オイアウエ漂流記(新潮文庫)
著者 荻原浩
南太平洋の上空で小型旅客機が遭難、流されたのは……無人島!? 生存者は出張中のサラリーマンと取引先の御曹司、成田離婚直前の新婚夫婦、ボケかけたお祖父ちゃんと孫の少年、そし...
オイアウエ漂流記(新潮文庫)
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商品説明
南太平洋の上空で小型旅客機が遭難、流されたのは……無人島!? 生存者は出張中のサラリーマンと取引先の御曹司、成田離婚直前の新婚夫婦、ボケかけたお祖父ちゃんと孫の少年、そして身元不明な外国人。てんでバラバラな10人に共通しているのはただひとつ、「生きたい」という気持ちだけ。絶体絶命の中にこそ湧き上がる、人間のガッツとユーモアが漲った、サバイバル小説の大傑作!
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あなたも今、漂流している。
2012/02/10 12:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AQUIZ - この投稿者のレビュー一覧を見る
漂流、遭難ものが好きだ。
ミステリやSF、ファンタジィといった括りよりは極めて狭いが、サバイバルと言い換えれば頻繁に目にする題材であるし、非日常的な冒険譚であるのに、かなりの割合で実話だということは特異な点だろう(戦記もの程度に)。
とりわけ、実話を題材としたものでは、「笑える」という意味合いにはならないものの、多くの本を面白く読んだ。フィクションなら、可笑しい、楽しいという笑いさえ少なくはない。
著者は「荻原浩」である。サバイバルには必須ともいえる、グロテスクな死者達の惨状や、それすら平穏に映る程の惨たらしい諍いは、彼の物語に登場しないだろう(僕は、生きるために捕らえた獣を殺して食べることには、不快感も抵抗も覚えない)。
無論、この漂流記はフィクションであるが。
自分の中では、海外に移住した生活エッセイや、異世界へ飛ぶファンタジィと、これらの漂流ものは同じ軸に刺さっている。文化や習慣の違う外国や、遠い時代で起こる大事件よりも、そこでの食事や身の回りの些細なことに、とても惹かれるせいだろう。
もし小説を書くことがあるのだとしたら、漂流ものを書きたい(本当に書く気が無いからこそ云えることだが)。
著者は好きな作家の1人で、しかし、そうでなくともタイトル買いした。とにかく漂流、遭難ものが好きなのだ。
この物語の漂流した人々は、いくつかの幸運を備えている。
生き残った者にとって、目前に肉片と化した仲間が居ないことが、どれだけの救いだろう。
帰還、あるいは救出の可能性が絶望視される状況でも無い(彼らはツアー中の旅行者なのだ)。
しかし、これこそが彼らの辿った「漂流」の原因では無かったか。
確かに彼らは、思いもよらぬ能力を披露してみせた。釣りだとか、鶏を捌けるなんてことだ。
それは元から携えていた力で、極限に達した凄惨な場では無いから、持てる力以上のものを絞り出すのではなく、少しの我慢だとか、少しの決心で実行できた。
浮き世離れした金持ちは、まるで空気を読まないし、利己的な者は利己的に振る舞う。
伝説的な英雄になろうと誰もがしないし、そんな奇跡が「自分の身の回り」に起こらないということを彼らは無意識に備えていたのだろう。
「漂流」という大事件に際しても、大多数の人間は、その人で有り続ける。
物語でなら簡単に生み出せる筈の、英雄や勇者や独裁者や殺人鬼は、彼らからは生まれなかった。
その「大多数」は、皆が違うステイタスを持っている。そうした物語を描ける作家は意外と稀だ。
淡々と彼らは生き延びてゆく。毎日、会社に通い上手くはいかない仕事をこなしたり、理不尽な上司の発言に喰いかかったりもせず。完璧ではない結婚相手に妥協してみたり、非現実的な空想を描いてみたり。宿題を、化粧を気にして。
食料の調達に日々の大半を費やす孤島の暮らしは、実のところ、スーパーマーケットで気軽に買える食べ物を得る手段と、本質的には変わらない。手製の槍を持つか、キィボードを叩くか。
飛行機にも船にも乗らず、嵐に巻かれることも無いまま、わたしたちは遭難し、漂流している。
どこに辿り着くのかを、今、人生のどこにいるのか、明確に断言できる英雄はわずかだから。
そして、救助船は多くの人に来ないだろう。今の自分から脱出する手段も見つけられず、生き延びるために飲み、食い、身を守って生き延びるだけだ。
場所は座標も知れぬ名も無き孤島では無いかも知れない。
地下鉄の走る街で、オフィスビルの6階で、コンビニエンスストアで、あなたも今、漂流している。
一気読み
2017/05/26 20:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mori - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫本だが分厚い本。読み始めるのをちょっとためらうけどそれをがまんして読み始めたらもう止まりません。十五少年漂流記とは違って大人が不時着するわけですが、キャラクタが多彩でストーリーも楽しく一気読み。
オイアウエって、アイウエオでなく?
2017/04/16 15:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
トンガ王国からの小型旅客機が墜落。遭難した10人と一匹。取引先の御曹司のご機嫌伺いの為、パラダイス土地開発の河原部長、安田課長、菅原主任、そして賢司は、泰宝グループの会長の長男で副社長の野々村氏の接待を兼ねトンガに。新婚旅行中の藪内と早織、おじいちゃんと孫の仁太、アメリカ人、機長の飼い犬セントバーナード以上が墜落時に救命ボートの乗り組み人員。南の海上に放り出されたが、島を発見。これで助かると思ったものの、そこは小さな無人島だった。果たして本当に助けが来るものなのか?
無人島とわかっても、普段通りのサラリーマン達、夏休みの絵日記をかく仁太等、日頃のルーティンを変える事無く生活するものなのか、こんなこと有り得ないけどやっぱりこうなるのか、考えてしまった。それぞれが意外な特技で無人島生活に適応していくところがリアル。いつも違った顔の物語を見せてくれる荻原さん。そして、普通に何気なく描いている人々、うまいよね~。長いけど読み応え有。
生きてるぞ!
2016/12/25 18:13
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドタバタ漂流記。漂流してからも続いていた鬼の上下関係、部長や課長の態度にイライラしたけれど、腹をくくりサバイバル一本になってから、各自ができること、生き抜くために知恵と体を使い毎日をやり抜いて行く様はとても面白かった。小学生の仁太がみなにかわいがられ、一緒に子育てをしている雰囲気微笑ましかった。仁太も素直でいい子だし。本当に無人島に漂流してしまったら、こうなるのかなあ。コウモリは食べたくない。ウミガメを食す時の祈り、リアル。カーゴの子孫が産まれ、早織も妊娠しそれでも続く人間模様。さて主任と賢司のゆく末は?
一気に読んで浸りたい
2020/08/10 00:04
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投稿者:ぶっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物の個性がバラバラすぎて、読み始めはちょっと疲れそうな感じだったが、程なく夢中にさせる無人島サバイバル。
ラストの終わり方も、あっさり?と思えるほど要らない個々の着色もなく、想像力を膨らませてくれる作品でした。
何度でも読み返したくなる
2020/02/22 09:34
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投稿者:yukka - この投稿者のレビュー一覧を見る
無人島に漂着した人々の話。メンバーそれぞれがとても個性的でその絡みを見ているだけでも楽しい。そのうちに各自が個性や特技を発揮して行くようになるくだりも面白かった。特におじいちゃん!唯一の老人でみんなの足手まといになってしまうのかと思っていたら、実は一番のサバイバーだったりして。何度でも読み返したくなる面白さだった。
面白い!
2016/09/23 18:51
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投稿者:Chocolat - この投稿者のレビュー一覧を見る
無人島漂流物は、数々読んだけれど、一番ありえないけど、一番面白かった。
ありえないとは言ったものの、そこそこ現実味は踏まえてますが…
協調性も無く、サバイバルは絶対無理そうなメンバーが、意外な特技があったり、少しずつ変わっていくのが、楽しめました。
最後が。。
2019/12/11 15:50
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の部分がちょっとなあ。
うまくまとめたかったんでしょうけど、それはムリでしょっていう。
絶対そんなことできないし、させてもらえない。
サラッと面白い
2017/12/13 08:03
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投稿者:風力 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めはよくある遭難ものかと思ったのですが、読み進んでいくと面白くなっていきます。遭難に子供が登場するところが感想が分かれるところです。
ドタバタ劇かと思ったら、生々しさとフィクションっぽいところがごちゃまぜで、更にサラリーマンの哀愁も描かれたり。
2016/12/13 11:52
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
無人島のサバイバル生活の笑いと涙ありの物語。ドタバタ劇かと思ったら、生々しさとフィクションっぽいところがごちゃまぜで、更にサラリーマンの哀愁も描かれたり。彼らは一体脱出できるのだろうかと、ハラハラしながら読み進めていくと突然の急展開。ラストで・・・えっ!どういうこと?ハッピーエンドなのか?何だか肩透かしを食わされたようで微妙な感覚ながらも、何となくホッとする幕引きでした。