0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞を獲った「恋」に加え、本作と「無伴奏」が、当時の小池氏の代表作だろう。いずれにも全共闘、反戦集会、三島事件などが共通しているが、わけても本作は、三島由紀夫作品が底流にあり、これを踏まえて読むと抜群と言っていい本物の小説だ。小池氏自身も熱心な三島ファンと思うのだが、同じ時代に学生生活を送った者としては、筆力に感心するとともに懐かしさも覚える。
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:冬音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何てあからさまなタイトル。ありふれた設定…と、この本を手に取った時は思った。だけども何故か、冒頭の何行かに目を通すと、あっと言う間に物語に入り込んでしまった。
私の周りは主人公・類子の見ているものに変わっていく。性的に不能な男と精神の繋がりを求め、駆り立てる肉欲をそれだけの関係の男で満たす。自分の少ない経験から、あらゆるものを引っ張り出して、文字から目を離しては、そこにある、彼女たちの世界をイメージする。
同時に、三島由紀夫の世界も知りたくなる。恥ずかしながら、読んだことがない。「欲望」を読む上で、知っていなければいけないこともないが、読んだことがある方が、よりイメージしやすく、登場人物の気持ちにもなりやすいのに違いない。三島を読んだ後、改めて読みたい。
小池真理子路線まっしぐら
2002/07/17 11:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りさこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の植物の葉が怪しげでエロチックな印象です。
小池真理子ファンならこの物語は絶対に読んで欲しい。
人間の性という名の欲望、人を愛するという力、他人に対する嫉妬との葛藤。
そして最後に残るのはかなわぬ思い。
ああ、こうもありふれた食材でおいしいお料理が作れるなんて…。
もう一つの楽しみとして、三島由紀夫の作品について話し合うところが
出てくる。その紹介の仕方がうまくって、これを読み終わったらそちらも
読んでみようという気持ちになる。
そういう読書の連鎖って楽しい。
三島由紀夫なんてありふれてると思うかもしれないけど、案外そういう
名作って読んでないもの。これを機会に手をつけてみるのもいいものよ。
投稿元:
レビューを見る
妻子のある男との肉体関係に溺れる司書、性的不能の偉丈夫、奔放な美女と初老の男性。三島邸を模した館を取り囲むように、静かに物語は紡がれていきます。捉え切れない様々な欲望の形を緻密に書き表した一冊です。
投稿元:
レビューを見る
読み終えるのがしんどかった。
文章がちょっと自分には合わないような気がする。
華美な説明表現がかなり窮屈。
物語の展開もおそすぎて退屈な印象。
最初はいい感じだったんけれど…
いったん面白くないと思ってしまったら
読書はちょっとしんどい作業に成りえてしまう。。。
投稿元:
レビューを見る
この本の帯からは「官能的」という表現しか印象に残らないけど、実際はそうじゃなくって、心の情景描写が自分の心にも沁みる、儚い物語りです。
投稿元:
レビューを見る
感動した、と言う訳ではないが泣いた。不完全なままで生きていくのは辛い。でもそれを内に秘めて生きていく類子は美しいとさえ思える。
再読するには結構重いのだが、私の心に強烈な楔を打ち込んだ1冊。
私も三島を読み返したくなった。島清恋愛文学賞受賞作品。
投稿元:
レビューを見る
ここ暫く、ファンタジーの世界に浸っていたので、ちょっと大人の世界に戻ってみました。
これは随分前に買っておいた積読の中の一冊です。
小池さんのデヴュ作:悪女のすすめをオンタイムで読んだ時には、こういう人が出てくる世の中になったか・・って思いました。
その後暫く続いた彼女のエッセイは全く読んでいません。
久しぶりに彼女の著書を読んだ時に、ちょっと年上のおねえさんのとわず語りを聞いているような気がしましたっけ・・
この著書に関しての感想は書きずらいです。
事故により10代の終わりに事故により性的不能になってしまった幼馴染の正巳と20代後半で再開し恋いつつ、違う男性と愛のない肉欲に溺れる主人公類子。
自分の不完全さが受け入れられない正巳、確かにそうかもしれないけど、本当にそうなのか・・・
愛の形は人の組み合わせほどあるものだと思えるのは、この年齢の私だから思うのか・・
私が男性で当事者だったら、果たしてそう云えるのか・・
でも、恋愛は、何も血気盛んな10代後半〜30代だけのものではなく、大人にだって色んな形で静かに存在するものだと思うし、例えば女性同士の同性愛とかはどうなるのだ?とか読んでて頭を過ぎりました。
そう思うと、恋愛にも年齢に応じて段階があり、年を重ねてわかっていく境地があるものでしょう。
そこを乗り越えれば・・何もそんなにコンプレックスのように感じなくても・・って思うのは、きっと私の大人的な発想なのでしょう。
それにしても主人公の類子さん、しなやかに強いです。
立原の舞の家の類さんも強かった・・と、ふと思い出したりして・・
もう一つ、今の私にもう一度三島を読ませたいと思いました。
気が付けば、三島が自決した年よりずっと大きくなってしまった^_^;
大人ぶってわかったような顔をして読んでいた高校や大学の頃と間違いなく違った読み方をするでしょう。
どう感じるのか、私は私にとても興味があります。
そおそお、こちら、映画化されていたのですね。
ググってみれば、邦画にしては珍しく、原作に忠実に描かれていると対談記事にありました。
主人公の類子役の女優さん、実は知らないのだけど、他の配役は目に浮かぶようです。
機会を作って、レンタル屋さんで借りてみましょうか・・・
投稿元:
レビューを見る
今のところ「恋」に次いで好きな小池真理子さんの作品。
ますます小池ワールドに引き込まれていきそうです。
「三島由紀夫」にまつわる話が出てきてこれを読んで三島由紀夫の作品を読みたくなり思わず購入してしまいました。
(08年5月3日)
投稿元:
レビューを見る
三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。図書館司書の青田類子は、妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら、かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。正巳は性的不能者だったのだ―。切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。
終始古典的な匂い(三島由紀夫をテーマだから当然!?)は現代との乖離=非日常を強く感じさせる。でも存在する世界は必ずあると疑わせないバランスは保っているところが良いと思う。
投稿元:
レビューを見る
51/100
98年 第五回 島清恋愛文学賞受賞作
現在作者は同賞の選考委員をしてますー
表題からして暗めな内容なのですが、なぜかしら全体を通してさわやかな感じ、
文章からくるものなのか、作者の人柄なのか・・どろどろさがまるで伝わらない、
そこを伝えたいわけじゃないんだ、読み手はそこにわくわくするのに(笑
『肩ごしの恋人』 唯川 恵もどちらかというとさわやかな印象を受けたけど、
注:ひょっとしてラストだけ?
こちらは更にさわやかな印象を受けた。
投稿元:
レビューを見る
どちらかといえば展開はゆるやかで。設定もキャラクターの性格も地味な恋愛小説。
なんか、すごい。
面白いか否かの判断をくだすでもなく、ただ漠然と「すごい」と思う。
好きかどうか聞かれたらまたそれは別問題であって、なんていうか、言葉の使い回し、表現、考え方、などなど…すごいなって。
構成は綺麗で読者を惹きつける。
あとのことは何も具体的に言えません。
ただ、「すごい」と。
抽象的だけど、そんな感じ。
投稿元:
レビューを見る
タイトルでお薦めしても色んな人が一歩引くけども読んでほしい作品。ここで描かれている精神的な欲望のかたち、は理想的なもののひとつなのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に
運命を手繰り寄せられた男女。
図書館司書の青田類子は
妻子ある男との肉欲だけの関係に溺れながら
かつての同級生である美しい青年・正巳に強くひかれてゆく。
しかし、二人が肉体の悦びを分かち合うことは決してなかった。
正巳は性的不能者だったのだ―。
切なくも凄絶な人びとの性、愛、そして死。小池文学が到達した究極の恋愛小説。
タイトルだけだと
どんなストーリーになるのか?と思ったけど
こんな切ない恋愛があるんだろうか・・・
投稿元:
レビューを見る
むずかしい
すごくむずかしい
ラスト、海の場面は
悲しくて息がつまる。
なんでそうしなきゃいけなかったのか
わからない私はまだお子様なのか