一遍 捨聖の思想
著者 桜井哲夫 著
遊行、踊念仏、陣僧、芸能者の阿弥陀……中世に巨大な影響力をもった時衆と一遍の思想。その本体を浄土教の歴史の中に位置づけて探る。信をも捨てて念仏へと向かう他力思想。
一遍 捨聖の思想
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2017/08/08 15:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桜井 哲夫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前著『一遍と時衆の謎』から3年。満を持して出します。その概要について、「まえがき」の一部を引いておきます。おそらく、最新の研究動向を踏まえて浄土教全体の見取り図を概説したという点では、類書のない本だと思います。一遍の思想の独自性と時衆という集団の重要性について、あらためて理解してほしいと思います。
「本書は、仏教のなかで「浄土教」という教えがどのように形成されてきたのか、インド、中国、日本へとつながる系譜をたどりながら、その流れのなかで「一遍と時衆」の思想を再考しようという試みである。大学教員をしながら、時宗寺院の住職となって十五年。いくつもの仏教史の通史を読みながら、昔ながらの各宗派の教義と宗祖の生涯の解説ばかりで、不幸なことに、一貫した思想の流れとして書かれた仏教史に出会わなかった。不満がたまったところで、自分が読みたいと思う通史を書きたいと思った。
「中国の善導(ぜんどう)から日本の法然へ」という、よく語られる構図ではなく、話はインドから始まるので面食らう読者もおられるだろう。最初のやや専門的なところを少しがまんして通読していただければ、私の意図を理解していただけるだろうと思う。中国で異端とされた浄土教が、どのように日本で発展したのか。日本仏教における「阿弥陀仏信仰」や「聖(ひじり)」の系譜を丹念にたどることで、一遍に至る日本の浄土門仏教の姿を明らかにしたいと思う」。