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魚と日本人 食と職の経済学
著者 濱田武士著
多くの「職人」によって支えられている日本独自の魚食文化.漁師,産地の市場と消費地の市場の卸,仲買人,そして鮮魚店.長年培われてきたこのシステムが,いま大きく変貌している....
魚と日本人 食と職の経済学
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魚と日本人 食と職の経済学 (岩波新書 新赤版)
商品説明
多くの「職人」によって支えられている日本独自の魚食文化.漁師,産地の市場と消費地の市場の卸,仲買人,そして鮮魚店.長年培われてきたこのシステムが,いま大きく変貌している.日本各地の漁港を歩いてきた著者が,食と職の関係を再考し,「食べる人」への影響をも活写する.
目次
- 目 次
- 序 章
- まちから魚屋が消えた/魚食と魚職/ 「魚食」の背後で何が起こっているのか/なぜ縮小していくのか?/再生への道筋を考えるために
- 第1章 食べる人たち
- 「食」が細る/食の外部化の行方/魚を買わなくなった/丸魚ではなく/データで魚の消費を見る/失われた魚と人の出会い/家計と相談/食べる喜び/魚食普及
- 第2章 生活者に売る人たち
- 近所の魚屋/商店街の系譜/郊外へ/市街地も変わる/輸入水産物が多い鮮魚売場/大競争のなかの負のスパイラル/高級食材を見きわめる人たち/産地での販売/躍進する直売所/活気ある鮮魚専門店/ローカルスーパーの鮮魚部門/活気を取り戻す
- 第3章 消費地で卸す人たち
- 卸売市場、真夜中から始まる/卸売市場とは/市場の機能/卸売市場内取引の現状/セリと入札から相対取引へ/集荷機能の弱体化/さまざまな相対取引/セリ人と価格/大口の需要者/拡大する市場外流通/進む荷受業界の再編/卸売市場の内側の変化/生産者と消費者を結ぶ
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紙の本
魚好きの著者の熱い想いが伝わってくる作品。
2017/05/24 00:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
魚好きの著者の熱い想いが伝わってくる作品。日本人の魚離れが進む中で、消費者-販売者-生産者という一連の流れを体系的に分析した労作。魚を食べるという意味の「魚食」に対して、魚食文化を育んできた職能を「魚職」と命名した感性に、魚の現場を自らの目で見据えた鋭さを感じる。著者は終章で本書の目的を、1.漁場の再生、2.魚を取り扱う人たちのネットワーク再生、という課題に迫るものであると要約している。本書はその目的は果たしていると思うが、その2課題を実践していくには様々な障壁が立ちふさがってくる。魚は刺身しか眼中にない私には、何よりも「魚は高くて、供給不安定」という現実である。肉は、むしろ貯蔵して熟成させた方が旨味が出てくるという。つまり安定供給が可能であり、その結果安価にもなる。ということで、漁場再生で漁獲量を増やして安い魚を如何に安定供給していくか。そして、調理や廃棄物を極力減らすことで消費者が手軽に「魚食」を楽しめる様な流通・販売システムの充実が望まれる。海洋国であった筈の日本の再生は、「魚食」「魚職」の再生からなんてスローガンが出てきてほしいものですね。
紙の本
首相に読ませたい
2016/12/06 09:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木曽の仙人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治家はあんまり信用できません。何か事件が起こるとそれを利用して自分の都合の良い政策をうまく押し込もうとするからです。東北大震災の時もさまざまなショック・ドクトリンが行われておりました。一例が漁業への企業参加、長く漁協が担ってきた漁場管理や経営を、悪く言えば壊そう良く言えば改革しようという動きでした。
この本の著者濱田武士氏は、震災の翌年『漁業と震災』(みすず書房)という著書で東北漁業の現状と復興への展望を明らかにされました。その本はかなり専門的で小生読みましたが理解不十分だったと思います。
今回のこの本は具体的、かつ難解な部分もありません。魚とともに生きてきた私達が魚を忘れて良いのか、自然を相手にする極めて微妙な産業(農業もですが)を儲け第一の新自由主義で台無しにして良いのか、考えさせられます。
日本を企業活動の自由度世界一にしたいとおっしゃる首相に読ませたい、とこのように思うわけでございます。