電子書籍
キャスターという仕事
著者 国谷裕子著
今という時代を映す鏡でありたい──.従来のニュース番組とは一線を画し,日本のジャーナリズムに新しい風を吹き込んだ〈クローズアップ現代〉.番組スタッフたちの熱き思いとともに...
キャスターという仕事
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キャスターという仕事 (岩波新書 新赤版)
商品説明
今という時代を映す鏡でありたい──.従来のニュース番組とは一線を画し,日本のジャーナリズムに新しい風を吹き込んだ〈クローズアップ現代〉.番組スタッフたちの熱き思いとともに,真摯に,そして果敢に,自分の言葉で世に問いかけ続けてきたキャスターが,23年にわたる挑戦の日々を語る.
目次
- 目 次
- 第1章 ハルバースタムの警告
- スクープ930/ニュースとNHKスペシャルとの間で/ハルバースタムの警告/言葉の持つ力/テレビ報道、三つの危うさ/風向きの原則
- 第2章 自分へのリベンジ
- 英語放送からのスタート/駆け出し時代/ 「伝えること」の出発点/ジャーナリズムへの入り口/誰も観ていないテレビ/大学か、それとも仕事か/挫折/なりたい自分が見えた/時代の現場に立つ/歴史が私を押し出した/試練のインタビュー/リベンジの時
- 第3章 クローズアップ現代
- この人、大丈夫なの?/私の役割は何?/初めての政治家インタビュー/時代の変化に背中を押されて/初めての震災報道
- 第4章 キャスターの役割
- キャスターとは何者か/クローズアップ現代の構成/キャスターの役割=視聴者と取材者の橋渡し役/キャスターの役割=自分の言葉で語る/キャスターの役割=言葉探し/細分化する言葉
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紙の本
国谷裕子氏による硬派なキャスター論。さすが岩波新書!
2019/08/31 21:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKクローズアップ現代のキャスターであった国谷裕子氏が23年に渡る番組を振り返りつつ、キャスターという職業への矜持を述べる1冊。著者が地に足のついた国谷氏、しかも出版が岩波新書という組み合わせ。内容は期待を裏切りません。
原稿を忠実に正確に伝えるのがアナウンサー、伝える言葉を自ら探し出すのがキャスターという明確な区別から始まり、キャスターとして守り続けた事を番組制作の裏側を紹介しつつ述べています。平日に毎日4日間連続で放映された「クローズアップ現代」の舞台裏は非常に興味深い描写でした。
国谷氏が述べるキャスターの仕事とは1.視聴者と取材者との橋渡し、2.自分の言葉で語ること(自分の主観を表現するのではない)、3.新しい価値観を持った事象に的確な言葉を探すこと、4.インタビューの4つです。それぞれへのこだわりが明確に理路整然と述べられています。
「人気の高い人物に対して批判的に切り込んだインタビューをすると想像以上の反発があるが、それでも訊くべき事は聞かなければならい」、「安易に視聴者の感情に寄り添うばかりに問題の複雑さを切り捨て、”分かり易さ”ばかりを追い求めていないか」等々、示唆に富む文章が満載です。
民放が芸能人ゲストを集めてクイズ形式みたいなニュース解説番組を放映し続ける昨今、改めて報道番組とはどうあるべきかというテーマについて正面から切り込んでいるのが非常に好感を持てました。
紙の本
あたかも真剣勝負
2018/05/19 08:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
岩波新書の『キャスターという仕事』を読みました。
著者は国谷裕子、NHKの<クローズアップ現代>で長年キャスターを務めた人です。インタビューの仕事、キャスターの仕事にむきあうさまが、あたかも真剣勝負に臨む剣豪のような覚悟を持っていて、すごい、と思いました。
紙の本
自信と危機感と
2018/03/04 16:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「クローズアップ現代」のキャスターとしてテレビカメラに長く向き合って来た著者が、自身の半生と番組を振り返って、テレビ報道の持つ力の危うさを訴える本です。「クローズアップ現代の国谷キャスター」だからこそ書ける内容がたくさん盛り込まれています。大物政治家へのインタビューの緊張感、テレビに映らない製作サイドのやりとりには臨場感があり、読み物としてもとても面白いです。
本の最初と最後にテレビ報道のありかたに警鐘を鳴らした「ハルバースタムの警告」に言及しています。著者が最近のテレビ報道に強い危機感を抱いていること特に感じました。視聴者を思考停止に陥らせる報道のありかたを批判する背景には、著者自身が「クローズアップ現代」の存在意義に大きな自信を持ち、そのキャスターを長く務めたことに強い自負を持っていることの表れなのでしょう。キャスターとして誇りある仕事を追及し続けた著者の姿勢を尊敬します。
紙の本
報道とキャスターという仕事
2017/08/06 12:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あちゃこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日々 国内や世界中で起きている様々な社会問題、紛争などについて
深く掘り下げ 向き合ってきた著者が 、キャスターとして悩み 真摯に向き合った23年間を振り返る。
報道の危うさ、言葉の持つ力と危うさ、相手の話を聞く力、多角的に検証すること、視聴者の受け取り方 等 この仕事の難しさを感じさせる。
紙の本
聞く力
2017/05/14 04:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔からテレビは嫌いだし、とりわけて役所的な体質のNHKは好きになれないのだが、そうした組織の中で23年間、「クローズアップ現代」とともに過ごした国谷氏の成長記と捉えて読めば、それなりに興味深い。ただ、スタッフの中に殆ど女性がいない現実は、NHKでもかと絶句させられた。これでよく、番組が作られたものだ、とも。キャスターという約回りの受け止め方、またインタビューの難しさはよく伝わってくるし、故・高倉健氏のエピソードは心に響く。ベストセラーとなった阿川佐和子氏の「聞く力」の比ではない。一言、付け加えるなら、前述のNHKなる組織の有りようとは別になるが、国谷氏にこれだけの仕事ができ、23年間も続けられたのは、NHKという大きな看板があってこそ。それを忘れてはなるまい。
紙の本
クローズアップ現代ここにあり
2017/03/31 17:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆるゆるゆる太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クローズアップ現代が今なお、続いてきたのは国谷さんがキャスターとして番組の顔に
なったからではないかと思います。失礼ではありますが、アナウンサーでもなく報道の世界
にまったく、身を置いていなかったからこそ素人目線で今、何が問題であるのか・・・・それこそが、視聴者に受け今なお続いてこれたのだと思います。
紙の本
報道の言葉の威力と危うさと
2017/03/19 01:08
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「言葉の重要性を忘れさせてしまうテレビで、今、言葉はむしろどんどん重要になってきている」
「一番伝えたいことは何ですか。『ガールズプア』という言葉で括られてよいのだろうか。番組タイトルは『明日が見えない~深刻化する若年女性の貧困』に変わった」
「『ねじれ国会』という言葉がメディアで頻繁に使われていた。『ねじれ』状態を解消することが正常であるとの見方を流通させることにつながったとは言えないのだろうか」
「本来同調圧力に抗すべきメディア、報道機関までが、その同調圧力に加担するようになってはいないだろうか」
以上はキャスターとして、「言葉が勝負の職業」としての国谷さんの問いかけであり、日々、真摯に「クローズアップ現代」に取り組んできたからこそ本書に記された言葉だ。
残念ながらクローズアップ現代は終わってしまったのだ。今10時台で放映されているクローズアップ現代は、かつてのものではない。またどこかでこんな報道番組に出会いたい。
紙の本
『キャスターという仕事』
2017/03/11 20:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHK〈クローズアップ現代〉で23年、3784本を放送したキャスターが
番組とともにすごした時間をふりかえる
「この本は、言葉の力を信じて、
キャスターという仕事とは何かを模索してきた旅の記録です」
──著者から読者へのメッセージ(カバー)
番組改編、キャスター降板から10か月
いま伝え、残しておきたいことを抑制された筆致で書き記す
岩波新書らしい読み応えのある内容
紙の本
一方通行にならないか
2017/02/14 19:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKのクローズアップ現代でキャスターを務めていた国谷裕子さんがNHKとの関わりや番組を通じて考え、行動してきたことを直截に語っている。元のクローズアップ現代は午後7時半からの放送時間帯なので、視聴する機会は多い方ではなかったが、キャスターの国谷さんとゲストとのインタビューやコメントが印象深い。画面を通じて感じられる人柄がそのままにじみ出る文章である。全力投球だ。
インタビューをする立場の経験はないが、インタビューを受ける立場に立ったことはある。マスコミの中でも、映像が出るテレビは他のメディアとは違う。慣れない人間にとってはカメラを向けられるとドキドキものだ。組織を代表する形でコメントするのも事前の周到な準備が必要である。受けたインタビューは切り取られたシーンと言葉だけが放送局側の筋書きの一コマに使われていた、という経験が多い。
自分自身が体験した新聞報道について言えば、半分位は事実誤認、知識不足等が原因で誤りを含む内容である。自分が知らない分野のことも屹度そうではないかと推測しているので新聞記事は半分疑って見ている。
国谷さんの人間の半生を見せてもらった本であり、佳品だとは思うが、マスコミの報道内容にはいまひとつ信頼がおけない。