流行語大賞2017にノミネート! 「睡眠負債」
2017/11/17 10:54
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野間丸男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「なぜ眠る必要があるのか?」には、まだ明確な答えがないそうだ。
2011年の初版からの7年近くで、改訂新版が出た。
それほど「睡眠研究」には、新しい知見があるらしい。
画像解析技術の進展で、睡眠の正体がわかりつつある。
覚醒をもたらす物質「オレキシン」も明らかになってきた。
「何時間眠ればいい?」、「寝だめはできるの?」、
「目覚ましが鳴る前に目が覚めるのはなぜ?」など、
睡眠に関する疑問も、これからのテーマもわかりやすく解説。
筆者の「なぜ眠るのか?」の仮説は、必見!
怠けてるんじゃない
2017/10/22 06:12
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
睡眠は単なる休息ではありません。睡眠中に脳内の情報が整理され、再構成されて起床後の活動に役立てられるのです。積極的に良質の睡眠をとるよう、指導が必要ですね。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
睡眠が科学的に分析されていて、興味深く読むことができました。睡眠障害などの治療にも、近づいていけそうです。
4人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
睡眠とはなにかということが、面白いなと思いました。睡眠について深く考えたことがなかったので、おもしろかった。
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初版刊行後の最新知見を大幅加筆!
近年の睡眠研究の進歩はめざましい。ノンレム睡眠時に老廃物を洗い流す「グリンパティック・システム」の発見、日本で発売された画期的な不眠症治療薬、「睡眠負債」が溜まるメカニズムなど、世界の睡眠研究をリードする著者が最新知見をもとに迫る「睡眠の本質」
脳が求める「眠り」とは?
脳は睡眠中に洗浄されアルツハイマー病を防ぐ!
世界に先駆け日本で発売された不眠症治療の新薬とは?
寝不足でたまる「睡眠負債」はどう返す?
第一人者による最新の睡眠サイエンス!
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ブクログの抽選であたったので早速読んでみた。
読む前はどのようにするとよく眠れるのか・睡眠の質があがるのかといった内容を期待していたのだけど、そういうことは書いておらず、レム睡眠やノンレム睡眠の最中の脳の動きやなぜ眠るのかといった、本当に科学的な視点での睡眠についての内容だった(実際、本書にも、どうしたらよい睡眠がとれるのかについては他書に譲ると書いてある。今度はそういう本も読んでみようと思う)。
中身としては、自分が脳科学とか近い分野に無知なところもあってむずかしいと感じる部分も多かったけど、ある程度は睡眠について分かったような気がする。レム睡眠とノンレム睡眠の違いとか、睡眠と覚醒とオレキシンの関係とか。
それにしても、睡眠は哺乳類や鳥類では普遍的に観られる現象らしいのだけど、進化の過程でどうしても省くことができなかった重要な機能ということを「はじめに」で書かれてあってなるほどと思った。自分も睡眠を大切にしていけるようにしたい(ムダに遅くまで起きちゃうときとかあるし)。
ちなみに、そもそも睡眠とは「外部の刺激に対する反応性が低下した状態であり、容易に回復するものである」と定義されているらしく、全身麻酔で眠っている場合は刺激に対する反応性は低下しているが、”容易に回復できる”は当てはまらないので睡眠とはいわないらしい。ということは、睡眠と寝るというのもまた違うということなんだろうなぁ。いろいろ奥が深い。
にしても、睡眠の研究だけに限らないけど、動物実験では人間はいろいろ酷いことするんだなと。長時間睡眠させないようにした犬の脳脊髄液を別の犬に投与すると、投与された犬が眠るって、いろいろ衝撃的。でもそれって、実験に使われて疲れたから眠っただけなような気もしなくはない。
なお、本来なら眠るとノンレム睡眠になるそうなのだけど、長いこと寝ていない場合などはレム睡眠から始まることもあるらしい。そういう場合、まだ前頭前野が活動している状態で夢を見ることになるからすごい鮮明なのだとか。そういえば、うちの妹はやけに夢の内容をよく覚えている時があるのだけど(実際に体験したのではないかと思うぐらい具体的な話をする。夢だけあって支離滅裂なところはあるけど)、あれってノンレム睡眠の最中に目覚めてるのだろうか。自分は見たことは覚えていても、すごいあやふやな記憶しかないことが多いのだけれども。
それにしても、相変わらずアメリカの軍事研究には驚かされる。軍人を寝ないでかつ、睡眠不足によるミスを少なくなるような研究が行われてるのだとか。まあでも、そういう研究がすすんでいけば、仕事中に目覚めさせる製品とかもでる可能性あるわけだから、プラスに働けばいいんだけどね(最近、ブラックブラック噛んでも眠いままということがよくある)。
第7章では睡眠に関する日常の疑問についていろいろ書かれてあったのだけど、その中では夢遊病についての話が面白かった。夢遊病は深いノンレム睡眠のときに起こる行動らしいので、夢遊病とついているけど実は夢は見ていないらしい。あれは本当に不思議だと思う。ちなみに、夢遊病というと自分は『さようなら、ドラえもん』のジャイアンを思い出すのだけど、初めて見た時はわけが分からなかった。
なお、夢遊病と似ているけど、ノンレム睡眠ではなくレム睡眠時に起こる現象は「レム睡眠行動障害」というらしい。普通、レム睡眠時は運動系への出力は眼球など一部をのぞいてされないようになっているそうなのだけど、そのメカニズムがうまく働かないようになっている現象らしい。なので、夢の中の出来事を実際に行動してしまうこともあるのだとか。こっちのほうが夢遊病という名前にしたほうがあってるような気がするのだけど、いまさらか。
いろいろ書いてあったけど、睡眠についてはまだまだ分かってないことも多いようなので、どんどん科学的に明らかになってくれたらいいと思う。
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ブクログさんに応募し、送られてきました本です!
睡眠と目覚めについて興味津々です!
題名にある通り科学的な説明で難しくもあり、また今まで見聞きしてきた睡眠のメカニズムが書かれています。
今後も自身の生活サイクルの中で、自分に合うより良い睡眠を考え実践していきます。
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睡眠は時間も食うし無防備になるし明らかに不利なのに、なぜ動物は眠らないですむように進化しなかったのか?
それは睡眠が欠かせない重要な役割を担っているから。
睡眠は記憶の固定に深く関わっており、眠ると新しい記憶が定着する。とくに手続き記憶(技巧や運動技能)に睡眠が重要。
ノンレム睡眠は脳の急速と老廃物の洗浄、レム睡眠は入出力はカットされた状態で脳は活発に活動。体は動かないが夢を見る。夢の特徴は論理的判断はできなくなっているが感情と運動が関わること。
レム睡眠は単なる浅い眠りではなくノンレム睡眠とは異なる役割を担っているらしい。通常はレム睡眠は睡眠時間の1/4だがレム睡眠だけ邪魔すると入眠後すぐレム睡眠に入るようになる。
モノアミン(覚醒)・コリン(レム睡眠)の脳内でのブロードキャストにより覚醒・レム睡眠・ノンレム睡眠の3状態が引き起こされる。覚醒はモノアミンもコリンも活動、レム睡眠はコリンのみ活動、ノンレム睡眠では双方抑制。
覚醒とオレキシンとナルコレプシーは関係している。
オレキシンは覚醒と摂食に関係する。
筆者の仮説: ノンレム睡眠はシナプス結合の正則化(よけいな結合を弱める)っぽいことをやっており、レム睡眠は記憶の重み付けと整理をし取り出しやすくしている。
結局なんで眠らないといけないのかはまだよくわかっていないが眠らないと死ぬ。
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睡眠という現象を軸として、あらゆる脳機能の根底にあるシステムを概観し、心のメカニズムや精神疾患の原因を解き明かすことを射程に入れる、末広がりなお話になっていて興味深かった。
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「睡眠」とは何かに迫る。脳科学、神経科学のフロンティアを覗く専門的文庫本
●感想
睡眠に対して「what」から迫った本。ハウツー本は多いが、真摯に「眠る」ことそのものについて語る本は少ないため、貴重。面白いのは「睡眠の研究者にとっても『なぜ眠る必要があるのか』はよく分かっていない」ということ。ただ、「眠らないと身体に不調をきたす」「眠っている最中は脳で色々と活動が起きている」ことは分かっているようだ。何かしらの方法で脳・身体をメンテナンスしていることは間違いないという。特に、様々な動物が色々な工夫で睡眠時間を確保していることが興味深い。イルカは脳の半分ずつを眠らせて、泳ぎながら眠ることができるという。
身近な「睡眠」だが、まだまだ分かっていないことが多く、神経科学の最先端研究分野なのだなぁ..。
●本書を読みながら気になった記述・コト
◆「睡眠は進化の過程でどうしても省くことのできなかった機能」
・野生動物は命をかけて眠る。キリンは立ちながら、鳥は飛びながら、イルカは泳ぎながら眠る。「バンドウイルカは、一度の睡眠では片側の大脳半球のみが眠る。つまり、交互に大脳半球が眠ることによって、どちらかの脳は覚醒した状態を保ったまま睡眠をとっている」
→脳という高度な情報処理機能を維持するためには絶対に必要なもの
・「睡眠は脳が積極的に生み出す状態であり、身体の、とくに脳のメンテナンスに必須の機能である」
・「睡眠をとらない状態が続くと、動物は感染症や多臓器不全で死亡する」
◆「睡眠の役割は謎が多いが、メンテナンス作業と情報の整理をする役割がある」
・脳では、老廃物の処理を血流だけでなく、脳脊髄液という液体が行っている。その処理はノンレム睡眠の最中に行われている、という研究結果がある
・眠らない時間が長時間続くと様々な不調が現れる。しかし、睡眠時間を確保することで、それらの不調は消える
◆レム睡眠時は、脳から身体への命令はインターフェースレベルで遮断される
・レム睡眠時の大脳皮質は覚醒時よりも強く活動していて、それらの状態では、脳を外界と遮断しておかなければ、身体の機能が暴走するのではないか
◆「浅い睡眠」として軽視されがちなレム睡眠を、身体は必ず必要とする
・連続的にレム睡眠の時間を遮断すると、次に寝るときにレム睡眠のとる時間が増える
・レム睡眠には独自の恒常性を保つメカニズムがあり、「ノンレム睡眠の隙間を埋める」以上の生理的な機能を持っている
・筆者の仮説では「ファイルシステム」の整理
◆夢を夢と判断できないのは、脳の一部分の働きが低下しているから
・「夢を見ているときに奇妙だと気づかないのは、前頭葉の前頭前野背側部という部分の機能が低下しているためである。この部分が十分に機能しないと、見ている現象に関して、反省するとか、「おかしいぞ」と疑問に思うことができなくなるのだ」
◆なぜ空腹だと眠れないのか
・空腹時は、覚醒物質であるオレキシンを作るニューロンは、活発に活動し���いると考えられる
・血統度が上がると、オレキシン作動性ニューロンの発火頻度が上がる
・野生動物にとって、空腹は感じ始めたらまず食物を探し始めなければならない。餓死してからでは遅い。そのため、空腹を感じる、身体の血糖度が下がると、食物を探すために動物は覚醒レベルを上げるようになっている
・ご飯を食べると眠くなるのも同じである。血統度が上がると、オレキシン作動性ニューロンの活動が低下する。一時的に覚醒レベルが下がるのである
・食事は就寝の4~5時間前くらいに摂るようにすると、よい眠りをとるコツになる
◆適切な睡眠時間は「あなたが日中に眠気を感じずに過ごせる」かで判断
◆「寝だめ」はできないが、睡眠負債の返済はできる
◆新生児は「覚醒」「睡眠」のリズムが確立されていない → 夜泣き
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不思議な睡眠。最新科学でその不思議な世界をかいま見せてくれます。まだまだ分からないことが多いけど、日に日に新しい知見が得られているようです。睡眠と覚醒。それはシーソーのよう。片方が重くなって発現する。レム睡眠と覚醒が脳の活動状況では同じよう。対極に非レム睡眠があるという。いろいろな仕組みが分かってきたが、でも「なぜ眠むるのか」はいまだ分からない。
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睡眠と覚醒のメカニズムや研究状況について、一般向けに噛み砕いて説明された本。
一般向けとはいえ内容は学術寄り。まだまだ未知の領域が多いからか、「なぜ眠るのか、なぜ目覚めるのか」に対する答えもはっきりとは書かれておらず仮説止まり。
教養として読むのには非常に良かったが、私の場合は購入の目的に合っていなかった。
書店なら買う前に軽く目次をチェックした方が良い。
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睡眠について。なぜ眠るのかという問いに未だに答えは出せないが、睡眠が柔軟性はあれ絶対に必要なものであることや、睡眠によって脳がメンテナンスされたり記憶を整理したりする。ノンレム睡眠とレム睡眠は覚醒と睡眠ぐらい違うものであることやオレキシンといった物質について始めて知った。
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これまで、睡眠に対して、その必要性はある程度認識しつつも、出来ることなら減らしたい無駄な時間という印象を抱いていた。本書では、睡眠中に脳の内部で行われていることを通してその重要性を説いてくれた。
生物とはそもそもの状態が睡眠であり、必要な時だけ覚醒しているという考えには驚かされた。
途中から脳の構造や化学物質に関する専門用語が多く出てきて、素人の自分には読み進めるのが大変だったが、睡眠という身近ながらも良く知らない現象について勉強することが出来て良かった。