相変わらずの面白さ
2017/05/04 09:19
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投稿者:光太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まじめな内容ではあるものの、冨山氏らしいライトな口(文)調で、サラリと読める。
魔法の杖か、恐怖の黒船か、典型的なバズワードとして、何やら扇情的な印象の書籍等が多い中で、冷静に経営の視点から書かれた「地に足のついた」「肌触り感のある」本書は、良書ではないでしょうか
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投稿者:KKキング - この投稿者のレビュー一覧を見る
既に訪れつつあるAI・IoT時代における経営論。日本企業の問題点を浮き彫りにしながら、これからの会社のあり方を指南してくれる。
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・すり合わせ、すなわちAとBをなんとか折り合いをつけて足し算するのが得意。どちらかを捨てるのは苦手。作り込みを過剰にやってしまい、桁違いに安いコストで標準モジュールを作るプレイヤーに太刀打ちできなくなる。
日本的経営とは、同質性、連続性、すり合わせ、ボトムアップ、コンセンサスの経営、あれも、これもの経営だが、それを致命的欠点としないために、あれか、これかの選択の為の経営のリーダーシップ、トップダウンが必要
・不確実なことは不確実なものとして経営すること、これが歴史からの学び
・時代遅れの著作権法がディープラーニング革命の足かせになっている
・役員にダイバーシティが見られないのでは、オープンで風通しの良い組織風土は望むべくもない
・通常勤務の終身雇用で働く人と、天才的な技術者は生み出す価値がまるで違う。そういう人に対して、他の社員と一緒に毎朝社訓を三回唱和しなさいなどと言えば、辞めるのは当たり前。関係ないのだから。
・上司が何を正解と思っているかを一生懸命探るようになる。あるいは、事前調整をして保険をかけるように人間が進化してしまう。そういう仕事はAIにどんどん置き換えられてなくなっていく。
・ピラミッド型組織をフラットにうまく改められないと、結局ITフェーズで負けてきた事を繰り返す事になる。人間の作業を置き換えて、レイヤーを減らすためにITを導入したはずなのに、かえって余計なレイヤーを挟み込んで、データのとりまとめや調整作業に人手をかけてしまうので。
・AP通信は既に「ワードスミス」というAI記者に企業業績に関する記事をかかせている。日経新聞でも「決算サマリー」サービスを開始した。そもそもレポート作成はAIに任せた方が簡単。業績が悪いと部長などが介入して言い訳じみた文章になる。そういう仕事を減らしていかないと無駄な時間をつかって意思決定にスモークをかけていることになるので、競争力がなくなってしまう。間に人がいなくなった方が作為をする余裕がなくなるので、二重の意味で良い
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「GとL」という形でグローバリゼーションとローカライゼーションを、競争ルールや戦い方が全く異なる社会であるということを明示して見せた著者が、AI・IoT・ビッグデータ時代における日本の競争戦略についての考えを示した一冊。
私なりに要約すると、著者の主張は以下のようになっていると思われる。
・これまでのデジタル革命(Digitalization)は、垂直統合から水平分業への産業構造のシフトにより、顧客フロントを握ったPFer(Google、Apple等)や、標準化/デファクト化されたキーコンポーネントを持つ企業(Intel、Qualcomm)といった一部の水平レイヤーに大きな収益が集中する格差を生み出した。具体的には「第1期:コンピュータ業界(IBMからウィンテル)」や「第2期:BtoCのエレクトロニクス/情報通信・メディア業界」が該当する
・来るべきデジタル革命の第3期は、これまでとは異なり、「リアル」で「シリアス」な世界、つまり自動車や医療、重電のような業界が対象となる。これらの業界の特徴は人々の生命や安全に直結する業界が多く、かつソフトとハードをすり合わせる必要があり、ハードの運用保守も必要になるなど、第2期におけるtoC事業を主体するweb系企業がそのままでは参入しにくい特徴を持つ
・むしろtoC主体の第2期では負けたものの、自動車・製造業など「リアル」で「シリアス」な世界に強い日本にとって、第3期は十分主役に躍り出れるポテンシャルを有している。そのためには、グローバルで活躍する天才技術者を特別な人事設計の元で囲い込み、大学との産学連携で技術や人を育てるなど、これまでとは異なる競争戦略を急ぎ取るべきである
第2期と第3期でプレーヤーの様相が変わるはず、という指摘は私としても非常に強く同意するところである。例えば、バーチャルかつtoCが主体の第2期の世界で戦ってきたDeNAは、第3期を代表する自動車産業に自動運転技術の開発という形で参入しているものの、個人的に上手くいくとは思えない。「welq」の騒動を思い起こすまでもなく、webの世界とリアルな世界ではそこで求められる安全性や信頼性が桁2つ・3つは違うという点を、彼らはどこまで真摯に考えていることか。
最後に、タイトルは編集者が決めたのではないかと思うが、偏差値40レベルの頭の悪いタイトルであり、本書の内容と完全にずれている点が残念。
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デジタル革命の主戦場はバーチャル・サイバーからリアルフィジカル、G(グローバル)からL(ローカル)、C(カジュアル)からS(シリアス)に遷りつつある。すなわちfacebookのようなバーチャルだけで成立していて世界を巻き込む潮流を起こす娯楽性の高いITではなく、現実社会でローカルな市場でのビジネスをデジタルツインにするITが日本の発展に繋がると語る。AIやIoTをどのように活用するかということについて、テクノロジーの問題というより経営課題として日本型経営の良いところ(連続的かつ集合知的な技術の蓄積など)を生かしつつ、悪いところ(何でも独自、自前主義など)を改めてクローズドとオープンのハイブリット経営でいかに儲けるかを指南します。
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しょせん当たらない予測に時間とカネを使うことよりも、予測不可能なイノベーションがもたらす変化に迅速かつ鮮烈に対応できる組織能力、経営能力、すなわちwhen,how,whoに関わるもっと根源的な戦闘能力を高めておくことのほうが、革命期においては重要な意味をもつ
過度の焦燥感や無用な悲観論に流された情緒的な経営判断の誤りは、確実に「負ける」原因、「稼げなくなる」理由になるのだ
イノベーションを起こすのは自社以外である確率であることが圧倒的に高い
事業ポートフォリオ、機能ポートフォリオの入れ替えを常態的かつ臨機応変におこなえない企業は、非常にヤバイ状況に追い込まれる
人間の苦手のところから置き換わるのが道具の基本原則
超優秀はエンジニアに働いてもらうには
人材のシェアリングエコノミー
人を雇い入れるとしても、ライフタイムxフルタイムで囲い込むことは最初から諦める。このテーマで5年間やってください。場合によっては副業もOKですよ。という形にすればいい
世界選抜のリーグ戦 会社組織モデルと相性がよくない
チーム単位で動く トヨタの人工知能研究所TRIがギルプラットを採用すると彼の仲間がごそっりついてくる
超優秀は人材が楽しんで働ける環境を用意する
プロフェッショナル型組織とサラリーマン型組織
日本的経営とは、同質性、連続性、すり合わせ、ボトムアップ、コンセンサスの経営、「あれも、これも」の経営。
「あれか、これか」の選択のための経営リーダーシップ、トップダウン的要素を適時、的確に作用させるしかない
スマイルカーブ現象
大胆にすてる経営が求められる
不確実なものは不確実なものとして経営すること、これが私たちが賢者となるための「歴史からの学び」なのである
従来型のネットビジネスの活路は、「ライブ」x「タイムゾーン」戦略にあり
ローカル経済園を構成する産業の多くは対面型で、サービスを提供する人間がリアルかつリアルタイムでそこにいなくてはならない同時同場型のビジネスなので、グローバル化が進んでも空洞化しにくい。ユーロ安、低い法人税率、労働市場改革で製造業絶好調に見えるドイツでさえ、ほぼ日本と同じで、約8割の労働者はローカルな産業で働いている
インダストリー4.0とは、トヨタが系列内でやっていることを、欧米のよりオープンな環境でもできるかという問なのだ
AIが人間に勝ったこと自体は驚くに値しない。あえていえば、この勝利はAI開発者が棋士に勝ったというのが正しい
コマツ 競争領域と協調領域のメリハリをはっきりつけ、かつ産業構造の変化を先取り
ハードウエアのメカニズムの部分、中でも生産技術で圧倒的なノウハウをもっており、そこが自分たちの唯一無二の強みだと知っているから、コアになるダントツコンポーネントは国内のマザー工場で徹底的に作り込み、その核心部分はだれにも明かさない。しかし勘定系猫舞はもちろん、生産管理でさえ協調領域と位置づけ、ERP(統合基幹業務システムソフト)の標準ベストプラ���ティスを徹底的の取り入れる。
その一方で、稼働状況のモニタリングを通じた市場動向の早期把握、盗難対策、販売与信やメンテナンス、さらには無人運動サービスといった、付加的だが、産業のサービス可(スマイルカーブ化)が進めば、競争上、決定的な意味をもつサービスについてh,自分たちに強みがないことがわかっているから、どんどん外部の技術を取り入れて、自前のハード技術にGPSやAIといってデジタル技術を連動させて、サービスを先行的に展開する
オープンイノベーションといいながら、またぞろそのためのAIを自分たちで開発しようとする傾向が見て取れる。すでに有効な技術があるのだから、それをパクればいいのに、自力で画期的なAIを作ると言い出すのは、日本企業の悪い癖だ
スマイルカーブ ある製品のバリューチェーン全体を見た時に、川上(企画、設計、部品)と川下(販売、メンテナンス)側の利幅が厚くなる一方、真ん中の製造工程(組み立て)はほとんど利幅がとれなくなる現象 口角を上げた口の形にみえることからそう呼ばれる
ドイツは2面作戦 従来型 ダイムラー、BMW
モジュラー型 フォルクスワーゲン、ボッシュ、コンチネンタル
コンチネンタルはマイナーなタイヤメーカーだった。いつのまにか買収でモジュラーメーカとなる
日本ならデンソー
メカトロニクスの分野は、見える化しにくいアナログ的なノウハウがたくさん詰まっている。製品を分解したからと言って、量産ベースで同じものが作れるわけでないというところが、メカトロニクスの産業障壁になっている
中国はドローン止まり
日本企業にトワえるのは、割り切れるかどうか、捨てるべきものを捨てられるかどうか、日本企業がもっとも苦手としてきた捨てる経営ができるかどうかなのである
よそから持ってきて済むものは、自社開発をやめて外部から調達すると割り切れるかどうか。ライセンスを買ってきたり、人材を引き抜いたり、そうした技術を取り入れたりやり方は様々だ
自前主義との戦いは人間本性との戦い
コマツ コムトラックス ロシアのベンチャーの技術 自動運転ダンプ、地形そ測定するドローン 米国のベンチャーの技術
コマツはおそらく、ソフトウエアやアルゴリズムの世界には自社固有の優位性がないとわかっているから、どんどん外部から買ってくればいいと考えているのではないか
M&Aがうまくいかないのは、買収した企業に対する社内ん反発ややっかみを抑えきれず、自分たちと同じ土俵に載せようとするからだ
社内のやっかみをうまないために特区は海外にあったほうが安全だ
向こうのテック系ベンチャーに日本式の整理整頓を強要するな
ソフトウエアアルゴリズムの世界はスピード勝負なので、いかに高速に失敗できるかにかかっている
ローカル型産業こそがリアルで、シリアスな世界のビジネスの極地 小売、飲食、宿泊、運輸、物流、建設、医療、介護、農業といった地域密着型の産業群は、まさにリアルな人間がリアルな現場において対面型で財やサービスを提供する、最もリアルなビジネスばかり
デジタル革命の波が押し寄せても、生��の人間や現物で構成されるリアルな世界はどこまで行ってもリアルだ
個別企業の戦略としても、お互いに思いっきり差別化していかないと、共倒れの危険がある。個別企業としてもレッドオーシャンでの消耗戦を回避できるという意味で正しい。「稼ぐ力」をもっとも減殺するのは、何と言っても競争、特に過当競争状況なのだ
ゲゼルシャフト的 機能的組織、利益集団
ゲマインシャフト的 共同体的組織、ムラ社会
日本人が変わるときは諦めた時
我慢して、我慢して、我慢しきれなくなったら、一斉に変わる
ダサい日本の企業を受けに行くのはイマイチな東大生が多い
テキストベースでAIに最初に置き換わるのは報道だ
半沢直樹は権力闘争をしているだけ、「住友銀行秘史」「バブル」を読んでも、出てくるのは本質的な改革を先送りするためのダーティ・ワークと権力闘争で、これだけ優秀な人たちが収益と関係ないことばかりやっていれば、日本経済が衰退するのも、あるいみ当然なのかもしれない
ソフトバンク 3兆円でARM買収 生産設備はまったく持たず、設計に特化した開始 人的資本が企業価値の大半をしめる つまり、アームというブランドらライセンスに価値があるのではなく、それを生み出す3000人のエンジニアに価値があるのであって、個人的には、純粋に人的資本の会社をあれだけ大枚をはたいて買う意味がわからない。
それだけお金があるのであれば、優秀なエンジニアを全員引き抜けばいいのだ
人に投資するのであれば、企業買収よりも引き抜きのほうが効果的
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AIに特化した内容ではなく、テクノロジーと戦略・経営の話である。
AIというかテクノロジーに関して、C(カジュアル)の世界、S(シリアス)の世界といったの独自のフレームで上手く整理している点は流石。
自分が、自動運転やヘルスケア等々の最近のネットベンチャーの動きに対して感じていた違和感が見事に解消された。
そして、改めてリアルとデジタルを早期から押さえているamazonの凄さに驚く。
後半は、ここ数年おなじみのGとLの話題なので、やや食傷気味。もちろん、進化はしているのだが。
自分はGの世界に行けるのだろうか。。。
It is not contents specialized to AI, it is a story of technology, strategy and management.
Regarding AI , recently trend is clearly organaized by unique frame C world and S world.
This solved my doubt caused to recent movements of Net ventures such as automatic driving , healthtech.
And am surprised by the viewpoints of amazon which holds real and digital from early on.
The second half is a topic of G and L familiar in recent years, so it seems little bored. Of course, it is evolving.
I wonder if I can go to the world of G. . .
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タイトルに騙された。何やら「AI経営」というものを活用した企業再生ストーリーを創造したが、実際は表紙を開けたブックカバーにある、「起業再生の第一人者が伝授するAI時代の経営論」が適切。この手のストーリーについて、著者の冨山さんはブレなく一貫としており、その主張も非常に腹落ちする一方、他の著作との違いがはっきりしない。読みながら、「この前に読んだ、冨山さんの書籍と何が違うのかな?」というクエスチョンが常に脳内に付きまとう。
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○デジタル革命がバーチャルの世界からリアルな世界へ移ってきており、「シリアス」(人の命に関わる)(自動車、機械、重電、サービス業、農業)へ。
○インダーストリー4.0は生産管理をIoTによって個別の工場や企業の枠組みを超えて最適化し、資産の活用効率や回転効率を飛躍的に高めようとしている話にすぎない(在庫などの流動資産についてはトヨタのカンバン方式と同様であり、固定資産であればシェアリングエコノミーのようなもの)。
○デジタル革命ではビジネスサイクルの短命化、製品・サービス・機能のモジュラー化、スマイルカーブ現象、小さいこと・若いことの優位性の向上、トップの経営力の時代はほぼ確実に起こる。
○日本は人手不足であるためAIによる労働代替を進めるチャンス。ロボット好き文化(宗教的タブーなし)も逆に無駄につながる可能性はある。
○多くの先端技術領域で、開発競争は既存の企業単位での競争要因ではなくなっている。世界中の多様な投資機会をポートフォリオ的にとらえて投資管理する能力を競う世界へと変質している。
○ハードウェア技術に関してはクローズド型組織のほうが有利であり、比較的同質な集団が長期間にわたって連続的に働く日本企業が有利。
○ローカル型産業、中小企業こそがAIによる労働生産性工場の恩恵を受けられる。
○伝統的なターゲティング政策は通用しない。他方でレッセフェールであっても市場は失敗し、企業単位の最適化が国民経済的な全体最適につながるとは限らない。国の役割は、それぞれの事業者が唯一無二の独自路線をいくことを歓迎すること、すなわち、余計な指針やターゲットを設定しないこと。次に規律が経営に働くような制度整備すなわち企業統治の強化が必要。破壊的イノベーションを無理に押さえつけても世界の別のところでそれを達成したプレイヤーに国内の既存プレイヤーは滅ぼされることを歴史が証明している。イノベーターがいち早く社会実装に挑めるように規制改革などの制度整備を行うことや、産学連携・産学協働を含めたイノベーション
・エコスシステムの整備が(攻撃は最大の防御の観点から)重要。
○企業は、超優秀な人材が楽しんで働ける環境を用意するべき。そうした人材は一つの企業に固執しない。
○一握りのグローバルエリート以外はローカルに居場所を見つけられるようにすべき。国の7、8割の経済はローカルな産業が占める。Gの世界とLの世界はますます分断されていく。
○歴史的に見れば、人間にとって快適なことが仕事になっていく。
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AIの日本へのインパクトが良く分かる。授業の教科書にも使えるかも。日本が何に注力すべきかが良く分かる。
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巨人と西武じゃないほうの、「GとL」に関する発言で話題になった、おなじみIGPI(経営共創基盤)の冨山和彦さんの一冊。
GとLに、続いて今回はC(カジュアル)とS(シリアス)という軸で異質な2つの領域をわかりやすく解説し、両者がいかにAIと関わることが今後良い結果を生むか等についてわかりやすく解説されていました。
GとLにしても、CとSにしても、どちらがよくてどちらがわるいという話ではなく、そのいずれもがあってこそ世の中はうまく回るということで、私はこれからもLの世界で生きて行くわけでございます。
付箋は、なんと大量の46枚付きました。
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今後、Lの世界(ローカル)かつSの領域(シリアス)にビジネスが進んでいくことは超納得。グローバルITプラットフォーマーが参入しづらい領域で、どう面倒くさいことを厭わずに足場を築けるか。それには旧来のスキルや戦い方だけではだめで、AIを始めとしたテクノロジーをうまく活用しましょう、ということ
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図書館で借りた1回目は途中で断念(返却期限までに読み終わらず)し、2回目のチャレンジ。また断念しそうになったけどなんとか読み切り。最後の方の、私たちのこれからの働き方のとこに私のこれから生きる方向性のヒントがあったような気がする。自分はグローバル人材ではないことがよく分かったし、それでいいと思った。
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最近感じている、「何となく世界ってこんな風に動いてる?」が活字化されていて、すっきりした。ただローカルに対する思い入れは、筆者の現在の立場もあり、やや強すぎるように思う。海外現地法人のローカル化は、新興国では筆者が言うほど進んでおらず(それが弱みであるといえばそうなのだが)、それに一時的にでも対処できる人材(経営×英語or現地語×技術)のニーズは高い。彼らは中継ぎで、世界ランクが多少低くても構わない。そういった人材すら確保できていない日系大手企業は、今後のあり方が求められていると思う。
以下内容メモ
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これからは、デジタル×ローカル×シリアスの世界。
第一期:IBM→wintel(コンピュータ)
第二期:ソニー→アップル(AV、通信)
第三期:IoTがリアルな全産業へ
今後起きること
ビジネスサイクルの短命化
製品・サービス・機能の標準化・モジュラー化
スマイルカーブ現象
(バリューチェーンの真ん中は儲からない)
小さいこと若いことの優位性向上
※疑問)シリアス領域でも??
→経営力の時代へ
これからは限界費用ゼロ→完全競争へ
スイッチコストないため広告モデルも市場原理へ
サイバー空間で完結するネットビジネスの終わり
(唯一ライブコンテンツ配信はコト消費社会なので伸びしろあり)
日本は少子高齢化で人手不足のため、AIで生産性をあげても反発されない稀有な国。既に製造業はカンバン方式などで生産性が高いため、サービス業に効果を見込む。
AIはERPのように皆が使い始める分野なので、使わないと取り残されるが、自社開発は時代遅れになる可能性あり。
先端技術領域はアカデミズムとの連携&投資機会のポートフォリオ化・管理が必要。過去を見ると、製薬業界の再編が参考になる?
自動車はモジュラー化、デンソーもボッシュのようにティア0.5化するべき。
精度と耐久性が必要な分野は長年のノウハウで材料技術へ行き着くため、中国よりドイツや日本に利あり。
オープンで不連続なイノベーション(ソフトウェア)の世界と、クローズドで蓄積的なイノベーション(ハードウェア)の世界の統合がキー。
また同時に、グローバル企業とローカルチャンピオンとが手を組むことになる。
会社の枠を越えたオープンイノベーションスペースをつくれるか?ベンチャー、大企業、研究者…。
日本の組織が変わるのは諦めたとき。外資系経営者の経営Whatの追求は企業文化の変革にはならない。
企業の中央研究所はクローズドなので、大学に立場を奪われ、産学連携が今後の鍵になる。
AIによってレポート作成は容易になり、中間管理職の仕事は減るため、ローカルな中小企業の経営陣にシフトしていくべき。
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富山節が炸裂した、AIによる日本の可能性と取り組む道、考え方についてしるされた良著。
<メモ>
・革命的なイノベーションの波に飲み込まれた業界においてビジネスの世界での勝ち負けはあくまでも急速に変化する環境の中で、構造的持続的に稼ぐことのできるビジネスモデル、競争モデルを先に構築できたかどうか。
・確率論としてはイノベーションを起こすのは自社以外である確率の方が圧倒的に高い。
・新鮮なリアル性を持たなければマネタイズが難しい時代になってきている。日本のライブイベントは唯一無二の競争障壁ともいうべきタイムゾーンの優位性を持っている。
・世界中の多様な投資機会をポートフォリオ的に捉え、投資管理する能力を競う世界。
・社内のやっかみを生まないために特区は海外にあった方が安全。いかに必要最小限の的確なガバナンスを効かせられるか。いかに優秀な人を白けさせないか。ケイパビリティをいかに高めるか。
・地域の領域は、いかに地域や顧客との関係で密着度と密度を高めるかが重要。密度の経済性をいかに高めるか。地域の覇者、商圏の覇者になることが重要。拡大時は先に密度を高め、確固たるポジションを確立してから隣接地域に滲み出して、新たな地域ドミナントを築いていくこと。
・物流も電話もラストワンマイルは基地局設置などベタな商売なのでグローバル化することにシナジーがほとんどない。コストの大半がローカルで生じていて、国際的な共有コストがあまりないからグローバル化するメリットがない。
・エコシステムとして経済社会全体を捉え、G型企業とL型企業の共存・相互補完モデルはもちろん、デジタル革命の中でさらに多様化し、流動化するビジネスモデルや経営モデルが全体として国民経済の持続的発展に資するよう機能させることが重要。
・世界中で集約産業化が進んでおり、高い生産性、高い賃金を実現し、高い企業価値を作っていこうと思えば、大量生産モデルを頭から排除しなければならない。