電子書籍
宇喜多の捨て嫁
著者 木下昌輝
五冠達成! 驚異の新人、衝撃のデビュー作戦国時代の備前の国で宇喜多直家は権謀術策を縦横無尽に駆使し、成り上がっていった。腐臭漂う、傑作ピカレスク歴史小説見参!娘の嫁ぎ先を...
宇喜多の捨て嫁
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)
商品説明
五冠達成! 驚異の新人、衝撃のデビュー作
戦国時代の備前の国で宇喜多直家は権謀術策を縦横無尽に駆使し、成り上がっていった。
腐臭漂う、傑作ピカレスク歴史小説見参!
娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名・宇喜多直家。
裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体……。
高校生直木賞、オール讀物新人賞、舟橋聖一賞、咲くやこの花賞、歴史時代作家クラブ賞の5冠達成!
特別収録・高校生直木賞ルポ。
【目次】
宇喜多の捨て嫁
無想の抜刀術
貝あわせ
ぐひんの鼻
松之丞の一太刀
五逆の鼓
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
梟雄、宇喜多直家の新たな捉え方
2017/06/14 23:28
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はる - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編が6つありますが、一つの小説としても完成された作品です。
宇喜多を知らぬ人が読んでもとても面白いと思います。
母を捨て、妻と4人の娘を利用し捨てた非道の人物『宇喜多”和泉守”直家』
第一篇では四女のオヨウの視点で始まります。
最初、残忍な父だという印象を直家に持ちますが、
その後は直家の幼少で始まり時系列にそって進行するなかでその印象も変わります。
祖父を仕物(暗殺)され母と2人で路頭に迷った幼少から
主人である浦上宗景を追い越すまでの流れは非常に爽快です。
梟雄になるまでの展開も違和感なく
直家が切り捨てなければならなかった”情”を思うと
乱世の残酷さを感じます。
これまでの直家の評価である”梟雄”について
大変面白い視点で語った名作です。
紙の本
見事な完成度
2018/05/02 14:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者はこれが単行本デビューなんですね。
フリーライターもされていたようですが大学も理工系ですし、こうした作品を物にする素養をどのように鍛え蓄えてきたのかに興味があります。
それにしても素晴らしい才能だと思いました。
この作品以降も次々と新作を発表されているようで、それらを読むのが楽しみで仕方ありません。
6編の短編で構成された長編とでも言うべき凝った作りの作品でした。
歴史小説では案外珍しいスタイルではないでしょうか。
6編それぞれで主人公は変わり、物語の視点が変わることで「宇喜多直家」を様々な角度から見つめることになり、多方面からその人物像が描かれいます。
そのことで、全体を読み通した時に本作品全体の主人公である「宇喜多直家」がありありと浮かび上がるような感じでした。
親殺し、主殺しなど、ある意味徹底した悪名で乱世の梟雄と言われるような武将のありよう、生き方を、読んでいる者に受け入れざるを得ないと思わせる快作でした。
例えば、戦場で敵を殺すことは、味方からみれば正義で勇気ある行動した勇者でありますが、殺された側からは憎んでも憎み切れない許されざる者となる。
真面に戦えば何百もの死人が出るだろうところを、謀をもってだまし討ちとも言える形で殺すことで味方だけでなく敵の死者の数までもを抑えることをを単に卑怯や卑劣だと言うことができるのか?
悪とは何を持って判断するのか?
等エンターテイメントでありながら、とても考えさせられる内容になっています。
不孝・不忠を譏ることは簡単でしょうが、下克上など当たり前の戦国時代と言う、人の命がある意味軽んじられた世の中で生き抜く「宇喜多直家」の覚悟には同情や理解を超えて清々しいものすら感じられる読後でした。
紙の本
巧みな展開で
2022/06/05 10:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
連作短編集。全編凄まじい裏切りと暗殺が描かれている。登場人物やテーマが間隔をおいて繋がってゆき、主人公の宇喜多秀家を浮かび上がらせてゆくという、非常に巧みな構成を取っている。宇喜多秀家は、単純明快、勧善懲悪のまるっきり反対側の人物なので読者の興味は引きにくいだろうな と最初思っていたが、巧みな展開で一流のピカレスク小説に仕上がっている。
紙の本
短編の構成が物語を下支えていることに読み終わった後に気がつきます
2018/03/06 18:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hontoカスタマー - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪人として一般に認知されている宇喜多秀家をこう料理したかという短編集。6篇の短編はそれぞれ独立していますが、6篇が全体の構成の中に組み込まれていて、1冊で宇喜多秀家の生涯を垣間見ることができます。このような構成はよくあると思うのですが、全体の時間の流れに戸惑いを感じながら読み進みます。第1編の表題作『宇喜多の捨て嫁』のあと、時代が秀家の幼少時代に一気にさかのぼります。そこから改めて時間が下っていくのですが、短編の中でもたびたび、区切りを境に2,3年後経過していたり、作品同士で時間がダブっていたりと、違和感というか戸惑いを感じながら読んでいました。
しかし、その違和感も、最終まで読み終えると全体の構成が明らかになり、作者がなぜこの構成にしたかという意図を知ることができます。その意図とは、ある意味ネタバレになってしまうので読んでもらうしかありませんが、読み終わると思わずまた最初の表題作を読んでしまうのは私だけではないと思います。言えないフラストレーションを解消したくて、読んだ者同士で語りたいという欲求を強く感じる作品でした。
電子書籍
面白い これはミステリーものと言える
2017/08/22 05:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
実在の人物だったのか。宇喜多直家をめぐる幾つかの短編。初めは冷酷な人物像が、やがて変わってゆく。厳しい戦国の世に民を預かるということは命を賭けることと一緒で、これに対し今は全く世界が異なる。
紙の本
歴史は
2017/07/27 14:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1面だけを見てもなにも見ていないのと同じ。
この小説がどこまで真実を射抜いているのかはわからないけれど、
歴史を考える、ということを考えさせてくれる本には違いないと思う。
時代を「生きた」、男の物語。
電子書籍
完成度は高い、この作者は本物です
2017/06/18 21:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くま - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢中になって読めるよさがある。作者の年齢がわからず若いのかと思いきや1974年生まれの方でした。熱中と完成のバランスが良いです。宇喜多直家に色々な角度から視点をあてて掘り下げる。文章に無駄がない。やや饒舌にも感じるので、別の作品を読んで判断したいと思います。村上海賊の娘は面白いだけの作品だったけれど、この作者は本物かと思います。
紙の本
こんな見方ができたのか
2017/04/25 22:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
備前の戦国武将、宇喜多直家。
毒殺、暗殺、裏切りなどなど、下剋上の世といわれる戦国時代においても、彼にまとわりつく負のイメージはすさまじい。
本書は、そんな従来の直家間を払拭する試みといえようか。
そして、歴史というものの裏を読むことの面白さも教えてくれた。
紙の本
構成の妙を楽しめる
2021/06/13 22:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
梟雄・宇喜多直家が全体の主人公であるが、各々の短編は娘や主君などを主人公に据え、それぞれの視点から直家を描き、多面的に直家像を描いていく様が見事であった。
第一話から、他家へ嫁ぎ、父に攻められる娘・於葉が主人公で、直家の冷徹さが際立つように感じられるが、次の短編では直家の過酷な生い立ちが描かれ、戸惑いを感じる。しかし、そこから、続く話を読み進めるうち、善とか悪とか、単純には言い切れない直家の人物像に凄みが感じられるようになった。
紙の本
少し違った視点から
2018/11/10 19:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ガンダム - この投稿者のレビュー一覧を見る
捨て嫁と呼ばれた娘からみたストーリーもあり、短編ではあるがそれぞれつながって
おり、年代的には前後することもあるが、違和感なく読める。
紙の本
凝った設定の時代物
2017/11/11 08:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに読む歴史物。てっきり長編かと思いきや、自分の娘を嫁ぎ先を攻め滅ぼす武将、宇喜多直家に絡む6つの短編集。それぞれが時系列で進んでおらず、微妙に時間を前後させ、また、主人公を変えながら構成された短編集のため、各短編の読み始めは、話の前後関係を捉えるのに苦労します。でも、読み進めて、分かってしまえば話がすごく綺麗につながり、あぁこういうことかーと、すごく新鮮な歴史小説で面白かったです。宇喜多の他の本も読んでみたくなりました。