漱石と倫敦ミイラ事件
2021/09/08 20:51
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投稿者:Keito - この投稿者のレビュー一覧を見る
島田荘司さんの次に買う本を探しているうちに見つけた作品で夏目漱石が出てくる話なので買ってみた
話は面白いしホームズは出てくるしで退屈なく読めた
(エッセイ)で児童が読めるようにと総ルビ版が出たことと色々面白いことが書いてあり島田荘司先生が名探偵コナンを知っていたとは驚きでした
史実とフィクションのミックス
2018/08/27 01:40
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投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
「夏目漱石は、イギリスに留学して精神を患って大変だったようだ」という話がありますが、それはこういうことだったようだ。。。というような話です。
本の中では、「漱石が書いた記録」と「ワトスンが書いたホームズの活躍記録」が交互に出てきて、同じ出来事を記しているのに微妙に(?笑)異なる2人の記述内容が笑えます。ワトスン君の書いた部分だけを読むと、完全にシャーロックホームズものの1作品のようにしか感じません。しかし、漱石の話が入り、「あら、そういうことだったのね。」という具合で、裏話のようなものが読めて楽しいです。
私はそこまでホームズを崇めている人間ではないので、楽しく読めました。が、ホームズが大好きな人には、腹の立つ小説かもしれません。
終わり方が、とても私好みでした。
夏目漱石×シャーロック・ホームズ×島田荘司=!?
2021/12/12 12:14
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
1900年から1902年にかけてイギリス・ロンドンへ留学していた夏目漱石は、何か不安事があったらしく、頻繁に転居を繰り返していました。そして漱石が毎週、通っていた教師の家はベイカー街にほど近い場所にありました(以上、史実より)。
と来れば、漱石がかの名探偵にその不安の原因について相談に訪れないわけがないでしょう。かくして夏目漱石とシャーロック・ホームズが、死体が一夜にしてミイラになってしまったという怪事件を一緒に解き明かします。
ワトソン視点と夏目漱石視点が交互に描かれますが、ワトソン側ではイメージ通り快刀乱麻を断つ名探偵ぶりを見せるホームズが、漱石の目を通すと支離滅裂なコカイン中毒にしか見えないという趣向がサイコーです(笑)。
『占星術殺人事件』で御手洗潔の口を借りて語っていた著者のホームズへの(少し歪んだ)愛が楽しめる本格ユーモアミステリー。
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投稿者:えぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏目漱石とホームズ?恐々と読み始めたけれど、夏目青年の視点とワトソンの手記が交互に繰り返されていくうちに何かを察する私と、もしかしたらほんとにこういうことがあったかもしれないという期待が溢れてきてとても面白かった。トリックとしては途中で気づけるぐらいだけれど、筆の匠は最後まで全貌を見せてくれなかった。子ども向けに発行しなおされたのも納得。
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
留学中の明治の文豪と、不朽の名探偵とのコラボが楽しいです。異国の地で神経衰弱気味だった漱石の、つかの間の息抜きを思い浮かべてしまいます。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
トリック自体はアレな感じなのですが、古き良き時代の倫敦といった雰囲気は楽しめます。総ルビ版なのも嬉しい。
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イギリス留学中の漱石の遭遇するミイラ事件。ある婦人が再会した弟がおびえる東洋人。発見されたミイラの中のメモの謎。甲冑の謎。シャーロック・ホームズの推理。
2009年3月27日購入
2009年12月29日読了
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まさかの総ルビに読み始め早々不安になりましたが、これが面白い! あっという間に一冊読んでしまいました。漱石視点とワトスン視点に若干(かなり?)のズレがあり、それがまたホームズを魅力的にします。トリックは途中で分かってしまいましたが、犯人捜しがまた一味違ってgood! ラストの猫についても、あんな風に使われるとは予想していなかったので感嘆させられました。ミステリファンでもそうでなくても十分に楽しめる良作です。
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私は、夏目漱石の本を一冊も読んだことがなく、猫本を集めてるにもかかわらず、かの有名な小説を途中で挫折して放り投げたままにしてある(^^;
ホームズも、持ってるのは1冊だけかと思う。あとは小学校の図書館で読んだか、テレビで見たか程度。
そんな程度の知識でも、充分面白かった。島田荘司‘らしい’感じ。
前から気にはなっていて、でも前の版は普通には手に入らず、古本を買うかどうか悩んでいたもの。
購入前から「‘総ルビ’か〜」と気になった点が、読み始めたらやっぱり気になったものの、読んでいるうち気にならずに読みきれた。
個人的には猫本に入れるか悩むところ・・・。
巻末に新規のあとがきエッセイや、年譜があるのが嬉しい。
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ロンドンに留学中の夏目漱石、心霊現象にまいって訪れたのはあの名探偵シャーロック・ホームズの元だった…。
日英の有名人が織りなす、ホームズパスティーシュ。ワトスンと漱石の二人の視点から、中国人の呪いにかけられた男の不可解な死の全貌が明らかにされていく。
割とホームズびいきの方ならば33ページ目あたりで本を閉じたくなるはず。それを乗り越えたとしても語り部が漱石に切り替わるごとに本を閉じたい衝動にかられるはず。
でも待って、一度読み始めたら最後まで読んで欲しい。全てを乗り越えたらちゃんと最後は丸く収まるからさ。
(事実を伝えているのはワトスンの記録の方であった、という見方も出来ると思うし)
ふつうにミステリーとしても面白いし、エンターテイメントとしても十分楽しめる。
最終章はうってかわって優しい雰囲気。幸せが溢れてる。ラストも秀逸。
それにしてもこのホームズ、なんとなくガイ・リッチー版映画のダウニーホームズを彷彿とさせる。え、私だけ?
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漱石先生とワトソンさんの交互の視点で書いているところが実に楽しい。そしてホームズがどうしても御手洗さんと重なって。これはミステリー好きもそしてミステリー初心者もふむふむと言いながら読むことが出来るんじゃあないだろうか。流石、島田さんだなあと思いました。
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ホームズにドップリハマっていた中学時代に読んで、いい意味で度肝を抜かれた作品^^
漱石視点で見る新しいホームズ像と、お馴染みワトソン君の伝記スタイルで描かれる旧来のホームズ像の落差が、面白おかしく描かれています。
英国留学中の漱石が、宿で夜な夜な「出ていけ〜」と亡霊に囁かれたことをホームズに相談したのをきっかけに、名探偵の活躍譚に一役買う、というパロディ。
中国で呪いをかけられた男が一晩でミイラになってしまう、という謎にホームズ&ワトソンと漱石が挑むんですが、
漱石くん、どんだけホームズのこと嫌いなの?
てツッコミたくなるような、変人ホームズがこれでもかと登場します。
ホームズの活躍を記したワトソン君は根っからホームズ信者なとこあるし、意外と第三者から見たらこういうとこもあったかもしれないぞ、と想像しただけで楽しかった(笑)。女装はね〜、流石にきついと思うよ(笑)。
ジュブナイル・ミステリーを意識して書いたかどうかは分かりませんが、当時の私は夢中になって読めたし、肝心の「密室の中のミイラ」っていう謎の難易度も実は子供向けなレベルだな、と再読して感じました。
犯人指摘の際の手品のような鮮やかな手腕は本家にも引けを取りませんし、本家では見たことのない優しい幕引きも好きでした。
イギリスを離れる漱石の心境の変化や、被害者の心のケアに最後まで寄り添う心優しい名探偵と助手の姿、何よりホームズが異国の友人に捧げたバイオリンの音色が届いてくるようなラストシーンは、読者が物語世界から旅立つ名残惜しさを一層掻き立てます。
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ホームズvs漱石 夢の対決 …帯に書いてあったんで期待してたんですが…。 ホームズもパスティーシュ物も好きなんですけど。御免なさい。 この本は好みじゃないです。
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1900年、夏目漱石がロンドンに留学したとき、下宿を転々と変えたのは事実。悶々としていて、帰りの船まですっぽかすという奇妙な行動を取った。
その理由とは?
新たな手記が発見され、ホームズとの関わりが明らかに!というお話。
漱石は、どこからともなく聞こえる「出て行け」という幽霊の声に悩まされ、脅えるように引っ越しを重ねていた!?
ベイカー街のクレイグというシェイクスピア学者の元を毎週、訪れていた。
紹介されてホームズを訪れると、もうそんなことは起こらないでしょうと言われ、事実ぱたっとやんだ。
夏目漱石の視点で書かれた出来事と、ワトソンの筆になる未発表原稿との食い違いが面白い。
ホームズはコカインの影響か?しだいに奇矯さを増し、事件捜査の腕が鈍っていたという。
忍耐強くじつは切れ者という評判のワトソンはそれをかばっていたという。
ライヘンバッハで滝に落ちたというのも長期入院のための苦肉の策。そのために食い違いが多いのだとか。
変装したホームズのまるわかりの様子に驚愕する漱石。
だがホームズは人々に愛され、信頼されていたために、誰も指摘しないのではと。
時を同じくして、ホームズにはメアリー・リンキイ夫人の依頼。
プライオリィ・ロードに立派な屋敷を構えている。
夫を亡くして、行方知れずだった弟キングスレイを捜し出した。
共に暮らしだしたが、キングスレイの部屋は東洋趣味の物で一杯。中国に住んでいたらしい。
ろくにものを食べず、暖炉もたかずに狭い部屋に閉じこもる弟。
部屋にあった古い箱を夫人が開けようとしたら激怒、呪いが解き放たれてしまったという。
そして弟はミイラとなって死んでいた‥内側から釘付けされた部屋で?
日本と中国の区別もつかない当時のイギリス人。
まあ、そうかな‥
漱石は甲冑だけが日本のものと断言。
小さな紙切れに書かれていた文字は日本語かも知れないが意味は不明。
仏像はどこか奇妙‥
事件解決の後、漱石は自分の抱えた過去の苦悩(これは創作?)から、いまだ療養中の夫人に対して、ある思いつきを‥
そして感動のバイオリン!
帰国が遅れた理由まで。
面白かったです。
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ホームズが好きなら楽しめる、コメディータッチのストーリー。ワトソンの記述と漱石の記述のホームズの違いが面白すぎる。
確かにホームズは変人だよなー