易いのだと思いました。(貧困という単語の使い方で合ってるのか、今はまだ分からないので、とりあえず本のタイトルを使用して書きます)
「家事手伝い」という名目に孕む危険さや、家庭というセーフティーネットを疑わないといけないと思いました。
また、就職も運によって人生が左右されるとも思いました。たまたま卒業年が就職氷河期で、非正規になった女性が本文に出てきます。一度非正規に就くと、正規になることの難しさを知り、就活は本当に運だ、と思いました。
読んでいて、あまりにもリアルでつらかった。自分も足を踏み外したら、こうなるのか〜思いました。やっぱり決められたルートを歩むのが安定なのか!?っとも思ってしまう。
でもそう思ってしまう自分にも気持ち悪くなって、結局怖っ!で終わりました。
著者が「空気のように漂う生きづらさを可視化するためにこのタイトルにした」と書いているように、その意見にはとても納得しました。
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貧困女子の登場、今のアラフォー、非正規、シングルの女性たち、根強い男女差別、1億総活躍社会の掛け声、困難を抱えひっそりと生き抜こうともがく女性たち、
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貧困なのは男も女もさほど変わらないのだが、女性の方が「貧困であること」のしんどさが強いのだろうなという印象になった。個々の事例の話は面白かったがもっと深く踏み込んだ内容を読みたかった。
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女性の経済的自立についての新書。女性を取り巻く偏見、それに縛られる女性たち。
すべてから自由になれるように、自分のこと含めて願わずにいられない。
家庭環境に疑問をもつすべての10歳以上の女性に薦めたい。整頓され、光が見えるきっかけになる。
「日本は家族による包摂が強固な国だ。しかし女性にとってそれは諸刃の剣になり得る。経済的に自立できない若年シングル女性は家族に頼るべきという価値観が根強くある。それゆえ、たとえ実家は針のむしろでも、家を出られない場合が少なくない。
仕事が不安定な中、毎月家賃や光熱費を払い、一人暮らしを維持し続けることに不安を感じるのは当然だろう。都市部では、家賃も初期費用も高額である。一人暮らしの経験がなく自信が持てないという声もあった。」(p215)
「経済的に厳しい状況の中、発想を転換し、前向きに生きていくこと-。“プア充”をいかに増やしていくかという視点は大切だ。一方で、やはり「プア」から脱することは、最重要課題である。時に背後にある貧困の実態を不可視化させてしまう「プア充」の語りに惑わされることなく、一人ひとりの置かれた状況に向き合い、必要な対策を講じていく必要があるだろう。」(p207)
2016/11/29
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正社員でボロボロOR非正規で貧困と隣り合わせ の両極端
経済的功利と少子高齢化対策のため女性活躍推進するという発想は女性を「モノ扱い」たするのと同じ
女性には多様な選択肢(結婚するのか、専業主婦なるのか、仕事続けるのか、子供産むのか、フルタイムかパートタイマーか)がある。しかし、それは良いことか。
多様化により選択肢が増えたかのように思われるが、実は狭まっている(富の固定化、負の固定化)
プア充、DINKS、負け犬、女女格差(教育、結婚、子供、仕事、容姿)
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もっとひどい環境で働いてる人もたくさんいるのだからお前も辛抱しろ、と説教されたので手に取りました。俺、間違ってねえよな?
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「貧困」というと可処分所得の少なさをモノサシに考えてしまうけれど、それはあくまでも帰結点。
そこに至るプロセスや要因は本当に多様だし「なぜこの人が?」と思うような人でも一つの綻びから簡単に貧困に陥ってしまう可能性を多分にはらんでいるのだと知りました。