さわやかな読後感
2018/03/18 08:04
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
負の感情を持つ人に取り憑くアメーバのような生物の粘菌との戦いという一風変わったお話。愛媛県のとある中学が舞台で、田舎での暮らしの様子が目に浮かびます。教師、生徒や東京で母親の看護をしている人など、合計5人程の視点で描いたストーリーが交互に展開され、どう関係するのかと読み進めると、これらが終盤に向けて見事に収束。最後は生徒たちの友情などに感動できるストーリーで、さわやかな読後感が得られました^_^
怖くはないホラー系
2022/08/25 01:19
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投稿者:ルリノツキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「夜一人で読まないで下さい注意」
という帯が付いていて
かなり怖そうなので買ってみました
夜に一人で読みましたが、帯のイメージではなかったです
ホラー系になるのかなとは思いますが
好き嫌いは分かれそうですね
作者は自分の詳しい分野を絡めることが多いと思いますが
粘菌とか興味ある分野なのかもしれません
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過疎化の進む四国山間の集落、そこにまつわる平家の落人伝説、過去に起った凄惨な殺人事件、深い森に潜む“もの”、さらには南方熊楠の名まで登場する。ガジェットを見る限りではいかにもジャパネスク・ホラー的な要素が詰め込んできた感じだが、それらを過不足なく扱いつつ、謎解きの要素も無理なく絡ませて一気に読ませる。
詳しくはこちらに。
http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2012-06-17
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平家の落ち武者の伝説が残る四国の山村でおこる事件。
都会から家の事情で祖母のもとにやってきた少女に、中学の教師、そしてIターンでやってきたものの地域になじめない男と、三者の抑圧された気持ちが、まぁ怖いんですわ。
でも、じわじわっとくる怖さはあるものの、だからどうよとつっこみをいれたくなる感じ。
ま、基本空気読めないオヤジは大嫌いなので、なんかそういうところがシンパシーの邪魔をしてるかもね。
と、オチがね。
まぁ、いいんだけど。ちょっと、技ありとみせかけてあざといかな。
なんか、残念。
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複数の独立したストーリーが上手く交錯し、まとめあげられている。
読み進めるうちにスムーズに先が見えてきてスピード感をもって読める。
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早期退職して田舎で農業をしながら穏やかに暮らそうとしてるけど、閉鎖的な人間関係になじめない男をはじめ、はぐれ者たちが因習の残る村でなにか得体の知れない感覚に襲われる。ジャンルとしてはホラーなのかファンタジーなのか。うまく作られているなぁ。
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途中気持ち悪すぎて逆に読むのがやめられなかった!四国山中の限界集落が舞台、平家の落人伝説やら天井裏から見える有るはずのない空間。え、金髪不良ギャルまでも登場?と興味をそそられる題材てんこもりに、まさかの粘菌モンスター!そして南方熊楠先生までもが解決の糸口に関わっていたりと素敵満載でした。初・宇佐美さんなので、他の本も読んでみたいと思います!
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たまたま見かけたホラー作品。ちょっとフリが長かったけど展開は良かった。映画化しやすそう。アイドル主演で。
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まあまあ面白かったんだけど、このジャンルであれば明野照葉さんの小説にはまってしまった過去があるので、申し訳ないが新鮮味は感じられなかった。
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“死んでも残る念”の恐ろしさは感じるけれど、粘菌になじみがないので圧倒的な恐怖は今ひとつ。狭い集団の人付き合いの方がよっぽど…。画像検索もしたけど、粘菌躍動の力の入った描写やクライマックスがどうしても想像しにくかった。
そんな苦戦の反面、結集した杏奈の同級生たちの活躍と杏奈を最終的に救った決め手がストレートに胸を打つ。
次々と見事に回収されていく伏線にもゾクゾクさせられっぱなし。別々の点だった場所と人が一つの線になった瞬間、驚きと興奮の高ぶりが背筋を一気に駆け上がってきた。思わぬ満足感に遭遇。
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書店のあおりに興味をもって、購入。
あんまりホラーを読む趣味はなかったのですが、
どんな怖いんだろうと思って。
鄙びた四国の山村で起こる不気味な現象と、謎の伝承。
嫌いではない、のですが。。。
この小説は、予測不可能であるということが、きっと生命線なのではないかと
思うのですけれど・・・
どうしても、とある同人ゲームにかぶってしまって、既視感がすごかったです。
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山間の町で繰り返される陰惨な事件と不気味な森、謎の生物との戦いというB級ホラー。謎の生物の動機や生体にはかなり無理があるが、ハラハラ巻はあるし、子どもたちの頼もしさや、新人教師の頑張りはよかった。
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怖がりの癖して、なんでこんな本を次々に買ってしまうのか。帯には「注意!夜一人で読まないでください」とあるし、こんな表紙の本が家の中にあるというだけでも怖いのに。カバーをしっかりかけて、しかも酔っぱらっていたら怖さも感じないかもしれんと思い、お酒を飲みながら読みはじめました(笑)。結果、しらふでも大丈夫です。終盤は怖いどころか、いい話で泣きそうにすらなりました。
愛媛と高知の県境近くの山間の村。まもなく廃校になる中学校に赴任した圭介。廃校にあたり、みんなの思い出になるものをつくろうと、各学年テーマを決めて取り組むことに。圭介が受け持つ生徒たちは、歌い継がれてきた校歌の由来について調査を開始するうち、村人たちから「不入森」と呼ばれる森に平家の魂が閉じ込められているという噂があることを知る。さらにはこの一見のどかな村で、数十年の間に二度も殺人事件が起きていると聞かされる。いずれも村で疎外感を抱いていた人物が犯人で、突然気が狂ったようになり、猟奇殺人に及んだという。
何かが潜む森の話なら、三津田信三の『ついてくるもの』に収載されている「八幡藪知らず」のほうがよほど怖い。ホラーの苦手な者にとって、怖い以上に物語として面白いかどうかが読みたい気持ち持続の決め手となるわけですが、怖さの点ではたいしたことがありません。都会で心が折れて田舎暮らしをはじめた隆夫という男が次第に狂っていく過程がいちばん怖い。表紙となっているのは、両親が離婚して祖母が暮らすこの村へとやってきた、金髪の不良少女・杏奈。それがわかればこの表紙も怖くない。彼女と同級生たち、それに祖母に終盤泣かされます。こんなホラーなら大歓迎!と思ったのですけれど。
このエピローグは個人的には要らないと思う。せっかくいい話だったのに、エピローグで一気に世俗的に。ホラーとしてはこんな〆のほうがいいのでしょうけれども、私はその前で終わっておいてほしかったなぁ。
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いや~よくできてる作品だ。
訳あって四国の山あいの中学校で教師をしている金沢圭介、会社勤めが嫌になり脱サラして夫婦で農家を営む松岡隆夫、認知症と心臓を患い埼玉の病院で最期の時を迎えようとしている菅田ルリ子。それぞれの話が並行して語られる。
圭介の中学校の校歌にまつわる過去が明らかになり、何の繋がりもなかった三つのエピソードが一つに繋がったとき、思わず鳥肌が立った。
平家の落人伝説、粘菌、南方熊楠、意図的に消された校歌の3番の歌詞、天井裏からしか見えない部屋にいる少女・・・
ぬり、にゅるり、とぷん、ぴゅちょ、ぎゅるあらゆる気持ち悪い擬音語を駆使して表現される「それ」の不気味さ。
自分が「それ」に取り込まれていくような心もとなさを感じながら、読む手が止まらない。
人間の強い負のエネルギーを養分にして巨大に育つ「それ」は深い森の中で今もじっと機会を狙って待っているのか・・・あ~怖かったよ~。でも最高に面白かった。
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これは、スゴイ(^ ^;
オカルトであり、ホラーであり、伝奇物であり、
基本的には「絵空事」なのは100%承知しておりますが。
それでも、「絵空事部分」以外の描写がリアルで、
もしやあり得るかも、と思わされてしまう(^ ^;
登場人物が、みな良い(^ ^
会社勤めに嫌気がさして、田舎暮らしを始めた男やら、
大きな挫折を抱えて仕方なく中学教師をやってる男やら、
親との確執から祖母と暮らす金髪の女子中学生やら。
田舎の人も、中学生から偏屈な爺さんまで、
皆それぞれに「実にいそうな」キャラクターで(^ ^
性格も人間関係・力関係も実にありそうで、
これがまた物語にリアリティを与えている。
主要な登場人物それぞれの視点で話が進み、
中盤に差し掛かるとストーリーが絡み始め、
終盤次々にパズルのピースがはまるように
全ての伏線がカチッと収まって一本の線になる様は、
もはや小気味よいほど(^ ^
ともすれば「ご都合主義」と取られかねないような、
え、そう来たか的な展開もあるのですが、
そこに至るまでの丁寧でリアルな描写と、
事前に釘を刺すような「全てに意味がある」的な台詞で、
偶然が必然に転換されてしまう。
むしろ「なるほど、だからこそ、か」と思う展開(^ ^
例によって細かいことを書くわけにはいきませんが...
本当に最初から最後まで「隙がない」印象(^ ^
不気味なシーンでは鳥肌が立ち、
時にホロリとさせられるシーンもあり、
一冊で二度も三度もおいしい佳作(^ ^
映像化したらとても魅力的になりそうな作品です(^ ^