深刻な事件の背景
2017/10/14 11:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
家庭内で発生する、深刻な刑事事件…親が悪い、子供が悪いなどと単純に決めつけないで、まずは現実を知ってほしいという著者の気持ちが込められています。
この本で、夢を諦めた
2020/07/26 06:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:水彩色鉛筆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年、アルバイトをしながら
精神保健福祉士の勉強、実習
レポート提出に明けくれていた。
精神保健福祉士になり
精神疾患で悩む人たちの
相談支援をしたいと思っていた。
無事に試験に合格し、転職活動を
始めようとした矢先、この本を読んだ。
ぼんやり描いていた世界とは全く異なる
現実の厳しさ。
子どもが障害年金をもらうため
親が医師にも虚偽報告するって…。
夢を諦めるきっかけになった
思い出深い一冊である。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
親が悪いと感じる部分と子供が悪いと感じる部分と両方あって、単純ではなく難しく深刻な問題が山積していました。
投稿元:
レビューを見る
著者は、精神障害者移送サービスという聞き慣れない仕事を営む。彼は、引きこもり・家庭内暴力など、家族では抱えきれなくなった子供を精神病院に移送し、その後の患者の自立あるいは親からの独立まで向き合っている。複数のモデル事例を仮名で紹介したのち、福祉政策も提言。現場の声は重い。
投稿元:
レビューを見る
前作に続き、驚きの実例がたくさん。本人、これよく耐えられるな…と思うような生活をしている移送対象の人ばかり。でもそれは他人事じゃないんだ…というのも感じさせられた。なんかこう、どの業界においても限界が感じられる。普通の幸せ、が難しいことがよく分かるし、それを実現するためには積み重ねていくしかない。壊すのも一瞬、なんだけど、一瞬に見えて実は積み重ねられて壊れていってるのかもしれない。
うちの実家も一歩間違えばこうなってたかも…と思った。
現場からの声を大事にしてほしい。と自分のいる業界を振り返っても思う今日この頃。
投稿元:
レビューを見る
...とはいえ、このような司法の判断が続けば、社会の風潮として、対応困難な精神障害者(認知症含む)の事案においては、「そこに至るまでに相応の事情があれば、家庭内で殺人事件が起こるのもやむなし」という方向に流れていきかねません。その現状に私は、疑問と同時に恐ろしさを覚えます。(p299)
以下抜き書き。
...一読すると、患者の人権に配慮した、しごくまっとうな記述のように思われますが、現実はどうでしょうか。対応困難な患者に限って言えば、「本人の希望通りのプラン」こそ、家族への支配であったり、専門家の介入を拒むことであったりします。... (p389)
...この地域移行・アウトリーチの理想と現実について、私の実感を端的に申し上げれば、「支援を受けられる患者と、受けられない患者の二極化がはじまった」のひと言に尽きます。 (p390)
繰り返しになりますが、今のところ、医療機関での治療が受けられ、地域移行・アウトリーチのレールに乗れるのは、「優秀」な患者、すなわち専門家にとって「扱いやすい」患者に限られています。そこからこぼれ落ちた患者たちは、「社会的入院」や「長期入院」こそ免れるかもしれませんが、未治療や受療中断による事件化、そして司法化により「社会的制裁」を受けることになります。この現実に、私は憤りと虚しさを覚えます。 (p410)
読了 2017/05/14
投稿元:
レビューを見る
子供を殺してくださいという親たちが良かったのでこちらも読んでみた。前作同様、こういった世界も現実にあるということを教えてくれる一冊。
投稿元:
レビューを見る
今回はかなりドキュメンタリーな部分が多くて良かったですよ! 著者の描写力が的確だからでしょうか、問題のある家族がリアルに浮き彫りになって僕の脳内に浮かび上がってきました…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
でもまあ、後半になるにつれ、今の精神医療の問題点などを挙げていくのですけれども、あまり興味のない者からしたらやや退屈に感じましたねぇ…これは前著でも言えることですが。
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、それでも! 「お金に重きを置いた子育て」は失敗する、とした著者の意見には僕も賛同ですねぇ…。大金を稼ぐことがイイこと! なのは分かりますけれども、それだけじゃないでしょ、ってところに子供を導かないと…大人になった時、うまく社会に適応できない人になっちゃうんですねぇ…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
投稿元:
レビューを見る
オール3は素晴らしいこと
著者が出会う対象者は、ものすごく勉強ができたか、ものすごく勉強ができなかったのどちらかだという。
オール3の子育て。よくよく考えると難しいのだと思う。
真の自立とは、親と縁を切ることだ、との記述には驚いた。腑に落ちた。
投稿元:
レビューを見る
子供の死を祈る親たち。
押川剛さん。
「精神障害者移送サービス」の代表をしている著者。
引きこもり。
毒親。
精神障害。
辛い話でした。
どうしたらよいのだろうか?
行政も、辛い。
警察も、辛い。
病院も、辛い。
親も家族も辛い。
本人も辛い。
どうしたらよいのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
書店で見掛けて購入。
引きこもりの家族に悩んでいる家って他にもあるんだ、と実感。
第1章 ドキュメントのケース5とケース6は「死んでほしいきょうだい」ということで、兄弟にもスポットが当たっています。
精神障害者の脱施設化・地域移行の流れについての説明、先行して精神障害者の脱施設化を進めたアメリカの現状など、興味深いです。
いざとなったらこういう民間業者に依頼して解決を図るのも手かなぁ、と思いました。正直、役所や保健所はあんまり期待できる気がしないです……
投稿元:
レビューを見る
親子間の溝はますます深くなっている。自室に籠もり、自殺すると脅して親を操るようになった息子。中学時代、母親の不用意な一言から人生を狂わせ、やがて覚醒剤から抜け出せなくなった娘。刃物を振り回し、毎月30万も浪費するひきこもりを作ったのは、親の強烈な学歴信仰だった…。数々の実例からどのような子育てが子供の心を潰すのかを徹底的に探る。現代日本の抱える病巣を抉る一冊。
ここまでこじらせてしまうと、医療につなげるのは命がけである。警察ほどでなくても、ある程度の「力」をもった「組織」がかかわった方がよいと思う。
投稿元:
レビューを見る
ずいぶん前に、『子どもを殺してくださいと言う親たち』を読んだ。
本作は、第1章のドキュメントの分量が多く、重篤な患者と家族の問題が綴られている。
心が壊れていった子どもたちを育んだ家庭には、見えにくい闇が潜んでいる。
様々な問題を抱えた家庭の子どもが必ずしもそうなるわけではないことは明記しておくが、やはり、等身大の自分を受け入れてもらえないであるとか、親の価値観を押し付けられ続けるであるとか、本来与えて然るべきの愛を受けられなかったことに大きな原因がある。
ただし著者は、親に責任を全て求めてはいない。
親の生育歴(地域社会や家庭環境)のほか、変化し続ける社会全体に、問題の根源があることを指摘している。
患者やその家族が関係機関をたらい回しになり、結局適切な治療や支援を得られていない現状を理解することができた。
相談機関を一本化することや、移送のスペシャリスト集団の設立などの提言もあった。
本人たちの苦しみだけでなく、地域住民の苦しみや悲しい事件事故をなくすためにも、国や地方自治体は動くべき時がすでに来ている。
投稿元:
レビューを見る
「『子供を殺してください』という親たち」を読む前にこちらを読んでしまった。
引きこもりの子供を親が殺した
精神疾患を疑われる子供を監禁した親が逮捕された
家庭内暴力がひどい子供と無理心中した親
親兄弟、家族を皆殺しにした子供
など…
最近のニュースでもよく報じられている。
著者の押川剛さんはそんな引きこもりや立てこもりの子供たちを保護し、病院や施設に移送する「精神障害者移送サービス」を立ち上げ自立・更生支援にも関わっている方。
この本では6つのケースが取り上げられている
DVで奴隷化した家族
ゴミ屋敷と化した家
ひたすら「金」を無心する子供
精神的に病み、ひきこもってしまった子供
など…
どのケースも本当に読むのがつらく思うほど
読んでいる私が思うぐらいだから、実際に関わった押川さんは、それ以上に、親や子供たち、行政などに歯がゆい思いをしつつ、つらい思いを感じつつ、それでもどうにかしたいと関わってきたのだろうな…
子供にちゃんと向き合わない親
自分の価値観を押し付ける親
そして「いい子」であろうと無理をする子供
反抗期のない子供
「お金」主義の子育て
過干渉の親、無関心な親
引きこもりやたてこもりなどの多くに「家族の問題」が関わっているという。
これを読んで「うちには関係ないよ」
なんて言える人っているんだろうか…
子育てに正解も不正解もない
「うちはちゃんと子供に向き合ってるから」
なんて自信をもって言える親は少ないのではないだろうか?
「座敷牢」と今の「引きこもり」や「立てこもり」は似ている
家族以外に「恥ずかしいもの」を見せないようにした座敷牢
自ら家族とのコミュニケーションを断ち、その空間でしか生きられない「引きこもり」「立てこもり」
事件が起きてニュースになると「引きこもり」「立てこもり」の子供が悪いっていう意見も多い。かばう気もないけど子供だけの問題じゃない。これは家族全体の問題。子供が家族にSOSを出しているのに家族が気が付かないふり、見ないふりをしているんじゃないかな…
私は子供を育ててことがないから説得力がないかもだけど、時々心配になるような親子を見たりする。
この本が著す親子関係の問題は、今の日本、今の人間社会が抱える病巣…なのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
心が壊れてしまい、親への復讐や無心にはしる子供のモデルケースの紹介は前作と同じであるが、前作よりは登場人物達に希望の光が見えた。