- 販売開始日: 2017/05/25
- 出版社: 徳間書店(Chara)
- レーベル: キャラ文庫
- ISBN:978-4-19-900812-2
愛する
「卒業しても、先生に絵を習いたい」苛めで不登校になりかけた由多(ゆた)を、幼い頃から支えてくれたのは、絵画教室の講師・桐生凌(きりゅうりょう)。美大進学を機に、募る想いを...
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商品説明
「卒業しても、先生に絵を習いたい」苛めで不登校になりかけた由多(ゆた)を、幼い頃から支えてくれたのは、絵画教室の講師・桐生凌(きりゅうりょう)。美大進学を機に、募る想いをついに告白!! 必死な由多に絆されてか、二人は恋人になることに。けれど入学早々、才能に注目され始めた由多に、凌はなぜか冷たい。嫉妬や中傷も、先生がいれば怖くないのに――由多は初めて、凌が自分を見ていないことに気づき…!? ※口絵・イラスト収録あり
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愛するということ
2022/08/26 05:45
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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
「宗教画の天使」のような美貌と才能に恵まれた由多
純粋と言えば綺麗だれど、そのまっすぐさは鋭い刃物で。
相対する人間に対し忖度しない(空気を読まない)手加減なしの攻撃でもあるのです。
だから軋轢が起こるのですが、その理由もわからない。
ただ、それでも傷つき壊れそうになってしまった時
由多の話に耳を傾け、全てを肯定してくれた絵画教室の凌が手をとってくれた。
由多を否定せずにただ手を取って歩いてくれたせいで
彼は壊れずに美大生にまでなった。
そして手を引いてくれた凌に恋した
必然のように。
(キスの回数を数えるような恋をした)
でも、由多は変わっていないので、
それゆえに周囲と軋轢を生じ、また彼に触手を伸ばす明彦に
凌の秘密を教えられて。
(凌のそれは周囲の行為(悪意もそれ以外も)も原因だけれども
ある意味由多よりも繊細だったせいだと思う)
由多は一度は立っている地面が瓦解するのだけれど、
その中で光が逆転する光景が鮮やかでした。
綺麗な色の中に黒をいれたら強くなるのだと。
泥土の中にいる「贖い」と言った凌との関係を昇華したようなラストは綺麗だけれど、
明彦の「四六時中一緒にいるのは、多少は参る」自分と二人に憤る態度
永遠との関係(安易な和解はない)
凌のこれから等々を考えると
ちょっと切りっぱなしみたいな感じは否めないのです。
とはいえ、この切りっぱなしみたいなところが良さでもあるのでしょうけれど。
余談ですが
亜紀の最初の一言・・・
どう読んでも(ここで立ち止まって何度も読んだし、再度読み返した)
「よ」はいらないのではないかと、気になって気になって仕方ないです。
(さらに余談ですが、ユトリロを連想させる服を着た亜紀を見てみたいなと
思います)
☆3.5評価の4です