紙の本
TPP をあたまごなしに否定してはいない
2011/03/08 22:03
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
TPP が日本の農業をダメにし,デフレをもたらして国民に深刻な影響をあたえると主張している. しかし,TPP をあたまごなしに否定しているわけではなくて,TPP は劇薬だともいっている. つまり,うまくつかえば成功する可能性もあることを示唆している. それでも否定しているのは,菅内閣をはじめ現在の政治状況では成功のみこみがないときめつけているからだ. その政治状況がくつがえらないかぎり,TPP をとろうと,すてようと,日本は壊れるのではないだろうか.
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短いながらTPPについて網羅的に学べる良書。「TPPって何?」というレベルの人でも本書を読めば一通り問題点を把握できるようになっています。
タイトルからも分かる通りTPPについて反対の立場から述べた本ですが、推進派にとってのTPPのメリットについてもキッチリ押さえてあるのは好印象でした。
特に面白いのは、TPPによって「外国生産の日本製品」が逆輸入される危険性について述べていることと、地域経済とTPPの関係について考察している点です。また、TPPと農家への戸別補償が両立不可能であることも指摘していて、この一点からだけでも民主党政権が深い考えもなくTPPに飛びついていることが明確になりました。
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なにかと話題に上ることが多くなったTPP。でもその内実はほとんど議論されたことがないように思います。
前回読んだ「TPP反対の大義」では主に農業の視点からTPPを見ていましたが、この本では農業はもとより、それ以外の部分も紹介されます。
TPPというのは「お互いに貿易や調達で制限を設けない」というのが主眼になるため、一度加盟すると、「大きな国になるような」イメージになる、と。ECを連想すると解りやすい、とします。
つまり、日本独自に何かを規制する、というのは農業分野に限らず、非常に難しくなるそうです。
例えば、地方公共団体発注業務はTPP加入国同志であれば金額の制限はありますがほぼ自由に応札が可能になります。また、国境を越えた人の行き来や外国人労働者の受け入れも敷居が非常に低くなります。
たしかに、「平成の開国」と呼ぶにふさわしい踏み込んだ内容なのですが、TPP加入を突然菅総理が言い出したのが2010年10月。このまま今の支持率の菅内閣が閣議決定できるような簡単な内容のものではありません。
きちんと論議を尽くし、総選挙の論点にしてもらって国民の意見を反映してもらいたいと思います。
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自分はTPPに漠然と賛成の考えだったが、反対派の意見も知ってから改めて自分の意見を出したいと思い購入しました。
自分がTPPに賛成していたのは、よくある「農業よりも経済」という意見に賛同していたからです。しかし、この本が最も訴えていることは「農業はTPPの問題の一つにすぎない」ということです。マスコミでは農業ばかりが焦点にあてられていますが、TPPはEPAやFTAと違い、原則すべての貿易障壁は撤廃です。そのために雇用や労働基準も海外の日本より低い基準に合わせざるを得ない。また、海外の安い労働賃金を武器に日本企業に大打撃を与える。さらに政府調達も海外の企業と競合になり、賃金の高い日本の地方企業は大打撃を受ける。さらに国内企業は安い人件費を求めて海外の労働者を雇用し、日本人の雇用が奪われる。など様々な問題が指摘されています。
もちろんこれら全てに賛同できる訳ではありませんが、TPP問題について新たな視点を発見できました。賛成、反対に関わらず一度読んでみる価値はあると思います。
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メディアを通して伝えられるTPPに関する情報が、TPPの1つの側面でしかないことを本書で知った。
本書で著者はTPPに日本が参加することの危険性を訴えている。
TPPは日中自由貿易協定の締結に失敗したことから、急遽代替案として持ち上がったものであり、誰もその全容を把握できていないのが現状。
今の勢いに任せて、TPPに参加してしまっては、経済面で手遅れになる可能性が大いにある。
まずは、国民ひとりひとりが正しい知識を持った上で、論議されることが必要だろう。
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TPPに参加するということは、公共事業の入札に外国企業を参加させ、その結果、税金が海外に消えていってしまう。ようするに国内でお金が回らなくなるということ。これはとてつもなく恐ろしいことだと、是非皆さんに知ってもらいたいと思った。
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ただ単なる関税のフリー化だけではないことがこの本でよく分かった。参加することによるメリットよりもどう考えてもデメリットの方が甚大でありそれこそ日本が滅亡してしまうリスクが非常に大きい。内容を深く精査しこの国の進路を誤らせないよう政権には期待したい。低姿勢だけの野田さんでホントに大丈夫?
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農業がやられ、公共事業も外国資本との競争に晒される。北海道を初め、日本中で反対されていることがわかる。
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TPPについて知りたくて読んだが,この本をよんだらTPP賛成に傾いた
(この本はTPP反対の本です)
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TPPが何かを知りたくて読む。
マクロからミクロの観点でTPPメリット・デメリットの分析されていた。
・日本の経済(経済成長・雇用・地域経済・公共投資・農業)
・日本の企業(製造業・建設業・大手・中小企業)
・国民の生活
外国企業との競争環境がフラットになるTPP。
工業事業ですら外国企業が参入すれば今までの公共投資による
景気対策(地域雇用の創出)すらできなくなる。
ある種のブランドを確立している農産物以外は
低価格化によって存続不可能になる。
具体的にメリット・デメリットを挙げて議論することが大切。
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物物しいタイトルに見えますが、事実だから仕方がない。各業種別のメリット・デメリットや、参加各国の経済状況、シミュレート等がバランス良くあり、大変解りやすかったです。
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途中で大阪都構想の話が出てきてしまい、論点ずれた気がする。もっと平均的な都市を例にシュミレートしてほしかった。
それ以外はそれぞれの立場で議論されていてわかりやすく、はじめの一冊としてはおすすめ。
個人的には
・労働市場について
海外からの労働者はどんな職種がボリュームゾーンで、国内での従事者はどれくらいいて、置き換えられたときに日本人労働者はどうなっていくのか
・農業について
TPPに対抗できる農業がどんなビジネスモデルなのか、参加により自給率はどれくらい下がりそうなのか
が気になった。
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TPPについてニュースで知り、結局どんなものかイメージがつかなかったので、人気があったものを読んでみた。
かなり分かりやすく書いてあったので、あまり経済が詳しくない人でも、十二分に読める。
大阪を舞台に、実際にTPPをどうなるのかという架空の話で、身近にどれだけ影響が出るのかイメージ出来た。
実際、日本に導入するのか否か、導入するとしたら何年後なのかわからないが、この本を読む限りでは、私はTPPの導入は、反対です。
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今なにかと話題のTPP。
その入門書として読んでみては?
テレビなどでは放送されていない事実も明らかに!
【長崎大学】ペンネーム:寒いのは苦手
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元々、ざっと見るだけと思っていたが、1時間以内で終わってしまった。
内容薄い??(笑)
<自分メモ>
●TPP or 貿易協定一般(FTA/EPA)?
事前に思っていたことですが、やはり、TPPに特化した話をしているのか、貿易協定一般(FTA/EPA)の話をしているのかは分けて考える必要がありそう。
この本の論調だと、やはり「『TPPは』反対」という感じのようですね。
賛成派は、全般、反対派は、TPPに特化した話をしている時が多い気がします。
なお、先日、日経新聞で、経済学者の伊藤元重さんと、農法派閥の政治家のTPPの対談がありました。
その中で、伊藤さんは、基本は、貿易協定一般論の議論から賛成なのですが、TPPに(交渉)参加できないと、今後の協定にも参加しにくくなるということをいっていました。
そういうつながりですか。
●輸出の税率低減/手続き簡易化のメリット
この辺に関しては、基本貿易協定一般の話から、考えると基本はほとんどの人が賛成ということのようですね
#反対派もそれ以上のデメリットがある。というところだけですし。
#また、TPPが結局アメリカだけじゃないか。という話は置いといて。
昨日も別のセミナーで軽くみたんですが、日本が元々資源がないこと、成熟気味なこと、周りの国の高成長(あと、10年ぐらいで、中国だけではなく、インド、インドネシア、も日本のGDPを抜く)辺りからも、輸出を増やしていくことを目指すのは必要なのかなと思っています。
●労働環境と外国人労働者
これに関して、「(大)企業 vs 一般の国民」という対立軸を作って、(低賃金の)外国人労働者が入ってくることは、企業にとってはメリットでも、大多数の国民にとってはデメリットという書き方をしているのは、かなり違和感を感じました。
#というか、政治の議論って、この対立軸多いですね。サラリーマンからは票が期待できないから??
企業が恩恵うければ、一般消費者、企業勤務者も必ず恩恵受けるわけで、もちろんメリットだけじゃないとしても、プラマイゼロぐらいではないかと。
また、デフレの正体の議論からすると、生産年齢人口増により、少なくとも経済の観点からすると必ずプラスになる気がします。
●農業問題
最後に、この辺の議論をするときに結局、農業の問題は避けて通れないなと思いました。
食料自給率は、高い方がベターなのは間違いないですが、10兆円もない市場に、5兆円の補助金が必要だったり、自給率がなりないといいながら、土地があっても米を作るのを休止するような状況は、異常と思えます。
これでは、やはり長続きはしないと思いますので根本的な解決が必要なのではないかと。
解決策は、、なんでしょうね。。
やはり、一つは、効率化でしょうか。
先の議論で、海外の人来てもらって作ってもらう手もあるか。。
また、ドライに極論考えれば「食糧危機時への対応」だけを考えるのなら、5兆円の補助金の一部を世界各地への農業支援に切り替えて、いざというときのパイプ強化(単に支援だけなく、日本用の農場作ってもら���とか?土地買うとか??))&入手先増やして地理分散によるリスク低減の方が、堅実な気がします。
#国内だけだと、「米が『全国的に』不作」になるときもありますし。