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弥勒
著者 中島梓
栗本薫唯一の私小説。死産で産まれた弟との葛藤を描き、栗本薫・中島梓を知る上で欠かせない作品。栗本薫は『ぼくらの時代』で華々しく文壇デビューした後、グイン・サーガ・シリーズ...
弥勒
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商品説明
栗本薫唯一の私小説。死産で産まれた弟との葛藤を描き、栗本薫・中島梓を知る上で欠かせない作品。
栗本薫は『ぼくらの時代』で華々しく文壇デビューした後、グイン・サーガ・シリーズを発表した1979年に文芸誌「群像」に唯一の私小説「弥勒」を発表した。
この作品は死産で産まれ、3歳のときに日本脳炎のために意識もないままに寝たきりとなった弟との葛藤を描いて、栗本薫・中島梓の一生を苦しめ続けた激烈な怒り・悲哀が赤裸々に語られた作品である。『弥勒』の続編として手を付けられたまま、完成することのなかった断片「56億年の弥勒」を併載。解説は元群像編集長、内藤裕之氏。
【著者】
中島梓
1953年東京生まれ、2009年に病没。1977年に群像新人文学賞評論部門を、1978年に江戸川乱歩賞を受賞して文壇デビュー。小説は栗本薫名義で、評論などその他の活動は中島梓名義で発表する。正伝130巻、外伝21巻のグイン・サーガ・シリーズ始め、400点を越える著作が刊行された。
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すべてが終わったことなのですが
2017/03/04 18:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はな - この投稿者のレビュー一覧を見る
私がこの作者の小説に深く沈んでいたのはもうはるか、そう35年は経ったでしょうか。あの頃中学生の私には弟が生まれ、母親はもとから私への関心が低く、この頃には私は一人だけ食卓も別になっていました。身内の脳性麻痺の大きな赤ちゃんの叔父さんと同居していて、私は近所からと、自分の持つ障害者への差別への終わりなき闘いに疲れ果て、どうしようもなく疲弊していた頃のことです。
あれからはるかな時を隔て久し振りに読んだかつての私の神であった作者の慟哭に初めて接しようやくなぜあれほど惹き付けられたのか納得出来ました。
私と彼女は同じテーマを苦しみ、苦しみぬいていたのです。
障害者の身内である、ということの慟哭。
彼女はそれを呑み込んだまま逝ってしまった。はるかなり、中島梓、栗本薫、かつての私の神様。願わくは貴女が今安寧の世界にいることを。
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これもまた断章。
2017/04/29 20:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中島梓/栗本薫氏の弟の話。
かなり前から、弟の存在については知っていたことではあった。
しかし、遺稿や残された作品から見えてくるのは、弟の存在から逆照射される、中島梓/栗本薫氏の内面の姿だったりする。