高度なスパイ戦を思わせる極上ミステリー。
2023/11/30 10:40
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高度なスパイ戦を思わせる極上ミステリー。話は単純なのだが、謎の人物が偽名で動き回るため、問題の所在がなかなか掴めない。終末近くで誰が誰の偽名なのか判るに従って急速にパズルが完成していく快感。所謂、騙し手の手法だが、一気にパズルが完成していく快感を知ると、不快感は無い。と言うより、本作の魅力はスコット&犬・マギーを脇に押しやるエルヴィス・コール、ジョー・パイク、ジョン・ストーンの3人の登場だろう。主役もエルヴィス・コールらしい。強い絆で結ばれた不思議な3人。本作は、中軸をなすエルヴィス・コールシリーズと新人のスコット&犬・マギーとのお見合いだったのかな。
<蛇足>
本作は、「スコット&犬・マギー」シリーズとしては2作目だが、「コール&パイク」シリーズとしては16作目だと言う。どうりでコール、パイク、ストーンの息が合い過ぎてると感じたわけだ。マギーにはまた会いたいが、「コール」シリーズにも興味が湧いてしまった。
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「容疑者」の続編。とある女性の心の傷を利用して計画を立てる犯罪グループに、私立探偵コールとその仲間たちが立ち向かう。タイトルの「約束」はコールとスコットの間で交わされたもので、これがスコットを窮地に追い込むことになります。それでも男と男の約束を守るスコット、あまりのピンチに早く正直に話せと思ってしまいました。最後の傭兵のジョンの手紙はよかったですね。
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面白かったー。
後半の謎が解き明かされていく展開はとても楽しかった。スコットとマギーの関係いいなぁーマギーかわいいなぁー、かしこいなぁー。
探偵が別作品の登場人物らしいので、読んでいたらもっと楽しかっただろうな。
読みたいのだけれど……どこに売ってるの……
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LAエルヴィスとジョー兄貴、相変わらずイカしてるし、ニューフェイスのジョンもなかなか。
マギーとスコットにもまた会えて嬉しい。
次作も楽しみ。
ボストンのスペンサー達には、もう会えないから。
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ロス市警スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、逃亡中の殺人犯を捜索していた。マギーが発見した家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同じ頃、同じ住宅街で私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探す女性の依頼を受けて調査をしていた。スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
「容疑者」に続いて、スコット巡査と相棒マギーのシリーズなのだが、今回は何と懐かしや私立探偵エルヴィス・コールとジョー・パイクが登場。視点が広がった分、やや読みにくいが楽しめます。
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いいです。
登場人物たちが優しさを見せるときカッコいい。
全作のタイトルが「容疑者」、本作が「約束」。これ逆でもいいように思います。
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あの騎士たちが帰ってきた。エルヴィス・コールと相棒ジョー・パイクのシリーズをまた日本語で読める日をどれだけ待っただろう。LAの私立探偵エルヴィスが人探しの依頼を受けて調査中、『容疑者』の警察犬マギーと相棒の巡査スコットのコンビと道がまじわる。著者クレイスは『モンキーズ・レインコート』のときから一貫して立場が弱い者への視線がやさしい。書きすぎないで書くべきことをさりげなく書く。感動の押しつけがましさがないから、小さな言葉をきっかけに読み手の頭のなかで状況が展開されて強い余韻を残していく(わたしは「鼻をかみ、」の一言で涙腺崩壊しました)。つらく、追い詰められた人物が描かれているのだが、マギーは前作同様ひたむきで、ぶれなくて、そしてエルヴィスのキャラで、ふっと笑う瞬間もいくつもあるバランスのとれた作品。理想に過ぎないのかもしれない。でも、きっと救いはあると思えるチーム・フィクションの力を感じさせてくれる作品。
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マギー!前作「容疑者」読みお終わった後、思わず叫んでしまう程マギーのファンになり、この新作をどれほど待ちわびていたことか。 確かに今回はマギーの登場は前作より少ないとはいえ、スコットとの絆がより深く感じられる。またコールとパイクのシリーズは未読だが、是非読んでみたいと思わせる、素敵な野郎達だった。それにジョン・ストーン!なんてカッコイイのー!次はパイクとジョンが主人公だとか。訳され発売される日が楽しみで仕方がない。
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以前は同じ著者の作品を立て続けに読むということをよくしていましたが、最近はいろんな著者の作品を満遍なく読むようにしようと、同じ月に同じ著者の本はできるだけ読まないようにしています。しかし今月初めに読んだ『容疑者』がめちゃめちゃよくて、続編があると知ったら読まずにはいられず。それがこの『約束』。
ロバート・クレイスの作品を読むのは『容疑者』が初めてだったので、今回も刑事ひとりとジャーマンシェパード1匹が主人公だと思ったら、同著者に“コール&パイク”というシリーズもあるそうな。今回は『容疑者』のコンビと、コール&パイクのコンビの、いわばコラボ作品。ファンにとってはたまらん豪華キャストかと。
探偵のコールは失踪女性の捜索依頼を受ける。手がかりを求めて出かけた先で、殺人事件に巻き込まれ、容疑者とされてしまう。依頼人のことを話せば疑いは解けるはずだが、探偵だもの、依頼人の秘密は絶対に明かせない。現場で犯人を目撃した刑事スコットと犬のマギーは犯人一味から命を狙われ、事件を解決すべくコールに協力を求めるのだが……。
前作のようにプロローグから泣かされるなんてことはありません。無意識のうちに泣きを求めていたため(笑)、なんだ普通のミステリーじゃないかと最初は残念でしたが、なんのなんの面白い。マギーの活躍、そして私はお初のコールとパイク、そして怪しい強者ジョン。登場人物がみんな魅力的で、『容疑者』から入ったものとしてはスコット&マギーがどちらかといえば脇役なのが寂しいけれど、コール&パイクシリーズも読まなくちゃという気にさせられます。
テロに巻き込まれて一人息子を失った女性の強い悲しみも伝わってきます。最後はスッキリ、読後感よし。この著者の作品を大人買いしてしまいそうです。
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「容疑者」の続編。
同じ作者の過去のシリーズの主人公も登場し、ダブル主演のような贅沢な設定。
それぞれの人物(や犬)の魅力を味わいつつ、本筋のストーリーも楽しめるという、一口で何回も美味しいお得感がある。
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続編が出ているのについ最近気づき、そちらを買う前に本作を再読。読後感がよい、救いがある。さり気なく漂うユーモアにホッとさせられる。犬もいい。
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コールはコナリー作品に出演していて、その逆もあるとか。積んでるロバート・クレイスの他の作品も読んでみようかな。面白かったです。
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最近、ぼくの最もお気に入りのハードボイルド・シリーズがこれだ。
前作『容疑者』は作家を復活させるほどの人気を得たらしい。ぼく自身を含め相当の新しい読者を獲得したに違いない。スコット&愛犬マギーというハンドラーと警察犬コンビがたまらない。共に、相棒を銃火で失い、心と体に深い傷を負った同士の、復活と愛情の、感涙ものの傑作であった。
だから、本作で、ロバート・クレイスの本家シリーズのレギュラー・コンビ、エルヴィス・コール&ジョー・パイクが、一人と一匹のシリーズに合流するという趣向の作品が早くも登場したのも、自然な流れだと思う。何せ、コールは17年ぶり、パイクは7年ぶりの復活作品。彼らにとっても、否、作家クレイスにとっても全面復活を期する力作となったのが本書なのである。
エルビス・コールは私立探偵。LAの探偵は、ニューヨークの探偵(マット・スカダーbyローレンス・ブロック)やボストンの探偵(スペンサーbyロバート・B・パーカー)に比べて、明るくユーモラスである気がする。チャンドラーの系譜となる会話のユーモアとへらず口と自信たっぷりの態度が、見事に受け継がれている。料理も上手く、美味しそうな料理をさらっと作り、希少なビールを箱買いしてふるまってくれるコールの趣味の良さも嬉しかったりする。何よりも余計な情緒的描写を削ったからっとした一人称文体(コールの場面だけ)が、好感度抜群である。快適な読書というのはこういう小説に対して用いたい言葉なのである。
それでいてタフでハードな面も持ち合わせている。フィリップ・マーロウの比じゃない。時代がさらなるタフさを探偵やそのパートナーに課しているのだ。アルカイダの存在した時代のアメリカン・ハードボイルドには、ベトナム帰還兵、特殊部隊出身などの付加要素まで、私立探偵のプロフィルに加わっている。加えて現役のプロの傭兵を生業とするジョン・ストーン。彼の強さと信念の強さと使命感が本作品に鋼の脊椎を与えている。
ドン・ウィンズロウ作品に頻繁に登場するような近年の麻薬戦争での兵器の過激化と戦闘規模にはいつも驚かされるが、本編ではテロ用の爆薬の売り買いが扱われる。そこで元爆発物探知を任としていた探査犬マージが重要な役を果たす。
それぞれが的確な役割を果たしてゆくきっちりした仕事感も、本書を気持ちよく読ませてくれるポイントであると思う。コールたちのトリオは、武器も電子情報収集能力も駆使する私立探偵ワールドを構えている。スコットチームも、頑固と深い愛情を備えた警察犬隊指導官のリーランドの仕事っぷりも健在。マーロウの単独で優雅な調査スタイルでは、現代の探偵家業は少し営むに難いものになっているかもしれない。
まさしく今という時代を舞台にした、ネオ・ハードボイルドでありながら、マーロウのエッセンスは残し持つという探偵ヒーローを駆使し、正統なるハードボイルドの系譜を継いでいる作家として、ロバート・クレイスは、現代の若い読者をも、そして男も女をも取り込んでしまうに違いない。
次作は、コールもの。スコット&マギーの新作も用意されている気配ありとのこと。��ちらのシリーズもそれぞれに競い合わせつつ、より質の高いハードボイルドの王道を、今に通じる作品価値を付加しつつ築き上げてほしいところである。
コール&パイクシリーズ新作『指名手配』は、5/11に発売予定。再会されたシリーズを、新しい読者として早速読む。とりわけ、本書のラストを飾って泣かせてくれた傭兵ジョン・ストーンの登場が個人的には待たれてならない。
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シリーズ2作目なんだけど、探偵さんが主役でK9コンビはゲストって感じで少し残念。
個人的にはスコットは探偵さんじゃなく、会社を優先させるべきだとは思う。組織論として。スタンドプレーは後々響くぞ、と出る杭は打たれる論の日本人は思ったりする。
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スコット&マギーの続編でも有り、探偵コールの物語でもありました。
どちらもキャラクターとして人間味に溢れて魅力的。惹き込まれました。
マギーの仲間を守る忠犬振りと、それに応えるスコットには涙を誘います。それに探偵コールのエミリーの悲しい過去に動かされる任侠も、なかなか心を打たれ、読んでいて感動します。
前作の容疑者をより一層濃厚にした感じで、大満足な一冊でした。