満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)
著者 宮本輝
昭和36年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は...
満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)
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商品説明
昭和36年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は絵画を愛する少年に成長し、妻・房江はアルコールから抜け出せずにいたが、確かに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは。
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物語の終盤
2021/06/01 09:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊吾はまた会社のお金を横領され窮地に陥る。
これで三度目。
伸仁が読んでいた赤毛のアンの一行を自分に例えて「松坂熊吾に同じ失敗を繰り返すなということは、性格を変えろということになるだろう」と考えながらも、そんな自分の性格による生き方に快楽を感じている自分に気づいている。
歳を重ねて自分を振り返ることが多くなり、事業の勢いも失速気味、物語は終盤になり、軸は父から妻と息子に変わりつつあるようだ。
しかし、読者としては熊吾に暴れまくって欲しい。
流転の海第7部
2017/03/31 14:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aratakadowaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
商売をしていて、こんなに横領や持ち逃げをされる人はいるのだろうか。熊吾はまたしても部下に騙されてしまいます。そして博美とその生き血をすするヤクザの登場で、いよいよ最終的な破滅への足音が聞こえてきそうな雰囲気です。
読み返し必至
2016/11/29 15:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふくたま - この投稿者のレビュー一覧を見る
大長編私小説。
「流転の海」を読み始めてから、もう十数年が経つ。そのとき第三部となる「血脈の火」まで刊行されていたように思う。ただ、続巻刊行まで数年かかるので、登場人物の関係性を思い出すのに、その都度読み返したり苦労します。そこらへんは心得ていらっしゃるのか、さりげなく過去の経緯を織り込んでくださってはいますが。
そろそろ、ストーリーは波瀾万丈な熊吾から伸仁へと移ってゆくのかという気配はあります。時とともに丸くなってきた?熊吾でありますが、まだまだ、松阪熊吾の意地・矜持は捨てきれないし、読者としても持ち続けてほしい。
たまたま、わたしの現住地は松阪一家が事業を興した玉川地区。時代背景も風景もよく分かるし、あれはきっとあそこのことだと想像もつくし、そういった意味でも興味深く、文庫本はあと2巻になるのでしょうか、読破したいと思っています。
起承゛転゛結
2016/11/27 17:14
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投稿者:夏実 - この投稿者のレビュー一覧を見る
弱り目に祟り目みたいな今巻の熊吾。それに反して伸ちゃんは逞しくなり、房江も心に余裕が出来て、主要人物の立場が何か逆転していく様が、これまでに感じたことの無い熊吾に対する悲壮感を感じさせた。
巻末にこれまでのあらすじを、簡潔に1巻毎書き添えて頂いているので、1巻目以降若干おぼろげになっていた記憶の断片を再構築しやすくなっているのでとてもありがたかったです。