Option B vs 因果応報
2017/09/27 09:34
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりぼう - この投稿者のレビュー一覧を見る
フェイスブックのCOOシェリル・サンドバーグが、夫デーブの急死からどのように立ち直ったかを克明に綴った『OPTION B』(共著者は心理学者アダム・グラント)を読んで、確かに人生はオプションBの連続だと再認識させられました。仕事上の挫折や失恋の痛手とは比較にならないインパクトをもたらすであろう家族の突然の死に直面して、彼女は何を考えどう行動したのでしょうか。
前作の全米ベストセラー『LEAN IN』も然り、彼女はブックタイトルだけで読者の関心を惹きつけてしまう才能があるようです。誰にでも降りかかる可能性のある人生を打ち砕きかねない不幸な出来事に遭遇したとき、オプションBという選択肢をポジティブに捉えて掴み取るという態度が状況を改善してくれる(ことがある)、著者のメッセージをそんな風に受け止めました。本書の腰巻にある「次善の策」という訳語は似つかわしくないと感じました。
本書の副題、"Facing Adversity, Building Resilience, And Finding Joy"にも立ち直りのヒントが隠されています。レジリエンスとは元の状態に戻そうとする復元力のことですから、置かれた逆境に応じて復元力を培う処方箋は自ずと違ってきます。本書には様々な逆境に身を置いた人々の体験談が紹介されていて、共感できる言葉が幾つもありました。「考え得る最悪の事態(今より悪い状況)が起こっていたら」と考えてみることは、自分の経験上も悲しみを和らげてくれる効果があるように思います。翻って、親しい人が不幸な出来事に遭遇した場合、どう接するべきか、どんな言葉をかけてあげるべきか再考を余儀なくされます。他人の痛みを理解し想像することは筆者が指摘するように至難です。一番心に突き刺さったのは、不幸な出来事をきっかけに周りから人が消えていくという現象です。そっとしておいてあげようという心配りが却って逆境にある人を疎外してしまうわけです。
超一流のビジネスウーマン、シェリルが身を置くのは競争社会米国、周囲の友人知人も総じてインテリジェンスがあって理解力に富む人たちです。少しずつ時間が経つにつれて、彼女の内に秘めたレジリエンスの種が芽吹き、差し伸べられた救いの手でさらに大きく成長していったのでしょう。ある意味、彼女は逆境をバネに成長してもうひとつのサクセスストーリーを体現した格好です。
けれども、自分は本書が提示するような処方箋を受け容れることはできそうにありません。どんなに辛くてもその過酷な状況を独りで受け容れるしかないと思っています。不都合な真実である老病死と向き合うことこそ生きているということの実質なのですから。瀬戸内寂聴さんの言うように「孤独を生ききる」しかありません。本書で苦難からの立ち直りを妨げるとされる3つのPのひとつ、”Personalization(自責化)”は、仏教でいう因果応報や自業自得に他なりません。英訳すれば”What goes around comes back around”、本書を読んで人生観の彼我の違いに改めて気づかされます。
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辛いこと、失敗、悲しみに打ちひしがれたとき、「レジリエンス」の精神が大切ということを説いている一冊。その一つとして、物事を自責化、普遍化、永続化しないことが必要というのは印象的だった。
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辛いこと、大変なこと、乗り越えられそうもないことに直面したあと、どのようにをれをかかえながら、前に進むのかということが書かれてた。これが唯一の解じゃないけど、一つの参考になると思った。いくつか印象的なぶんもあったし、
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最愛の人を亡くしたことから始まる本書では、自身だけでなく周囲にもそのことが大きな影響を与えること、それを解決するためにどうしなければならないかが実体験に即して書かれています。とてつもなく大きな出来事が今までの人生をそのまま進めなくさせてしまう。それは自分だけでなく、関わる全ての状況や人に影響してしまいます。そして進まなければ硬直してしまう。進めるために著者が行ったこと。自分自身・子供・友人・身内・会社・そして次の自分に対して行ったこと。次に進めるための「オプションB」をどのように進めていったかが書かれています。
不幸が訪れた時は被害妄想に陥りがちです。自分は絶対そうなると思っているので、その時に自分勝手にならないためにも本書から学ぶべきだと思いました。不幸が巻き起こす連鎖をどのように修正して進めていくのか。誰でも起こり得る人生の瞬間に対する心構えを学ぶことができると思います。
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今抱えている問題には当てはまりにくかった。
この本にそう困難にぶち当たったら再度読みたいと思います。
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邦訳を心待ちにしていたシェリル・サンドバーグの『OPTION B』を読んだ。
『LEAN IN』が世界中の女性を勇気付け、FacebookのCCOとして脚光を浴びていた彼女に2015年に悲劇が訪れる。
メキシコに旅行中、不慮の自己で夫・デイブ・ゴールドバーグが亡くなってしまうのだ。残された子供2人と、これからの人生をどう歩むべきか。
「逆境」「レジリエンス(回復力)」「喜び」を主題に、「オプションB(次善の選択肢)」を探っていく。
予期せぬ不幸に見舞われた人々の言葉と経験、心理学や社会学の知見と理論、なによりもシェリル自身が日々感じた想いから「オプションB」の形と可能性が明らかにされる。
僕が上記で書いてきた「不定期に訪れる倦怠感」なぞ、この本で紹介される出来事に比べれば取るに足りないものである。それでも「幸せ」や「不幸せ」は相対的なものである。得られる教訓やフレームワークは積極的に学び、生かしていきたい。
たとえば、本の冒頭で心理学者のマーティン・セリグマンの「3つのP」というフレームワークが紹介される。これは苦難からの立ち直りを阻害する三つの要因のことだ。
自責化(「Personalization:自分が悪いのだと思うこと)、普遍化(「Pervasiveness:あるできごとが人生のすべての側面に影響すると思うこと)、永続化(Permanence:あるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと)である。(『OPTION B』21頁より)
倦怠感から脱するにあたりキーワードとなるのは、「俯瞰と相対化」だろう。
全体最適ではなく個別最適に陥っていないか、点検する術として上記のフレームは参考になる。
全体最適を駆動させるには、「自己効力感」、「前に進んでいる感覚」と言い換えてもいいかもしれない。それを自分が体感できる方法で、日常に組み込んでいく必要がある。人によっては毎日必ず読書をすること、仕事には関係のないプロジェクトを進めること、ランニングをすること、ジムでワークアウトすること、なんでもいい。その多くは習慣に紐付いている。
習慣を見直す習慣を持つこと、自分の規範は自分で決めること、大きくても小さくても人に話してみること、まずはこの辺りから取り組んでみようと思います。
https://note.mu/ryh/n/nb07a0e8a4288
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最後の章、シェリルに新しい恋人がいる、というような話に、違和感(喜ぶ気持ちよりも、彼女を否定したい気持ち)を感じる自分に気づいた。
それは、本に書かれているような、未亡人に対する暗黙の期待(未亡人はいつまでも夫を思って嘆いているべき)というよりも、私のあこがれである(くやしいほどにあこがれている)彼女の不幸をこそ喜びたい、ちょっと不幸な彼女でいてほしい、という私の深層心理なのだろう。
考えを改め、心底幸せでいてほしいと思いますよ。
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◼︎2017/09/10読了。
◼︎あらすじ
・完璧な人生なんてあり得ない。だからみんな、なんらかのかたちの「オプションB」を選ばざるを得ない。この本は、誰もがオプションBをとことん使い倒せるようにするためのほんである。(P.17)
◼︎コメント
・プランBではなく、オプションB?と思ったが、上記を読んで本の目的を理解。
・伴侶を失うという自分の経験をある程度オーブンにしながら、データを駆使して、どう立ち直るか。そのキーワードは「レジリエンス」。
・思った以上に読み応えがあった。
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◆感想
シェリルサンドバーグが、夫をなくし、悲哀にくれる日々を綴った本かと思いきや、
彼女自身のストーリーを元に、読んだ人が苦難を乗り越える勇気やコツなどを学ぶことができる本。
何か失敗をして悩んでいる時や、辛いことが会った時などに読むとよりより一層心に響くものがあると思う。
また、自分がやりがちな思考が知らず知らずのうちに、悲嘆のスパイラルに陥る可能性があることに気づけた。
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◆ポイント
1立ち直りを遠ざける3つのP
2困難を抱えている人を避ける傾向
3自分を思いやる
4逆境に意味付けをし、成長する
5レジリエンスは鍛えられる
6仕事での失敗を成長へ
1立ち直りを遠ざける3つのP
・自責化=自分が悪のだと思うこと。すべて自分のせい。
→ごめんなさい。残念ながら、すみませんの
禁止
・普遍化=ある出来事が人生の全てに影響すると思うこと
例:自分はダメ人間だーーーーとか
・永続化=出来事の余波がずっと続くと思うこと
→自分とかの場合、普遍化と自責化の傾向が強い
2困難を抱えている人を避ける傾向
困難を抱えている友人を前にすると、距離をおく人がいる。
これは、自分までも感情的に苦痛に陥ることを無意識に避けていることや
無力感に打ちひしがれているためだ。
こういう場合、相手に顔を見せたり、
相手が何を必要としているかを察知して、
相手に提供することが大事。
“人生最悪のとき、1組みの足跡しかなかったのは、友人たちが私を抱きあげて運んでくれたからだと思っていた。でもそれだけではないと、今ならわかる。1組の足跡しかみえなかったのは、私が倒れても受け止められるよう、友人たちがわたしの 足跡を踏みながら真後ろをついてきてくれたからだ。” P78
3自分を思いやる
・人間だから、完璧ではないとは当たり前と事故を思いやること。
・感情ライティングをする。
・ネガティブ感情にラベルづけをする。できるだけ、具体的に
“人生は後ろ向きにしか理解できないが、前向きにしかいきられない。キルケゴール”
・ジャーナリングは、自分の過去に意味を持たせ、現在と未来を生きるためにの自信を取り戻すために必要。
・今日できたことを小さいことでもいいから3つ書き出す→幸福感が上がる
・最近の研究では、できたことと、その理由を5分書き出す。
4逆境に意味付けをし、成長する
・トラウマ後の成長
①人間としての強さを自覚する
②感謝を深める
③他社との関係を深める
④人生により多くの意味を見出す
喜びの瞬間に目を向ける。人はネガティブなことに注意を向けがち
⑤新たな可能性を見出す=optionB
5レジリエンスは鍛えられる
・子供に持たせるべき信念
①自分の人生は自分である程度コントロールできる=人生の自己コントロール勘
②失敗から学ぶことができる=失敗は、欠点を���る機会ではなく、成長する機会
③自分は一人の人間として大切な存在である=
④自分のために役立て、他人と分かち合うことのできる強みが自分にはある
◆Action
・物事をポジティブに言い換えてみる
・失敗は一歩進んだ!と思う
・ユーモアで失敗を乗り越える!
・忘年会MTGを成長を意識する場にする。
一年間の物語を語り、自分の成長を感じる場にする
6仕事での失敗を成長へ
“失敗からしなやかに立ち直るためには、失敗から学ばなくてはならない。頭ではわかっていても、なかなかそうはできないのが常である。自信がなくて自分の失敗を直視できないこともあるし、プライドが高すぎて失敗を認められないこともある。だから素直に話す代わりに、身構えて閉じこもってしまう。レジリエンスな組織は、あやまちや後悔を認めやすい文化を育むことで、感情を克服しやすくする” p203
後悔はやったことではなく、やらなかったことに対して感じるもの
困難なことにトライし、失敗を素直に議論することができる大切さを共有
失敗をオープンに共有し、
教訓を認められるようにしよう。
◆Action
失敗会議なるものを開く
=自分は今週どんな失敗をして、どんな教訓を得たか(前進をしたか)
アクションまとめ
◆Action
1物事をポジティブに言い換えてみる
2失敗は一歩進んだ!と思う
3ユーモアで失敗を乗り越える!
4忘年会MTGを成長を意識する場にする。
一年間の物語を語り、自分の成長を感じる場にする
◆Action
5失敗会議なるものを開く
=自分は今週どんな失敗をして、どんな教訓を得たか(前進をしたか)
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LEAN INよりも人間味があるというか、源体験がもたらす強さというか、すごい1冊だった。
#optionb #sherylsandberg #レジリエンス
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・3つのP
自責化、普遍化、永続化
・とてつもない苦しみを味わった人でさえ、その体験を語りたがることが多い
・一番良いのは相手の気持ちを理解し、そのまま受け取ること「おつらいですね、そばにいますよ」
・「一緒に乗り越えよう」
・幸せにおいては大きさよりも頻度の方が大事
・「喜びの瞬間」を毎日3つ書いてみよ
・喜びの瞬間に目を向けるには意識的な努力が必要
・能力ではなく、努力を褒める
・失敗を避けるべき不面目と捉えるのではなく、学ぶ機会として歓迎する
・失敗を経験した回数が多い組織ほど、そのあと成功する確率が高い
・レジリエントなチームを作るには、オープンで率直なコミュニケーションが欠かせない
・パートナーに対する反応、「そっぽを向く」「向き合う」?
・
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自分が思っていることを書くのはちょっと恥ずかしいのだけど、書くことで客観視できるからやったほうがいいなと思った
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オプションBとは「次善の選択肢」である。本紙では「3つのP」が苦難からの立ち直りを妨げることを指摘している。
「①自責化(自分が悪いのだと思うこと。Personalization)、②普遍化(あるできごとが人生のすべての側面に影響すると思うこと。Pervasiveness)、③永続化(あるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと。Permanence)」
「自分で状況をコントロールできる」という意識(コントロール感)をもつと、ストレスに耐える力が高まったというのは、とても印象に残った。
「苦しんでいる人には『ボタン』が必要だ。オーウェンが自殺してから、アダムは学部生の授業の初日に、自分の携帯電話の番号を黒板に書くことにした。そして、僕が必要になったら24時間いつでも電話してきなさいと、学生に伝えている。学生が電話をかけてくることはめったにないが、いまでは全員がキャンパスで提供される精神衛生面のサポートに加え、もうひとつずつボタンをもっているのだ。」
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シェリルサンドバーグさんにこんなことがあったとは…
全編悲しみに満ち溢れた内容だったけど、悲しみ、苦しみ、辛さをコントロールするコツがわかった。
シェリル・サンドバーグさんはFacebookのCOO(最高執行責任者)として著名なビジネスリーダーであり、女性の活躍を訴えた「LEAN IN」は(読まれた方が多いと思いますが)世界的にベストセラーの著者でもあります。
LEAN INが出版された頃、日本にも来日し女性活躍の推進について熱く講演していた姿がとても強烈な印象に残っていたので、本書を読んで、シェリル・サンドバーグさんの予想外の出来事に衝撃を覚えました。
シェリルさんは、2015年、旅行先で夫の死に直面します。それは突然訪れた悲劇でした。幼い子供二人と悲しむ毎日でしたが、多くの友人、知人の励ましなどで、そのショックに向き合い、立ち直っていきます。
誰でも大小に関わらず、ショッキングな出来事に直面することがあり、それは行きて行くうえで避けられないものでもあります。
そうした出来事に直面した時の心のあり方をシェリル・サンドバーグさんの実体験なども元に書かれた本です。
いかにして感情をコントロールするのか、できるのか。多くのヒントが詰まった作品です。
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レビューはブログにて
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