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富裕層のNo.1投資戦略
著者 著者:高岡 壮一郎
富裕層にとって一番利益を出しやすい投資戦略とは?世界10万本以上のファンドデータベースを基に中立的な立場から投資助言を行うフィンテック企業の創業者が、現代の富裕層にとって...
富裕層のNo.1投資戦略
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富裕層のNo.1投資戦略
商品説明
富裕層にとって一番利益を出しやすい投資戦略とは?
世界10万本以上のファンドデータベースを基に中立的な立場から投資助言を行うフィンテック企業の創業者が、現代の富裕層にとって合理的で最良な投資戦略とは何かを、資産運用業界の進化と個人投資家の環境変化をふまえ、実証データやファクト、学術的な投資理論を裏付けとして解き明かす書籍です。投資家目線での金融機関・商品・サービスの実名評価や、ハーバード大学基金や海外の超富裕層に支持されているヘッジファンドを活用した資産運用を日本の個人投資家が実践するためのノウハウが掲載されています。ローリスク・ハイリターンの有利な資産運用をしたい方に役立つ内容です。
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紙の本
データの使い方、理論の解釈に大きな疑問符
2017/04/24 02:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:NM千保 - この投稿者のレビュー一覧を見る
寸評:業者の宣伝本と割り切って読むべき。本書が引用したデータや参考文献に自分で当たって見れば、全く別の視点が得られるかと。
ポイント1:ヘッジファンド推奨業者にとって都合の良い数字が切り取って使われている一方、ヘッジファンドの問題点や不都合なデータに対して真摯な回答が提示されていない。英語が読める人なら、"hedgefund return"で検索するだけで分かる簡単な事実。
ポイント2:チャールズ・エリス著『敗者のゲーム』への言及があるが、エリスの理論の骨格に対する反証が無いまま、著者の主張が展開されている。エリスの主張を大雑把に言えば「ある時点まで他より優秀な成績を残したファンドが、今後も継続的に他より優秀か否かは不明である」ということで、言い換えれば「過去の実績を元にファンドを選別しても当てにならない」ということである。それなのに、著者は過去の実績が大事だと主張するのだが、その根拠が不明である。金融業界の大物であるエリスの名前を出して権威付けしながらも、それと全く逆の主張をするのであれば、誠実な論証を提示して欲しい。
ポイント3:統計的データの使い方がおかしい。ヘッジファンドの優秀さを示すためのデータとして、株や債券との比較が出て来るが、対照群サンプルの期間がバラバラだという、初歩的かつ致命的なミスを犯している。同社ホームページに同様の記載があるので、印刷ミスではなさそう。具体的には、1990/01~2012/12、2000/01~2012/12、1995/01~2010/06、と期間がバラバラ。統計学の入門レベルで注意されることのような気が・・・
ポイント4:富裕層の投資戦略について解説があるのかと思ったら、多くの富裕層が実践している伝統的資産(株・債券)や不動産に関する記述はほとんどなかった。ヘッジファンド推奨業者が書いた本なのでその点は仕方ないとしても、投資と関係ない著者の会社員時代の昔話や、行政処分の話など、余計な話題が多く、私には無駄に感じられた。
ポイント5:この本の中には、ヘッジファンドダイレクト者が業界no1だという記述があるが、その根拠となる数字がよくわからない。「投資助言契約累計」という見慣れない数字を使っているのだが、ネットで検索しても他の業者は使っておらず、ヘッジファンドダイレクト社のホームページぐらいしかヒットしない。他には、金融庁HPの「金融商品取引業者等に対する証券検査における主な指摘事項」というエクセルファイルが出て来る。
---以下、引用---
○当社は、「投資助言契約累計等」と記載し、当社における当該金額を掲載しているが、一般の投資家は、これを当社の顧客が投資助言を受けて、現に投資している投資額の合算額と誤認するおそれがあり、当該金額に投資助言を受けた顧客が将来積立てる予定の金額を加えたもの等であると認識するのは困難な表記となっている。
---以上---
こんな指摘を受けた数字を使うぐらいなら、業界標準の数字(現契約額)を使ったらいかが?その方が本書の読者のためにもなる。