子供のがんばりには元気をもらえる
2013/02/01 20:17
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投稿者:ヤエチン25 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公もその幼なじみの女の子も決して恵まれた境遇ではないのだけれど、へこたれない健気さが伝わってくる。自分をクロマニヨンの子と信じなければ、心の穴がふさがらなかった思いはとても哀しいのだけれど、だからこそのその執着心には脱帽させられる。哀しい現実が続くけど、それを乗り越え1つの愛を手に入れられてほっとした。600ページにわたる長編だけど一気に読める読み応えのある作品だと思います。
氷河期って、就活の?本物の氷河期?
2017/04/16 15:04
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投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワタルは、母子家庭で父が誰かわからず、死んだと聞かされて育つ。ある日、研究者の母の部屋で「クロマニヨン人」が自分の父親かもしれない資料を見つける。子供の頃から、他の子供たちと自分が違う事、虐めの原因など幼いながら悩む日々。女友達のサチと犬のクロとの秘密の場所での楽しみが、心の支えの毎日。早く走るのがワタルの得意分野だったが、中学で陸上に目覚め、やり投げをやりたいという新たな目標が出来る。自分が何者なのか、もがき苦しみながら17歳11か月がやって来る。父との出会いがかなうかもしれない。
タイトルだけでは分からなかったが、就活の氷河期ではなくマンモス時代の氷河期のほうだった。結構長くワタルの心理状態と共に時間を追って物語はなかなか進まない感じだった。心の葛藤が丁寧に描かれていると思う。荻原さんの新たな魅力を見つけました。
とてもユーモアと想像力にあふれる傑作
2016/02/01 08:55
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、荻原作品の中でもなかなかユーモアと想像力にあふれた作品です。主人公は小学校5年生の男の子。夏休みのある日、偶然、遺伝子研究者である母が集めたであろうと思われるデータを発見します。よく見ると、これは死んだ「父」のデータのようです。そして、これは氷河期に絶滅したクロマニヨン人のようです。主人公の父は果たしてクルマ二ヨン人なのか?主人公の旅が続きます。
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面白くも切なくて、誰もが思い当たる少年少女期の甘酸っぱさがあって、やっぱりムフフ、と笑える場面が盛りだくさんで、読了後は心が暖かくなっているようなお話でした。
父のいない家庭で育ち、容貌も周りと違う「特別な子」
虐めにあったり、冷たい目で見られたり、恐れられたり羨望の目で見られたり。特別な自分に苦しみながら、どこかでうっとりしている部分もある。そういう、自分は死ぬほど悩んでいて一生懸命なのに、端から観ると笑っちゃうぐらい滑稽な様子が可笑しくて、切なかった。
大好きな作家の一人だが、笑える小説を期待しつつ読むうちに、あれ? いつもとちょっと違うな…と感じ、それでも読むのが止められなくなり一気読み。終わってしまえば「あー面白かった」と、いつもの「荻原節」に見事に嵌っていました。
幼少期から青年期へと移り変わる過程で、他の小説でもかなり目にするこういった話が、この人に掛かると、どうしてこんなに面白くなるのかと感心してしまいます。
一言。面白かった。
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氷河期って本物の方だったのか。
感情がストレートでリアルで、だからこそ特に前半は読んでて辛かった。痛々しいというか。
真面目モードの作品で、「ンボボ、ンバボババ」とか言い出されても笑えなくて困ってしまう。
それだけ心を動かす力はあるってことです。
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最後は猛ダッシュのような終わり方でしたが、全体的には荻原節全開!って感じの作品.やっぱ中高生の頃の思い出って甘酸っぱいよね...
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「僕の父親はクロマニヨン人」
そんなフレーズに惹かれて読んでみた。
お父さんがいない家庭に育ったワタル
言われない差別も浴びながら育った幼い頃
そんなワタルの少年時代の話だ、
って言えばそれだけなんだけど
でも本当に、いろんなストーリーが交錯して
ものすごく立体的になっている。
お父さんはクロマニヨン人なんだ!!
って思って過ごした小学生の頃のこと、
陸上競技と出会った中学時代、
サチとの友情が恋に変わっていく様子、
槍投げに目覚めていく高校時代、
それから最後の大旅行。
ほんとに息もつかないで読みきった!
ていうくらいだった。
なんだかな、
自分が自分なんだってことを確認するまでの
生まれてから17年の軌跡であって、
形は違うんだけどわかるって思う部分があったり、
逆に悪い意味ではないんだけど
共感とは対極のところにあるような物語もあったり、
ほんとに飽きないんだ。
ほんとよかった。
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父はどんな人だったのか。姿どころか名も知らない。そんな父を僕は17年と11ヶ月をかけて探し求めた。生まれながらに父のいない僕が大人に成長する姿を描く。そこにはいつも母さんがいた。そして、同級生のサチの存在があった。男の子は母を、あるいは恋する女の子を守りたいと思った瞬間から男になるのかも知れない。
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思春期特有の自我の芽生えや恋心、言動がすんなりいかないもどかしさや成長に伴う戸惑いなど、昔を思い出して共感。
男の子って思春期にこんなこと考えてたんだな~とアホらしくもあり微笑ましくもあり。お父さんに会いに行ったシーンは切なくて泣けた。
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主人公のワタルにはお父さんがいない。
自分の父が誰なのか分からない、そんなワタルの幼少期から物語は始まる。
物語の序盤は小さいワタルの目線で語られるため、話の筋がつかみ辛いが、これが荻原浩のうまいところだと思う。
幼いワタルには幼い表現を、そして話が進むにつれて物事を理解した青年の表現へうつしかえていく。この巧みな文章力によってまるで自分がワタルの人生を体験しているような錯覚に陥る。
まさに荻原マジック。完全に荻原浩の術中にハマった。
ワタルは父の顔をしらない、母は自分の生い立ちに関しては何も教えてくれない。そして「自分はいったい何者なのか」というジレンマの中である一つの答えを見いだす。
自分のアイデンティティを自分自身で確立し「クロマニヨン人」として成長して行くワタル。しかしどこかでまだ空いたままの穴を埋めきれない葛藤は、人ならば誰でも同じように抱えているものではないだろうか。
ワタルを見て、久しぶりに衝動にまかせて、もがいてでもいいから何かやってやろうっていう気持ちになれた。
そして今『ドラクエ』をやっている。
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「僕の体には、1万年前の特別な血が流れている」
この帯のフレーズに惹かれて読み始めたんですが…
ファンタジーっぽい話だと思ってたけど全然違った!
うーん。自分がイメージしていた話と違ったからかもしれないけど……★3つです。
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<poka>
ワタルの穴がふさがってよかった。平凡そうでスリリング、不思議な小説。心に残る一冊になった。
しかし、自分の体験を重ね合わせられないと、ただの17年間の生い立ちを読むだけになってしまうかも。
<だいこんまる>
クロマニョン人とは会いたくないですぅ。自分にも穴があるのかも。あるのだけれど、適当にふさいでいる?
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三度目の正直ならぬ四度目の氷河期。
少年が大人になっていく過程が描かれております。ザ・思春期って感じです、僕にもこんな頃があったのか?なかったのか?
作品中に登場する女の子「サチ」がだんだん可愛くなってきます。もう胸キュンです。
ただ長い。本が分厚いぜ、気を付けろ。
ちなみに、the pillowsの「tiny boat」という曲がこの本にピッタリです。歌詞がリンクしまくりです。
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「悲しみは石鹸じゃ落とせない。」
主人公の心の動きにすごい引き込まれる本だった。
自分の中では最後の最後でちょっとだけ失速してしまったのが残念。
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自分の父はクロマニヨン人だと思い込んんでいる主人公。好きな女の子の家庭や、もちろん自分自身の家庭環境も他の人と異なるため、いじめにもあうが、少しも気にしていないようだ。
どんな状況でもお母さんが理論的に教えること、頭から否定しないこと、母親一人だけど愛情たっぷりでほのぼのとした。