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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
いくつかの作品は、好きな雰囲気で終わってくれるのですが、今回本当にもやもやの残る内容のものが多かったです。
通しテーマが男の狂気?らしいのですが、不快に思う人物の多いこと多いこと…
表題作はある意味でタイムリーというか、いろいろ考えてしまいました。
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すずの爪あと/こころとかして/寝言/僕のトんちゃん/指定席/出前家族/向日葵/氷雨心中/秋旱/Eメール/水虎
心の奥に潜む暗く霞んだ物が浮き上がってくる。ホッとしたりゾッとしたりして本を閉じる。今度浮き上がってくるのはいつだろう‥‥
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震災でバラバラになってしまった家族と猫を描いた表題作、過去の恋人とEメールのやりとりを始めた女性が再会のために彼の住む町に足を運ぶ物語など、「再会」をテーマにした短編が中心の作品集。
2016年9月13日読了。
乃南さんの描く世界の幅の広さに、またまた脱帽させられました。
表題作でホロリと泣かされたと思えば、狂気が育っていく過程に背筋がゾクゾクしたり。
短編集なのに、片手間で読むには手に余る重厚さです。
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外で時間調整をする予定があった日に本を持参するのを忘れたので、駅で購入しました。
乃南アサなら間違いないかな、と思って気軽に手にとったのですが、やはり良かったです。
あまりにもインパクトのないオチとか、あんまり好きじゃないのですが、ひねるがあるというか深みがある話もあったりして、読んだ甲斐があったなぁと思える内容のものが多い短編集だと思います^^
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乃南アサの第三弾短編集。表題の「すずの爪あと」は捨てネコが主人公。それ以外の短編は、人間が主人公。どこにでもいそうな、しかし問題を抱えた人たちが主人公。どの短編も、ラストに驚かされたり、ゾッとするような結末!?
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乃南アサさん「すずの爪あと」(2016.9)、短編傑作11話が収録されています。短編だけど読み応えがあります。さすが乃南さん。揺れる男と女の心理、なぜか幸せに着地できないすれ違い、そしていつも死の影が隣り合わせになっています。大地震で家族と別れてしまった雄猫のすずが、10年の放浪の末に再び家族に会えた「すずの爪あと」は思わず手を叩いてしまいましたw。学生時代の恋人と20年ぶりにメールで交信、癌に侵された男性の優しさを描いた「Eメール」秀逸です!「氷雨心中」は以前も読んでましたが、2度目に読んでも怖ろしい世界です。匂いを感じない男性と匂いに超過敏な女性の辿る道はどうなるのでしょうか「向日葵」です。
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ひとひねりされたミステリー&ホラーが11篇からなる短編集。。読みやすくあっさり読了。一つ一つは繊細で工夫が凝らされているも物足りない印象。ハッピーエンドが好きな僕にはすっきりしないテーマが多く読後感ももう一つ。
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本を開いて、一番最初に飛び込んできた文章が
『おらっちゃあ猫ながや。』
・・・もう心鷲掴みです。
11個の短編、すべて外れなし。
不気味で少し残酷ででもどこか切ない、
乃南さんが浮き彫りにする人の心の形は
読後いつまでもザラリとした後味を私に残すのです。
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内容(「BOOK」データベースより)
一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのは――「秋旱」。幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会って――「向日葵」。かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方――「Eメール」。すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物とともに丁寧に描き出した11篇。最新作を含む珠玉のベスト短編集、第三弾。
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どこかで読んだような…のオンパレードだった。期待していたので残念。問題集だと思って読むといいかもしれない。最初の数ページを読んで「このオチはこうこうでこうだ!」と予想し読み進めて「やはりな…」で読み終えてしまった。暗くて、性根が腐ってる人がたくさん出てきて嫌でした。
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いきなり廃線となった能登線の珠洲駅が出てきて、鉄道ファンとしては嬉しい表題作。猫が主役だが心に爪あとは残らないほっこりした結末。それに気を許し、以降の短編を読み進めると毒のある結末に、気持ちが掻き乱される。「秋旱」で不倫と自由恋愛の狭間で揺れ動く女性の描き方が心に残る。書名に惹かれて購入したが、『新釈 にっぽん昔話』に続く2冊目の著者作品でベスト版を読み、何となく湊かなえのような作風なのかな~と感じ……次は傑作選ではない作品を読んでみよう。
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11篇の短編集。
乃南アサ氏の作品で、読んでしまった物も含まれているのだが、、、
読み終えて、結末のホラー的な部分を怖いもの見たさの人間性をわしづかみにしていると、思った。
最初の表題の「すすの爪あと」は、『おらっちゃあ猫ながや』の出だしで、珠洲、原発 地震、ふくで、以前読んだ事を思い出し、東日本大震災でも、ペットの犬などのはぐれた動物が、飼い主に戻されているのを見て、動物側から見た震災との再会場面を「吾輩は猫である」と、同様に描かれてる。
その他10篇は人間のつながりであるのだが、、、、オー・ヘンリーのような最後の結末が、面白くもあり、怖い話もあって、1冊でも十分楽しんで読んでしまった。
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乃南アサ短編傑作選 第3弾
・すずの爪あと
・こころとかして
・寝言
・僕のトンちゃん
・指定席
・出前家族
・向日葵
・氷雨心中
・秋旱
・Eメール
・水虎
「すずの爪あと」のみ小説新潮への執筆作品。
あとは氷雨心中、花盗人、団欒、悪魔の羽根、行きつ戻りつ。
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感動物もあるが、大半はオチが黒い物。それが面白い。僕のトンちゃんは初めから異様な世界観が展開されていて面白い。
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こんなにバラエティに富んだ短編集も珍しい。
すずの爪あと
穏やかな猫の目線からの話
こころとかして
歯科技工士をしている広樹は職場の金の粉をこっそり集め、想いを寄せる彼女に自作の金のリングを贈る。
贈ったその日以来姿を見ることはなく、次にそのリングを見たのは、金歯を入れるためそのリングを持ってきた女優のたまごだった…
寝言
僕のトんちゃん
これはかなり恐ろしくヤバい!
外では大人として振る舞い、家の中では子供ごっこをする夫婦の話。
オットはだんだん、現実と夢の狭間を分からなくなってゆく……
指定席
壁に同化してしまうくらい、目につかない中年サラリーマンの定時退社後のルーティン。
1駅先まで乗り、本屋に行き、なじみの喫茶店でコーヒーを飲む。ウエィトレスに覚えてもらっていると思い込み、そうでないとわかり、放火する…
出前家族
ボケてきたおじいちゃん。それはボケたふりだったのか?
本当の息子夫婦を流行りのレンタル家族だと思いこみ、それが分かりつつも、そのまま曖昧な遺言を残して亡くなっていく…
向日葵
幼い頃の転落事故により匂いを感じられなくなった男。
自分の体臭を、極度に気にする女。
このふたりが出会い、女は自分の体臭が、わからない男にずっとついていこうと決める。それは嗅覚のない男の母親の死体の始末から、一緒に、ということだった…
氷雨心中
秋早
eメール
途中から、なんとなく話が見えてきたが、いい話です。このふたりが生涯の友になれますように。
水虎
短編集は、何となくジャンルが纏まっているように感じるが、これは1作1作が別の独立した話なので、文庫1冊でとても楽しめる。
面白かった。