読割 50
電子書籍
緋凰仙華 いつわり仙女は拘束中【試し読み増量版】
「盟約に従い、王都に来てもらおう」最凶最悪の仙女・女禍に間違われてしまった少女・小鈴。彼女は、仙人の郷にやってきた冷淡な青年文官の亮孔に、無理やり契約の印を刻まれてしまう...
緋凰仙華 いつわり仙女は拘束中【試し読み増量版】
緋凰仙華 いつわり仙女は拘束中
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
緋凰仙華 いつわり仙女は拘束中 (一迅社文庫アイリス)
商品説明
「盟約に従い、王都に来てもらおう」
最凶最悪の仙女・女禍に間違われてしまった少女・小鈴。彼女は、仙人の郷にやってきた冷淡な青年文官の亮孔に、無理やり契約の印を刻まれてしまう。しかも、皇位継承権を持つ香蘭公主のために、離宮で働くことになってしまって……。常に暗殺の危険にさらされている公主のそばで、人違いで実力もないのに、どうしたらいいの!?
誤解からはじまる、堅物青年と気弱な仙女の中華風ファンタジー。 ※こちらは試し読み増量版です。本編を購読するには、単行本をお買い求めください。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
良いキャラクターに目を付けた
2014/01/11 15:10
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:でんしゃずき - この投稿者のレビュー一覧を見る
おっさんなのに,「少女小説」を買って読んでしまった。それがこの本。買った理由は,題名に「仙女」とあったから。読了するまでそういう本とは知らなかった。
「魔法と呼ばれる,現実世界では存在しないとされる手段・能力を持った少女」が主人公,或いはヒロインという創作物は,少なくとも我が国では様々な分野に色々と,「商業作品」として発表されている。それは即ち,「そういうキャラが登場する物語に需要はあるから」と説明出来る。
が,「それ」に似ている存在である「仙女」は私が知る限り,我が国においては民間伝承を含めても,「全くと言っていいほど」存在しないのである。
国語辞典的に説明すれば,「魔女」とは「魔法を使うことが出来る女性」である。それに倣えば「仙女」とは「仙術を使うことが出来る女性」という説明になる。東洋と呼ばれる地域に属する我が国では,この両者を比較した場合,「仙女」の方が親しみやすいはずである。
「魔女」というと「老女」であるとか,「邪悪な存在」という印象をお持ちの方も多いと思う。何らかの「負」のイメージを「あらかじめ」持っているとも言える。私が参加していたネット掲示板に書き込まれた体験談だが,魔女に関心のある米国留学中の女子学生が「魔女」について現地の人と話したら,「あなたが言っているのは『魔女』ではなく『賢女』じゃないの」と返された経験があったそうである。
一方,私の知っている話が極めて少ないとはいえ,「仙女」には「老女」という「外見上の負のイメージ」はあまり存在しない。また,「悪の仙女」というのも45年前の時代劇「妖術武芸帳」以外には私は知らない。単純なキャラ設定は慎むべきとは思うが,
「不思議な力で人々を救ったり,夢をかなえてくれる美少女」という登場人物を創造する場合,「魔法少女」以上に「仙女」という存在・キャラクターは活用されて良いはずである。殊,我が国においては。
本作の時代・舞台は現代日本ではないが,「一応」その線で書かれている。まあ,主人公の母は「生ける災厄」とも呼ばれるし,仙術の使い方も「魔法少女という題名の戦闘少女物」と大差は感じない。ラノベは特に「絵」が命なのだろうけれど,ヒロインは残念ながら私の好みの風貌ではない。
だが,本作はあまり使われることが無かった気がする「仙女」というキャラクターを,見事に活用することに成功した印象を私に与える。これがもし題名に「魔法少女」だの「魔女」だの付いていたとしたら,私が興味を持たない「異国情緒」以上に,「また戦闘ヒロインか」と「失望感」の方を強く感じたと想像する。折角の「不思議な力」を戦闘行為にしか使用しない,って私が作者なら勿体無いから書かないと思う。
善の魔法使いや仙術使いの少女が,術を駆使して戦ってもいいのだけれど,私はもっと「平和」な作品を楽しみたいのだ。ところが面白いことに,本来なら苦手なはずの内容の作品も「仙女」という言葉一つで正に「仙術の様に」私への印象が変わった。
これはこれで楽しく読むことが出来た。しかし,日本に似合う「ファンタジー物のヒロイン」属性が登場したこともまた事実である。後は,作者ではなくてもいいし,作者なら尚いいのだが,空間だけでも日本に舞台を設定し,仙女が活躍する「物騒ではない」物語を期待する。これが「読者」,即ち客としての要望である。