上野池之端 鱗や繁盛記(新潮文庫)
著者 西條奈加
騙されて江戸に来た13歳の少女・お末の奉公先「鱗や」は、料理茶屋とは名ばかりの三流店だった。無気力な周囲をよそに、客を喜ばせたい一心で働くお末。名店と呼ばれた昔を取り戻す...
上野池之端 鱗や繁盛記(新潮文庫)
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商品説明
騙されて江戸に来た13歳の少女・お末の奉公先「鱗や」は、料理茶屋とは名ばかりの三流店だった。無気力な周囲をよそに、客を喜ばせたい一心で働くお末。名店と呼ばれた昔を取り戻すため、志を同じくする若旦那と奮闘が始まる。粋なもてなしが通人の噂になる頃、店の秘事が明るみに。混乱の中、八年に一度だけ咲く桜が、すべての想いを受け止め花開く――。美味絶佳の人情時代小説。
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これは人情時代小説であり、ミステリーでもある
2023/05/17 15:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上野・不忍池周辺の「上野池之端」は、
現在でもなかなか風情がある土地だが、
江戸時代にはすでにいくつもの料理茶屋が軒を並べていたそうだ。
そんな中に、この時代小説の舞台となる、
料理茶屋とは名ばかりの三流店の「鱗や」がある。
この「鱗や」に信州の片田舎の村から奉公に出てきたのが
まだ14歳になったばかりに、お末。
この少女と「鱗や」の若旦那が主になって、「鱗や」の立て直しを図っていく。
そんな物語と思いきや、
作者西條奈加が仕掛けたのは、もっと大きなミステリー。
「鱗や」が何故三流店まで落ちぶれたか、そこに人の恨みが重なって、
大きな事件へと発展してゆくのだが。
この『上野池之端 鱗や繁昌記』は料理屋が舞台にだけあって、
おいしそうな料理の数々も描かれている。
「食べる前の期待と、後の満足。このふたつが釣り合って、初めて満たされる。」
これは、物語の中に挟まれた、料理の味わいを表現した一文だが、
小説そのものにも当てはまる。
この作品が発表された2014年、
これと前後して西條さんは『まるまるの毬』を発表していて、
そちらを先に読んだ私は、
この作品を読むのは、まさに読む前の期待にあふれていた。
そして、後の満足も味わえて、
うれしい読書体験となった。
『まるまるの毬』同様、シリーズにもできそうな作品ながら、
これはこれで大団円を迎えているから、よしとしよう。
そんな余韻を残すラストシーン
2016/11/29 11:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
中盤までは繁盛記で主人公お末の奮闘記でもあるがそのお末ちゃん、どうやら見た目はパッとしないものの勘働きは鋭い様で、若旦那に向ける目はなかなかのもので、若旦那が抱える闇の部分を早くから嗅ぎ出して、幽霊騒動では朧ながらにその深層に行き当たる。繁盛記というより鱗や盛衰記と言っていいのかもしれないくらい、単なる料理屋の奮闘記ではないこの物語ではあるが、きっとこの最後の場面を越えたところに繁盛記が続いていくのだろう…そんな余韻を残したラストシーンだった。
お末ちゃんは
2020/11/25 13:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
叔父に騙され江戸の三流料理屋の鱗やで働き始めたお末ちゃん。なかなか仕事に慣れず、同じ女中さんからの叱責を受けるが黙々と仕事をこなしていた。ある日お客さんから泥棒呼ばわりされるが若旦那のおかげで窮地を脱す。それ以降女中さんたちや板場の皆とも仲良くなり、充実した生活を送っていた。しかし、ある日鱗やで幽霊騒ぎが・・・。
お末ちゃんの行く末が気になっていました。ああいう結果でよかったと思います。
続編はないようなので、別の作品を読みたいと思います。
商い本かと思ったら・・・
2020/01/14 16:39
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投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めは、「商い本」かと思ったが、終盤には急展開あり。最後は何とも良い余韻が残りました。
お末ちゃんの成長物語
2017/05/14 14:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ALRIGHT - この投稿者のレビュー一覧を見る
鱗や繁盛記でもあるけれどお末ちゃんの奮闘記でもあり。
辛いことがあっても前を向いて生きていくことの大切さを教えてくれる一冊。
最後の最後まで希望の光が差し込んでます。
かわいい・けなげ・おもしろい
2016/11/15 23:08
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投稿者:管釣りババー - この投稿者のレビュー一覧を見る
この先、鱗やは何処に向かっていくのか、母の境地で見守って行きたいです。
面白いんだけど
2017/03/08 17:49
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
料理の描写あれこれは楽しい。だが大店でもない料理屋の母親と娘がそう頻繁に芝居を見に行くのは不自然ではないかと。かなり値がはったと聞くし。